こんな夢を見た。

 

と、夏目漱石の『夢十夜』ばりの始まり方で豊臣が見た夢の話をします。

かなり支離滅裂でいきなり行動がぶっ飛んでますが、シクヨロ。

 

ではレッツドリーミン!(BOOWY)

 

 

豊臣が気づくと、そこは機材車の中だった。

しかしながら、いつもの機材車より大きめで、かつ後部座席には自分しかいない。

助手席にはシズマグマ。そして運転手はカズヒロ。

「あれ? 和也と鵜沼は?」

当然の質問を投げると、カズヒロいわく二人はどうやら「別件」の仕事に行っているらしい。

あれ? じゃあ自分たちはどこへ行こうとしてるのだろう?

そんな疑問を察したのか、今度はシズマグマがこちらへ向く。

 

「今、駐車場にアンプが置かれているって情報が入ったから頂きにあがる」

 

若干、言葉遣いに「?」が浮かぶが、それよりも内容に衝撃を受けた。

 

どうやら静岡のある駐車場にギターアンプが放置されていて、僕らはそれを奪いに行くというのだ。

いやいや。と豊臣は首を振るが、理解してもらえず、カズヒロとシズマグマはハイテンションで話を続ける。

気になるのは必ず語尾に「俺たちは盗賊だから」がつくところだろう。自己暗示の一種なのだろうか。

 

ともあれ、駐車場に着いてしまう。

 

っつーか、すげー広い駐車場だった。アメリカのショッピングモールでもここまでのは中々あるまい。

 

それなのに、車は他に見あたらず、情報通りにギターアンプが中央付近にポツンと置かれていた。

それを見て豊臣は気づく。

(あれ、カズヒロがいつも使ってるアンプじゃん!)

そうなのである。

その放置されたアンプとは自分たちの物なのである。

なのに、二人はそれに気づく様子もなくアンプを見て「あった!あった!」とはしゃいでいる。

もうアホだ。素直にそう思った。

他に車はない。人もいない。自分達しかいない。いや、自分たちとアンプしかいない。

それなのにカズヒロは慎重に距離を置いた所で停車し、深呼吸する。

そして作戦内容を知らされた。

「豊臣はトランク開けてアンプを入れる隙間を作ってくれ。シズマグマは俺と一緒にバレないようにアンプを持ってくるオーケー?」

三人は頷きあう。もう豊臣も盗賊気分だった。ここらへんが夢ならではだ。

 

そして、一斉に車から飛び出して各自の仕事に取り掛かる。

豊臣は颯爽とトランクを開けるが、そこには既にアンプを入れるピッタリの隙間があった。

そりゃそうである。もともとそこに入っていたものなのだから。

なので整理する必要もなく二人の様子を見ようと振り返ると衝撃の光景が目に入った。

 

そこにはわざとらしく口笛を吹きながら蛇行してゆっくりとアンプに近づくシズマグマと、その後ろであたりをキョロキョロと伺っているカズヒロが居たのである。

 

いやいやいや。と豊臣は思った。

他に誰も居ねーから。と。

しかしながらシズマグマは逆にわざとらしく見えるほど口笛蛇行を続け、カズヒロも注意深く歩いている。

いや、だから他に誰もいねーって。と言いかけて、グッと抑える。

そして二人がアンプに辿り着いた瞬間――――。

 

アンプを抱えて猛ダッシュする二人。

 

いや、最初からそうしろ! ダッシュで取ってダッシュで戻って来いよ!

等とは言わずにスムーズにアンプを詰め込んで車に乗り込み、急発進でそこを後にした。

車内は「うまくいった!うまくいった!」と盛り上がる。そのままコンビニで和也&鵜沼と合流するとの事。

 

程なくして着いたコンビニの駐車場。

二人が乗っている車の横に停車して、豊臣が仕事の首尾を聞きに行く。

車を移ると助手席に鵜沼。運転席は和也。

しかし、上機嫌の和也とは違い鵜沼はメッチャへこんでる。

たまらず豊臣は聞いてしまった。

「仕事って何やってたの?」

そのセリフ待ってましたといわんばかりに和也がスマホをこっちに渡してくる。

「いやー、大変だったよ~」

そう言いながらもメチャ笑顔の和也。いったい何をやって来たんだ?とスマホを見ると……、

 

「雑誌のモデルやって来たの!?」

 

そうなのである。何故か二人はファッション誌のモデルをやってきたのである。

スマホには意気揚々とポーズを決めている二人の写真が何枚もあった。

しかも鵜沼は表紙だという。

なんつー仕事とってきてんだよ。と思いつつも和也にスマホを返し、鵜沼へ向いた。

「ところで、なんでそんな落ちこんでるの? モデル嫌だった?」

聞くと鵜沼は何も言わずに首を横に振ると、和也同様にスマホを差し出してきた。

そこでようやく口を開く。

 

「LINEの全データが消えた……」

 

……。

 

見事になんとも言えない理由だった。

そんな事言われても、こちらはどうすることもできない。

なので、それは落ち込むよね。とだけ言葉を添えて二人を機材車へと乗り込ませる。

そしてまた出発。

これでメンバーは揃ったのだが、このまま何処へ行くのかわからない。

「ところで、どこ行くの?」

豊臣が聞くとカズヒロがさも当然のように言う。

「演劇場だよ」

「演劇場!? 何しに行くの!?」

まさかの目的地に驚く豊臣を意に介さずカズヒロはさらっと言う。

 

「歌舞伎やるから」

 

 

――――そこで、目が覚めた。

 

いや、覚めるだろう。

最終的に歌舞伎をやりに行くなんて言われちゃ、誰でも驚く。

ハッと起きて夢だとわかり心底安心したのは言うまでもない。

 

何から何まで謎の夢だったが、何となく忘れられなかったので夢日記のようにここに供養する。

 

何もしないを求められている世の中ですが、夢の中では自由なのでそこをうまく利用しよう!

楽しくて素敵な夢を見られますように!

願っております!!

 

ではでは、今日はこのへんで!

 

 

チョーキング~!!