本業が多忙で全豪オープンテニスの展望も書けず、3回戦までの試合についても記事を更新できませんでした。しかし、4回戦で錦織が素晴らしい戦いを見せてくれましたので、簡単ですが記事を書きたいと思います。

 

まず、1回戦と2回戦でフルセットの末に勝った試合について触れたいと思います。

 

1回戦は2セットダウンとなって厳しい状況になりましたが、第3セットが始まった時点で相手のマイシュジャクが手と足に痙攣を起こしており、まともに戦えない状態となり、ほぼ勝敗は決しました。それ以降は錦織がポイントを重ねて一方的な展開になりました。第5セットで錦織が3-0とリードした時点でマイクジャクが棄権して、錦織の2回戦進出が決まりました。

 

2回戦のカルロビッチ戦では、錦織が最初の2セットを連取しますが、そこからカルロビッチが2セットを取って第5セットまで試合がもつれました。

 

5セットでは、錦織が負けたなと思った場面が2回ありました。1回目は4-4で迎えた錦織のサービスゲームで0-40となった時です。カルロビッチは210センチの長身から強烈なサーブを打つ選手で、相手としてはサービスをブレークするのが非常に難しい選手です。ここでブレークされてしまえば、次はカルロビッチのサービスゲームですので、ほぼ勝敗が決してしまいますので、実質的にはマッチポイントを迎えたと言っていい場面でした。この苦しい状況で、錦織は5ポイント練習してサービスゲームをキープします。

 

2回目は10ポイント先取のタイブレークの時です。6-6からの錦織のサーブの時に、カルロビッチにポイントを取られミニブレークを許します。カルロビッチのサーブを考えると、タイブレーク終盤にリードを許すのは非常に苦しい状況であり、そのままカルロビッチのサーブをミニブレークできずに負けてしまうのではと思いました。

 

しかし、この後のカルロビッチの2本のサーブをミニブレークしてリードを奪うと、錦織は自分のサーブで2ポイント連取して逆転でタイブレークを制して勝つことができました。

 

 

4回戦のカレーニョブスタ戦では、2セットを連取されて、再び錦織は窮地に立たされます。第1セットは、錦織がセットを取るチャンスが十分ありましたが、錦織がストロークの打ち合いで攻めきれない場面が多く、結局タイブレークを落としてしまいます。第2セットではカレーニュブスタの調子が上がり、ストロークの打ち合いでも錦織を押し込む場面が多く、6-4でカレーニョブスタが取ります。

 

3セットのゲームカウント2-2からの錦織のサービスゲームで、先にブレークを許してしまい、錦織は窮地に立たされます。私自身は、この時点で錦織が勝つのはほぼ難しいと思いました。しかし、直後のカレーニョブスタのサービスゲームをブレークします。このセットの途中から、織のストロークが良くなり、特にフォアハンドのショットでカレーニョブスタを圧倒します。錦織が攻めに出た場面でポイントを取りきることが多くなります。第1セット同様に、このセットもタイブレークまでもつれこみ、今度は錦織が取ってセットカウントを1-2とします。

 

4セットは錦織のペースとなり、6-4で取ってセットカウント2-2とし、12回戦と同様にフルセットにもつれこみました。

 

5セットの第3ゲームでカレーニョブスタのサービスゲームを錦織がブレークし、錦織がリードを保ったまま試合が進みます。5-4で錦織のサービスゲームとなり、このゲームを取れば勝利を手にすることができます。

 

ここでカレーニョブスタは、錦織にストロークで攻め込まれても深く緩いボールを返して凌ごうとします。錦織は厳しいショットを打っても中々決められず、このセットを取れば勝てるという緊張を強いられる状況なので、よりリスクを冒して決めに行くことができません。そして、錦織がストロークが少し甘くなると、それまでつなぐこと優先していたカレーニョブスタが攻めてきて、ポイントを奪われます。また、錦織がリスクを冒して攻めに行った時はミスとなってしまい、結局このゲームを落として5-5-のになります。

 

その後はお互いサービスゲームをキープして、10ポイント先取のたーブレークとなります。タイブレークでは、序盤からカレーニョブスタがリードします。そして、6-5とリードしてカレーニョブスタのサーブとなり、そこで2本ともカレーニョブスタが取って、錦織は5-8とリードを奪われます。

 

この時も、私は錦織の負けを覚悟しました。ここから錦織がサーブを2本取っても、その後のカレーニニョブスタのサーブをミニブレークできなければ、錦織は負けてしまいます。ましてや錦織が1本でもミニブレークされてしまえば、マッチポイントとなってしまうので、錦織は絶対絶命の状況になってしまいました。

 

しかし、錦織は自らのサーブのポイントを2本取り、7-8としてカレーニョブスタにプレッシャーをかけます。この場面で、ゲームカウント5-4で迎えた錦織のサービスゲームでカレーニョブスタが取った戦法を、錦織が実行します。緩いボールを深く返して、カレーニョブスタに打たせ、カレーニョブスタのストロークが甘くなったときにカウンターショットで攻め込み、ポイントを奪います。次のポイントも、同じようにカレーニョブスタに攻めさせて、カレーニョブスタのミスを誘い、ポイント9-8として逆にマッチポイントを迎えます。

 

そして、その後にサービスエースを決め、錦織は2セットダウンから逆転でベスト8進出を決めました。5時間を超える熱戦で、マッチポイントこそ取られませんでしたが本当に苦しい場面を迎えながらも、見事な戦いで錦織は勝利を収めました。

 

 

次は第1シードのジョコビッチが相手です。1回戦と2回戦はフルセットと言っても、体力的な負担はそれほど大きくはなかったのですが、4回戦は非常にタフな内容で次の試合への影響が心配されます。体力面を考えても、最初の2セットのうち最低でもどちらかのセットを取ることが非常に大切になります。また、ジョコビッチの堅い守りを打ち破れるかどうかが勝負の鍵を握りますので、錦織が攻めたときにポイントを取りきれるかどうかが勝敗を決することになると思います。

 

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