最近は武漢ウイルスの影響で、憂鬱になるニュースが多くなっています。そんな状況なので、今日は少し気分を変えるような記事をアップします。
以前は、外国人にとって日本食というと寿司や天ぷらをイメージしていたと思いますが、近年日本の情報が多く外国に伝わったため、かなり変化があるようです。
外国に日本の情報が伝わったのは、インターネットや漫画・アニメの影響、訪日外国人数が増えたこと、それと外国における日本食料理店の増加などがあります。
観光庁が平成29年に行った訪日外国人消費動向調査では、外国人が飲食の種類で満足したものが分かります。以下の表は、満足した料理のベスト10です（複数回答）。
最も満足した飲食
資料出所：「平成29年訪日外国人消費動向調査」観光庁
1位が肉料理、2位にラーメンで、外国人にとって日本食の代表格と言える寿司は3位になっています。
主な肉料理は“すき焼き”“焼き肉”“しゃぶしゃぶ”だと思いますが、最近は特に”焼き肉“が人気のようです。寿司や刺身など生の魚に抵抗感のある外国人は以前に比べれば減ったと思いますが、やはり生魚が苦手という外国人は一定数はいるようです。それに比べて”焼き肉“であれば、どの国の人でも食べるような食材ですので、外国人にとっても抵抗感は低くなります。また、日本の牛肉は外国人も認める品質ですので、そういった面でも肉料理の満足度が高くなっているかもしれません。
2位のラーメンは、外国にも店舗が増えており、各国で行列ができるほどです。外国の日本食店というとチャイナ人や朝鮮人が経営する「なんちゃって日本食店」が多く存在しますが、ラーメンは日本人が経営する店が多くあるようで、本格的な日本のラーメンを提供する店が多くなっています。
また、最近では日本で修業した外国人が店を出すこともあるようで、現地の食材を生かしたラーメンも出現してきています。それでも、やはり本場のラーメンを食べたいと思い、日本に来てラーメンを食べる外国人が後を絶たないようです。そして、日本のラーメンは種類が豊富で、日本にいる間に何回もラーメンを食べる人がいるようです。
一方で、まだ外国ではラーメンをどこでも食べられるという状況まではいっていないので、日本でラーメンを初めて食べたという人も多くいるようです。焼肉とラーメンの満足度が高かった理由として、自国では味わうことができないという意見もあったようです。
次に、最も満足した飲食について地域別に見てみます。下の表は、最も満足した飲食の地位別のベスト10です。
最も満足した飲食（地域別）
資料出所：「平成29年訪日外国人消費動向調査」観光庁
肉料理が1位になっているのは東アジアだけで、他の地域では違う料理が1位になっています。観光庁の調査では東アジアのサンプル数が多かったようですので、その影響もあって肉料理が全体の1位になったことが考えられます。
地域別のベスト10を見ると、ラーメンはどの地域でも1位か2位になっており、各地域でラーメン人気が非常に高いというのが分かります。
全体で3位の寿司は、欧州では1位になっていますが、ほとんどの地域ではラーメンと肉料理よりも下位になっています。しかし、日本の寿司は外国の寿司とは別物だと感じる外国人が多くいて、相変わらず外国人には寿司が人気のようです。外国でも寿司を提供する店は増えましたが、日本は海産物の鮮度を保つ技術が発達しており（詳しくは「日本の刺身や寿司は海外と別物」参照）、その鮮度の差が寿司の美味しさにつながっています。また、外国では巻き寿司が多いのですが、日本では握り寿司が中心で、しかも種類が豊富なことに外国人は驚くようです。
また、全体で上位4位までの料理である、肉料理、ラーメン、寿司、魚料理が、どの地域別でも上位を占めています。アジアと北米では、そば・うどんが小麦粉料理よりも満足しており、欧州と豪州では逆になっており、欧州・北米・豪州は酒がベスト10に入っていますが、アジアではベスト10に入っていません。
こうして見ていくと、日本人がよく食べている料理を訪日外国人も食べて満足していることが感じられます。これからも、外国で日本食を提供する店舗が増えたり、訪日外国人が増えて色んな日本食を食べたりすることで、ランキングが変化していくかもしれませんね。
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