皆さん、こんにちは。
関西を中心にリトミック、音楽ワークショップ、コンサートなど多方面で活動しています、「アンサンブル・おっとっと」本日ブログ担当の東です。
昨日は敬老の日…ということで、これまでに私が関わってきた高齢者のための音楽プロジェクトの中で、特に印象的だったものを振り返ってご紹介したいと思います。
昨年のことですが、私は大阪の日本センチュリー交響楽団が推進する音楽プロジェクトに関わる機会がありました。
英国はマンチェスター(サッカーチームが有名ですね)に拠点をおく「マンチェスター・カメラータ」の音楽家たちが来日、オーケストラの演奏家を初め日本の音楽家とのワークショップのあと、大阪府内の高齢者施設での実践と振り返りを行いました。
このプロジェクトは、関西は豊中文化芸術センター、東京では東京文化会館でと連続して取り組まれ、社会学、文化芸術、福祉など多様な切り口から、今後の超高齢者社会に向けた芸術のアプローチを探る機会となっていました。
チラシがかっこいい。
この取り組み全体の様子は、概要としてこちらにまとめられています。
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私は一連のプロジェクトの中で、音楽家のトレーニングと、高齢者施設の中での「音楽づくり」を通した場づくりに関わりましたが、その中である一つのことを考え続けていました。
それぞれにバックグラウンド、年齢、身体機能、疾患の差や性格(お話し好きであるとか、)の差、その人それぞれがその場に「在る」ことに、どのように音楽家として寄り添えるのか?ということ。
例えばどんなに音楽家が熱心にはたらきかけたとして、全く変化や反応がない利用者がいらしたとして、それは何を意味するのか。
単に退屈しているのか、楽しいと感じているけれども、それを表せる性格ではないかもしれない。
疾患のために身体や顔面に麻痺が残り、わかりやすい反応を出せないこともある。
普段とは違う関わりの中で見えてくる「その人」の姿を、その見え方から限定して決めつけてしまうのではなく、あくまでその人にとって少しでも心地よく、安心できる場が作られるにはどうしたら良いのか。
福祉の現場に限らず、自分の相対する「その人」をどうとらえることが良いのか、色々と考えるきっかけになったのでした。
アンサンブル・おっとっとの活動の中では、特にそのキャリアの初期、高齢者の方に向けたプログラムを沢山おこなってきましたが、こうした先進的な取り組みから抽出できるメソッドやアイデアを、今後の現場の中に生かしていきたいと考えています。