寄生虫と統合失調症の関係

ある寄生虫に感染すると統合失調症を引き起こすかもしれない、と言われてもまるでSF小説のような印象を受けますが、もしかすると本当かもしれません。

ねこへび寄生虫感染者で統合失調症の発症率が上昇?

トキソプラズマ原虫という寄生虫を知っていますか?比較的一般的なもので、ネコや家畜を媒介として感染します。
そして今回、米国の研究機関がこの寄生虫が統合失調症のリスクを上昇させる可能性があると発表しています。

専門誌に報告された内容によると、ウォルター・リード軍研究所およびジョンズ・ホプキンス小児センターの研究者達は、180人の統合失調症患者の7%が統合失調症と診断される前にトキソプラズマ原虫に感染していた一方、統合失調症を発症していない人では532人中5%だったという事を発見しました。

統計値の母数が違うため、きちんと整理すると、これはトキソプラズマ原虫に感染した場合の統合失調症の発症リスクは24%えっも高いと言うことを意味します。

これはリスクを少しだけ上昇させることを表す一方で、米国内に存在する200万人の統合失調症患者の一部がどのようにこの病気を発症したのかについての手かがりを与える可能性があるため、とても重要視されています。



かお発見された事実

「我々の発見は、我々がこれまで見てきた、この一般的な寄生虫への感染と、その後に起こる統合失調症の発症の間にある強い関係性を明らかにしました。」とジョンズ・ホプキンス小児センターの神経ウイルス学者であるロバート・ヨーケン医師は述べています。

なお、過去の研究でも、統合失調症とトキソプラズマ原虫に対する抗体(抗体が存在すると言うことは、過去にその人がトキソプラズマ原虫に感染したことを示す)との間の関係性について発見していました。

今回の発見は、寄生虫への感染が統合失調症の最初の症状の攻撃を先行させるとヨーケン医師は述べています。「今まで我々が言えたことは統合失調症患者の一部は、どこかの時点でトキソプラズマ原虫に感染したことがあると言うことだけでした。しかし、我々はどちらが先だったのかを引き出すことが出来ませんでした。」と付け加えています。

「我々の現在の研究により、寄生虫への感染が先であったことが分かりました。」




かお更なる調査に向けて

ヨーケン医師と同僚達は抗寄生虫薬の積極的な利用が、トキソプラズマ原虫に感染した統合失調症患者の症状の進行を食い止めることが出来るかどうかを調査する計画を立てているところです。

ほとんどのトキソプラズマ原虫感染は、幼い頃にネコの糞やきちんと火が通っていない牛肉または豚肉に接したことによって起こります。
感染は希に症状を起こすことがありますが、寄生虫はそのまま体内に残り続け、長い時間眠らされた後、活動を再開することがあります。

なお、注意したいのは、トキソプラズマ原虫に感染したとしても、ほとんどの人は統合失調症を発症しません。しかし、遺伝的に統合失調症になりやすい人にとっては、この寄生虫が心の病の引き金を引く可能性があると言うことです、とヨーケン医師は説明しています。




リンゴ寄生虫予防が一つの対策となるか?

トキソプラズマ原虫と統合失調症との間にこのような関係性があるとは、意外に思った方も多いのではないでしょうか。まだこれは調査段階であり、結局直接この寄生虫が原因ではなかった、という結論に達する可能性も否定できませんが、寄生虫に感染して良いことはないはず。

普段から感染に注意したいですね。

そこが知りたい!感染症一刀両断!/古川 恵一
¥2,940
Amazon.co.jp

身体を守る免疫の仕組み―病原菌を破壊する驚異の生体防御機構/才園 哲人
¥1,470
Amazon.co.jp

なんとかなるよ統合失調症―がんばりすぎない闘病記/森 実恵
¥1,470
Amazon.co.jp



それではまた。

My Yahoo!に追加

ブログランキング参加中です。クリックして頂ければ幸いです。
Blogランキング にほんブログ村 健康ブログへ ブログ王 fc2

ページビューランキング!! ブログランキング