赤身の肉と腎臓ガンの関係(その2)

赤身の肉が好きな人も多いことでしょう。肉食の人の方が何らかの疾患にかかるリスクが高いと言うことも一般的に知られていますが、今回米国で行われた大規模な調査はそれを更に掘り下げる結果となりました。

前回の話はこちらへ。

乳頭ガンと特に関係?
平均で、この調査に参加した男性は1日平均2~3グラムの、女性は1~2グラムの赤身の肉を食べていました。肉の消費量について五分位数で分類した際に、一位となる参加者(1日に約4グラムの肉を消費)は、最下位のグループ(1日に1グラム未満の肉を消費)と比較して、腎臓ガンと診断される確率が19%高い事が分かりました。

なお、この結果は、年齢・血統・果物や野菜の消費量・喫煙・飲酒・高血圧や糖尿病を含むその他の内科的状態のような、ガンのリスクに影響を与える可能性のあった食事やライフスタイルの影響を勘案した後に導かれたものです。

研究者が最も一般的なタイプの腎臓ガンについて調べた際、彼らは赤身の肉とガンの間に乳ガンよりも強い関係がある一方で、腎臓の明細胞ガンには影響を与えていない事を発見しました。

ウェルダンで焼いたり、煮た肉、つまり調理の過程で発生した高度の発がん性物質にさらされている人は、肉をその様な手段で調理して食べていない人と比べてより高い腎臓ガンのリスクがありました。


食べる量を制限しよう
Daniel博士と彼女の同僚は、何故赤身の肉が一部のタイプの腎臓ガンと関係していて、それ以外のガンとは関係していないかもしれないのかを理解するために、更なる調査が必要だと述べています。

しかし現在のところ、肉に関して調理によって発生する化学物質は、「肉を直接火にかけたり、高温の金属に触れさせたりする事を避け、あるいは調理時間を短縮して電子レンジを使って肉を高温にさらす前に一旦部分的に調理をしておくと言った方法を用いることで減らすことが出来る」とDaniel博士は述べています。

「我々の発見は、アメリカ癌学会によって出された現在のガン予防のための食事に関する推奨(赤身の肉や加工された肉、焼いて準備された肉の消費量を制限する)し、を支持します」と彼女は結論づけています。



好きでも程々に
良く研究室で行われたレベルとして、肉食と病気の関係が発表されますが、こうして大規模な調査を行った結果として示されたデータにはより説得力があります。
この話に限ったことではありませんが、病気のリスクは確率論であり、ほとんどの場合健康を害する食品を食べたからと言ってそれが病気に直結するわけではありません。
しかし、「自分は大丈夫」という考え方はリスク上昇につながっている事も意識した方が良さそうです。


わたしが肉食をやめた理由 (いのちと環境ライブラリー)/ジョン ティルストン
¥1,200
Amazon.co.jp
今からでも遅くない病気にならない健康生活スタイル/徳田 安春
¥1,000
Amazon.co.jp
NHKためしてガッテン/脱・高血圧の「超」常識 (主婦と生活生活シリーズ ガッテン「超」健康ブ.../著者不明
¥1,200
Amazon.co.jp
それではまた。