家庭の化学物質がホルモン分泌を狂わせる?(その2)

一時期ホルムアルデヒドが世間を騒がせましたが、家庭内に漂っている化学物質にはやはり注意が必要なようです。

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更なるラベルへの記載が必要

従来製品の様々なカテゴリ1つ1つに対して、研究者は複数の銘柄を含めました。例えば、フロアクリーナーのサンプルには、Spic and Span、Swiffer WetJet Multi-Purpose Cleaner、Stop & Stop Pine Oil Cleaner Disinfectantを含め、洗濯用洗剤のカテゴリにはProcter & Gamble、Unilever、Foodhold USA、Church & Dwightを含めた、と研究者は述べています。

研究は、消費者に何が含まれているかを知らせるよう、より完全な記載が必要である事を強調していると、Dodson氏は言います。

「これらの結果は、日常的に使っている製品に懸念される化学物質が幅広く含まれており、我々がそれらにさらされている事を意味しています。そして、それらはラベルには記載されていません。」と彼女は言います。
「それは米国において我々の化学物質に対するポリシーを現代化させる基礎となり得ます。これらの化学物質は商品棚に置かれる前に十分に検査されていない様に見えます。」

「消費者製品に含まれる内分泌阻害因子とぜんそくに関連する化学物質」と名付けられたこの研究は、Environmental Health Perspectivesのオンライン版で公開されています。

しかしながら、2つの産業グループで、この研究結果を基にして問題を取り上げています。この研究は、化学物質の「ただの存在」が、消費者製品が安全上のリスクを抱えていることを意味すると暗示しています。

「彼らは不必要に消費者に警告質得る」とthe American Cleaning InstituteのスポークスマンであるBrian Sansoni氏は述べています。この団体は洗浄剤生産企業に関連した組織です。研究者は健康や安全性の問題を引き起こすとしている様々な家庭製品の一般的な使用に対する証拠を明らかにしていない、と彼は言います。

"We are disappointed at the research. It wrongly insinuates safety concerns over cleaning products and ignores enhanced efforts to communicate with consumers over ingredients," Sansoni added.
「我々はこの研究に失望しました。洗浄剤に対して安全性の懸念を遠回しに当てこすり、含有成分に対して消費者に伝えるため更に努力していることを無視しています。」とSansoni氏は付け加えています。

続きは次回に。


ブーケ1化学物質から逃れることは難しいのか?

私たちは様々な製品を使っています。もちろん、化学物質の影響を懸念する人は天然成分と書かれた製品を優先して使っていると思います。
しかし、今回の調査結果が示した事実はその対策がそれ程効果をもたらさないかも知れないことを示唆しています。
私たちが化学物質を気にせずに生きていくことは思った以上に困難なのかも知れません。


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