「お気に入りのノースリーブのトップスがあるんだけど、同じ形のものを作ってくれないかな?」
と友人から連絡を受けて、作ることになった。
一流メーカーR社の製品。

借りたウェアからパターンを取る。
誰かのお気に入りになるには、なにかヒントがあるはずだし、喜んで勉強させてもらう。

着丈、身幅、襟ぐりの幅、深さ、肩幅、肩傾斜、アームホールの深さを採寸し、パターンに起こしていく。

あれ?あれあれ?

このシャツ、前と後ろがおんなじ形だよ。
違いは前後の襟ぐりの深さだけ。

人間の体って、前と後ろで形ちがうんだよ。背中とお腹が同じ形じゃないもんね。
腕は前の方へ動くから後ろの身幅をひろくして運動量入れないと着心地悪いはず。
肩も肩甲骨があるから肩線の傾斜は後ろの方がゆるくて前がキツい。同じ傾斜にすると、着たとき肩線の縫い目は後ろへ移動してしまう。

ニット製品はそのへんいい加減につくられているものが多い。
理由は「伸びるから」
伸びる=運動量は素材の特性でカバー、ってわけ。

でもさ、一流メーカーの製品がこれでいいんかいっむかっ
まるでちょっと洋裁できる素人さんがひいたパターンなんだけど。。。

依頼した友人と待ち合わせして生地を買いに行った。
新宿オカダヤ。ここには吸湿即乾のスポーツウェア用の機能素材が売っている。
私が知る限り、ふつうに一般の人が買えるこのような機能素材を扱っているのは都内ではここだけ。
残念ながら安くはないし、色もそろってはいない。

この友人、おそろしく汗っかきである。
スタジオレッスンに出る時は、必ず自分の近くにスタジオ清掃用のモップを近くに置き、水飲み休憩の度に、ボディコンバットなら1曲ごとに自分のまわりの床をモップでキレイにする。
彼にはこのような素材でなければ、ウェアとして役に立たない。

その後飲屋でまったり話しながら、ちょっといいにくかったけど、このウェアのパターンを取った私の感想を素直に述べた。

彼の反応は
「そうか!だから畳みやすかったんだ!!!」
と嬉しそうだった。

畳みやすい!お気に入りのツボはそこかいっ!?

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