「最高の離婚」第7話~お別れは自分で決めたこと | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「最高の離婚」

第7話
お別れは自分で決めたこと


亜以子(八千草薫)に離婚の報告をする
光生(瑛太)と結夏(尾野真千子)。



亜以子) 私が離婚した時は、誰からも許してもら
     えなくてね。どうしてわかってくれないのか
     しらって。
ひどい親だと思ったわ。
     だけど、今はわかるの。大事な、子供や、
     孫の離婚を許せる人なんていないわ。
光生) 
あっ、あのさ、割と前向きな感じなんだよね。
    円満な感じ? いい感じになろうってことで、
    離婚、選んだんでね。全然。全然そういう・・・
亜以子) バカ! 光生も結夏さんも大バカ者よ。
     私は、離婚なんて絶対認めません。

**********

離婚を知った智世(市川実和子)と継男(松尾諭)。



継男) 原因は何? 浮気? 借金? 暴力?
結夏) あ、いや・・・
智世) よく言うのよ。
    判断力が足りないから結婚する。
    忍耐力が足りないから離婚する。
    要するにさ、光生の性格に
    我慢できなくなったからでしょう?
結夏) いや・・・そういう・・・
継男) ついでに言うと、
    再婚するのは記憶力が足りないから。


**********



結夏) 上手く出来ないかも・・・
    美容室のがよかったんじゃないですか?
亜以子) 昔はお友達のお店があったんだけどね。
結夏) 亜以子さん、美容室行きませんもんね。
亜以子) 他人に髪を触られるの、苦手なのよ。
     メンドクサイ性格なの、実は。
結夏) は・・・実は。あは。
亜以子) 光生は私に似たのかなあ? 
何も離婚
     するところまで似なくてもいいのにね。
亜以子) 結夏さん。
結夏) はい。
亜以子) 私に遠慮して言えなかったんでしょう?
     別れた人と、暮らすなんて、つらかったで
     しょうね。ごめんね。もっと早く、気づいて
     あげればよかった。はぁ・・・光生は・・・
結夏) 私が言いだしたんです。私がよくなかった
    から。私が、ちゃんとできなかったから。
亜以子) そんなこと。
結夏) あるんです。
    わかってます。わかってるんです。
    ごめんなさい。ごめんなさい。
亜以子) 缶詰。



結夏) えっ?
亜以子) 缶詰が発明されたのは、
     1810年なんですってよ。
結夏) へえー。
亜以子) で、缶切りが発明されたのが、1858年。
結夏) えっ?
亜以子) おかしいでしょ?
結夏) おかしいです。
亜以子) でも、そういうこともあるのよ。大事な
     ものが、後から遅れてくることもあるのよ。
     愛情だって。生活だって。
     もう一度だけ、考え、直せない?


**********

光生についてきてもらって、やっと家に入れてもら
えた諒(綾野剛)に対して灯里(真木よう子)は・・・



諒) 俺ヤだよ。灯里と別れるのヤだよ。
灯里) ごめんね。そういうの気持ち悪い。


**********



結夏) ああ。何か変だよね。

    元妻と元カノが2人して彼の話してるなんて。
    フフフ。
何でかな?
灯里) ん?
結夏) なんで。紺野さんみたいな人と付き合ってた
    人が、こんなんと結婚したかな。ふふ。
灯里) 何言ってるんですか。
結夏) だって、違うし。紺野さんみたいに、頭良くて
    ちゃんとしてる人の方が合ってるっていうか。
    あたしが間違えられたっていうか?
灯里) そんなことないと思います。
結夏) あるんですよ!

**********

結夏と淳之介(窪田正孝)、そして灯里と光生。



結夏) あたし桜大好きなんだぁ。
淳之介) 俺も好きです。
結夏) 結婚してここに来たとき、あっそっか、
    私、桜の見える家にお嫁にきたんだ
って
    思って、うれしかったぁ。



光生) 花見の時季はだいたい下向いて歩きます。
灯里) どうしてですか?
光生) なんか怖いじゃないですか、桜って。


結夏) 花見って最高。


光生) 花見なんて最低。こんなの全部倒れて、
    目黒川に流れていって、そのまま東京

    に沈んでしまえばいいと思います。
    まっ、そういう人、少数派ですけど。
灯里) 私も。
光生) はぁ・・・ですよね。
灯里) じゃなくて。桜、嫌いです。


結夏) 同じ花を見て、同じように奇麗だと思う人と
    一緒にいる
ことが、一番幸せなんだろうね。




光生) 同じもの苦手って、なんか嬉しいな。
    あんまり桜嫌いな人いないじゃないですか。
    言うと犯罪者呼ばわりですよ。
灯里) さすがに全部倒れてしまえばいいと思わ
    ないけど。
光生) それはまあ、ちょっと大袈裟に?


**********

淳之介) 俺、幸せにしますよ。
結夏) ごめん、無理。あんたじゃない。
    いい奴だと思うよ。思うけど、幸せになる
    ために好きになるわけ
じゃないから。
淳之介) くそばばぁ!!


結夏) くそガキ!



**********


光生) こういうことホントに言うことじゃないって
    いうか、心ん中で思っとけばいいことなん
    ですけど、なんか紺野さん・・・
灯里) はい。
光生) 頑張ってください。元気になってください。
    あ、すいません。余計なこといいました。
    失礼します。
灯里) 濱崎さん。
光生) 
すいません。
灯里) 
濱崎さん。
光生) 
ごめんなさい。
灯里) 
ありがとう。



灯里) 
ありがとう。嬉しいです。

**********



光生さんへ

光生さんだって。
今、自分でそう書いてて、びっくりしました。
あなたのことを名前で呼ぶのは、
ちょっと記憶にない
ぐらい、久しぶりな気がして
なんか緊張します。
取りあえず、ご報告です。
私、家を出ました。
部屋を見てびっくりしましたか?
口 開いてませんか? 今、説明しますので、
ひとまずそれを閉めて下さい。
あのね光生さん。
やっぱりこのまま、一緒に住んでいるのは変だ
と思いました。私たちは離婚して結構たつし、
何かと支障があると思うのです。
どんな支障かは上手く
説明できないのですが、
最近どうもまた、あなたのこと
を見てると、
変にざわざわとするのです。
私なりに、そのざわざわを打ち消すとか、
あるいは
元に戻す努力を検討してみたのですが、
どちらも上手
くいきませんでした。
私、あなたのことを変だとか言いましたが、
どうやら誰
より変なのは私なのかもしれません。
いろんなことの調整が、上手くできないのです。
好きな人とは生活上気が合わない。
気が合う人は好きになれない。
私、あなたの言うことやすることには
何一つ同意できないけど、でも好きなんですね。
愛情と生活は、いつもぶつかって、
何というかそれは、私が生きる上で抱える、
とても厄介な病なのです。
前に映画見に行きましたよね?
ほら。私が10分遅刻した時。
横断歩道を渡ったら、待ち合わせのところ
に、
あなたが立っていました。
寒そうにして、ポケットに
手を入れてました。
この人は、今あたしを待ってるんだ。
そう思うと、何故か嬉しくなって、
いつまでも見ていた
くなりました。
それは、映画を観るより、
ずっと素敵な
光景だったのです。
あなたをこっそり見るのが好きでした。
あなたは照れ屋で、なかなかこっち向かないから、
盗み見るチャンスはたびたびあったのです。目黒
川を2人で並んで歩くとき、こっそり見てました。
DVD見てるとき、本読んでるとき、いつもあなたを
盗み見て、気持ちは自然と弾みました。
桜が見える家にお嫁にきて、
桜が嫌いな人と一緒に暮らして。
だけどあなたが思うよりずっと、私はあなたに
甘え
ていたし、包容力っていうのとは少し違うけど、
あなたの膝でくつろぐ心地よさを、感じていました。
一日日なたにいるような、そんな。
まるで猫のように。
もしかしたら私は、この家に住む、3匹目の猫の
ような
ものだったのかもしれません。
おいしいご飯、ありがとう。
暖かいベッドをありがとう。
膝の上で頭をなでてくれてありがとう。
あなたを見上げたり、見下ろしたり、盗み見たり、
まじまじ見たり、そんなことが、何よりかけがえの
ない幸せでした。光生さん。ありがとう。
お別れするのは、自分で決めたことだけど、
少し寂しい気もします。でも、もし、
またあなたをこっそり見たくなったときは、
あなたにちょっと話しかけたくなったときは、
またどこかで。



**********



冷蔵庫にハンバーグある
チンして食べよ!!
          元妻より

**********

光生のもとへ突然やってきた諒。

光生) 今ちょっと、手、放せないんですけど。
諒) あっ。持ちましょうか?
光生) じゃなくて。何か用ですか?



諒) しばらく泊めていただけないでしょうか?
光生) 今、ちょっと手、放せないんですけど。






判断力が足りないから結婚する。
忍耐力が足りないから離婚する。
再婚するのは記憶力が足りないから。

もちろん、判断力があるから結婚し、忍耐力があ
っても離婚するし、記憶力があっても再婚はする
けれど、ある部分で、言い得て妙な、お言葉です。

そして亜以子さんは、「缶詰と缶切り」のお話から、
大事なものが後から遅れてくることもあるのよ、と。
今まさに光生が、愛情や生活の大切さを、遅れて
やってきた「気づき」によって変わりつつある状態。
その「缶詰」の話を光生に伝えたいのに、上手に
伝えられない結夏がもどかしくて、せつなくて・・・。

淳之介くんも、本当にいい男でした。なんて愛情
あふれる「くそばばぁ」。ホント、いい子だ。いい男。
けれども、結夏は「幸せになるために好きになる
わけじゃないから」と「好きな気持ち」に忠実な女。

結夏のいう「厄介な病」は、実は、結婚に至る前に
多くの愛情あふれる女性にありがちな病だと思う。
自分が好きになる男が、自分に合う、生活する上
で合う男ではない。自分に合う男を好きになれず、
「合う」ことよりも、自分「が」好きなタイプを重視し
てしまう病。常に、努力、我慢しなければならない
関係が待っているので、辛い状況に陥りやすい、
愛に生きる女が抱える不治の病・・・だったりする。

最後には破り捨ててしまった結夏の手紙に泣き
ました。恋する女性の気持ちが、てんこ盛り。変
な人・光生が大好きだった結夏。猫のように光生
に愛されていたかった結夏。たぶん、今の光生
にならできるはずの、ちょっとした、ほんの少し
の、盆栽や猫に見せる愛情の半分でも、示して
もらえていたら、結夏はニコニコしていられたは
ずで。「ありがとう」って、「美味しいよ」って。ただ
それだけで、光生大好きでいられたはずだった。
光生が灯里を心配する心の半分でも、結夏に
寄せてくれたなら。近すぎて見えない、近すぎ
て甘えてしまう、お互いに思いやりを示すことを、
省略してしまいがちになるのが、夫婦なのかも。

光生も結夏も、どちらも、言葉が足りなくて。思い
があっても、言葉が足りなくて、上手く伝えること
ができない二人。まるで違っているようで、本当
は、やっぱりどこか、似ているのかもしれません。
だって、どちらも、表に出た言葉の裏にある想い
は、その10倍ぐらい深かったりするのに、実際に
は、誤解されるような言葉しか言えないんだもの。

似ている部分と、違う部分。それが、ほどよくあっ
てこそ、好きでいられるのかな。共感できる部分
と、理解できない謎の部分と、両方あって、少し
ずつ理解しあって、少しずつ互いが近付いていく
ことが楽しいのかも。「面白いなあ」と、ニヤニヤ
こっそり眺めているときに、そこに愛があるような。
「好きな動物ベスト10」の存在を灯里に指摘され
て、動揺のあまり、体がギクシャクしてしまう光生
の姿。あんなの見たら、可愛いと思っちゃうもの。

気持ち悪いと冷たく突き放された諒くんは光生の
もとへ。二人の暮らしはかなり面白そうな予感が。
泣いたり笑ったり、怒ったり、しんみりしたり、グ
ラグラ4人が揺れ動きながら、少しずつ変わって
いく4人の男女関係。目が離せないドラマです。


●「最高の離婚」HP

「最高の離婚」関連ブログ↓
第1話「つらい。結婚って、長い長い拷問ですよ」
第2話「あなたなんて死ねばいいのに」
第3話「もう一つの夫婦の秘密と真実」
第4話「あなたが好きなのは自分だけ」
第5話「出来るもんなら浮気したい!」
第6話「男が子供だから女は鬼嫁か泣く嫁になるしかない!」
第7話「お別れは自分で決めたこと」
第8話「いいじゃない、一回寝てみよ」
第9話「今度は最高の結婚をしてね!」
第10話「あなたがその子の父親になればいいんじゃない?」
第11話「結婚って、拷問だと思ってましたが、違いました」

最高の離婚 Special 2014 【前半】
最高の離婚 Special 2014 【後半】


ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村