「続・最後から二番目の恋」第5話~全く大人って生き物は・・・ | 日々のダダ漏れ

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「続・最後から二番目の恋」

続・最後から二番目の恋

第5話
全く大人って生き物は・・・


祥子) そんなダメだったんだ。
千明) ダメだったんですよね。
啓子) きついね、それは。
千明) いや。だから、きついんだよ、ホントに。
啓子) でもさ、しょうがないよね。
    悲しいけどこればっかりは。
千明) うん。
祥子) うん。私もさ、若いバンドの子たちに
    そういう事言わなきゃならないことある。
啓子) 私もある。自分で出来るわけでもないのにさ、
    力ないんじゃないかって言うのって、もうホント
    落ち込むよね。
祥子) うん。
啓子) 何かさ、何様なんだよ?私、みたいな。
祥子) でもさ、ここまでやってくるとさ、才能とか能力
    とか、見る目確かになってきちゃうじゃん。
啓子) うん。
祥子) だから頑張ってとか、やればできるとか言え
    なくなってくるじゃん。
啓子) そうなんだよね。諦めちゃダメだよとかって言
    うのってさ、ある意味余計なんか残酷だよね。
祥子) それがやる気になってる元彼っていうのがさ。
啓子) しかもさ、
    千明がやる気にさせちゃったんだよね。
千明) そうなんだよねえ。だから、罪重くない? 私。

**********

和平) たまにはさ、一人で飲みたくなるわけよ。
    世の中わかんないことばっかり。
    特にさ、男と女のことはね、わかんない。
広行) ホントにねぇ。うん。フッ…。
和平) マスター。
従業員) はい。
和平) ごちそうさま。
広行) ねえ。ちょっ…ちょっと。な…何があったの?
    えっ? 男と女の事でわかんない…。
和平) 聞かない。
広行) ねえ。ちょっと行ってみぃ。
和平) 私は死んでもあなたには言わない。
広行) 言ってみて。じゃあさ、おれが話しちゃうよ。
    いいのね? それで。
和平) 死んでもあなたの言うことは聞かない。

**********

和平) ねえ。あんたさ、私はその詩織ちゃんっていう
    人がね、どんな女か知りませんよ。
広行) ああ、そう、教えてなかった。
和平) 違う。いらないっつうの、そんなもの。
広行) だって画像。
和平) そんなことしなくていいっての。あんたのこと
    をね、何とも思ってないんでしょ? 好きだとか
    嫌いだとか。恋人だとかも何とも思ってないん
    でしょ?
広行) ないだろうね。
和平) だったらさ。
広行) ちょっ…。ねえねえ。恋ってのはさ、相手が自
    分をどう思ってるか確かめてからするもんじゃ
    ないだろ? えっ? 違うか? それが人間ぞ。
    人間ってもんぞ。
和平) 何が人間ってもんぞだ。あのね、カッコよく言
    やそうだけど。ねっ? あんたは既婚者。
    わかってる? 既婚者。結婚してんの。
広行) うんうん。
和平) じゃあさ、典子と、典子と離婚してだよ。その
    詩織ちゃんとどうにもならなかったらあんたど
    うすんの? どうするつもりなの?
広行) えっ? もう、この世界から放り出されて、
    荒野に一人たたずむ、みたいな?
和平) 何言っちゃってんだ?
    バカじゃないの? ホントに。
広行) 怖いだろうなあ。考えてもみよ。えっ、だってさ、
    この年でだよ、どこにも居場所がないんだよ。
    でもさ、どっか、ワクワクするんだよなあ。
    君の心の中にも、荒野への憧れがあるはずだ。
    鷲掴み。
和平) そんな勝手な憧れはないですよ、私に。
広行) じゃあじゃあちょっと、ねえねえ。
    君は俺の立場だったらどうなんだよ?
和平) あんたみたいな
    みっともない立場に立つ事はない。
広行) みっともない? おう。上等だ。
    表へ出ろ。表だここは。
和平) 何が上等だ。ねえ、ちょっと。よく聞いて、あん
    た。典子はね、あんたが選んだんでしょ?
    ねえ。あんたが選んだんでしょ?
広行) うん。
和平) そりゃあ、あいつはね、あんな風だしね、迷惑
    かけてるかもしんないけどさ。あいつ一生懸命
    やってますよ。あいつなりに。選んだ人が一人
    いりゃ、それでいいじゃないですか。
    幸せじゃないですか。
広行) いや。
和平) 私はね、女房が、生きてくれてりゃって、最近
    しみじみ思いますよ。だって、私が唯一選んだ
    相手が。相手…。

(広行のいびき)
和平) 寝てんのかよ。ねえ、ちょっと。
広行) えっ。詩織ちゃん。

**********

千明) 涼太。本読んだよ。
涼太) うん。
千明) うん。正直に言う…。
涼太) つまんないよね。独り善がりで、どうにもなら
    ない。ドラマになってない。チラシの裏にでも、
    書いてろみたいな。違う?
千明) いや。まあ、そうだね。
涼太) 恋愛ドラマとか言ってるのに、
    ドキドキもなければキュンともこない。
千明) うん…。
涼太) セリフに魅力もないし、意味ありげな、
    恰好つけた会話が続いてるだけで。
    陳腐だし、イライラするよね?
千明) うん。そうだね。
涼太) それに、登場人物全員トラウマだらけで、
    トラウマ頼りかよ、みたいな。
千明) うん。そうだね。
涼太) もうこれは、
    脚本家とか、諦めた方がいいレベル。
千明) いや・・・。
涼太) 俺は、そう思った。
千明) うん。
涼太) 自分で読み直してみて、
    こいつ、やめた方がいいなって。
    よかった。意見が同じで。
千明) ああ。何だよ。男らしいな、涼太。
    私に言わせない為に、自分で言ったんでしょ?
    そんな気使わなくてもいいのに。
    私の仕事だよ、それが。
涼太) 諦めついた。
千明) いやいやいやいや。
    もうちょっと頑張ってみたら?
涼太) 千明も、わかってるでしょ? 俺だって頑張っ
    てみたけど、ここまでなんだよ。今やめなきゃ、
    いつまでも、次に進めない気がする。
千明) うん。
涼太) やっぱり、実際に書いてみないとわかんない
    もんだね。頭ん中では傑作だったから。
千明) うん。
涼太) だから、ありがとう。
千明) いや…。
涼太) ごめん。やっぱり、一度だけはっきり言って
    くれないかな。諦めろって。
千明) 諦めろ。涼太。
涼太) ……はい。


**********

和平) じじいくさい町から、癒された町にちょっと格
    上げしてよかったです。長年住んでると、わか
    んなくなっちゃうんですよね。あっ。でもこない
    だね、小学生が前歩いてて、この海見ながら、
    「ああ、癒されるなぁ」って言ってたんですよ。
    フッ。小学生が癒されるって。この国はみんな、
    どんだけ疲れてんだって思っちゃいました。
涼太) ですね。
和平) ごめんなさい。
    あのう、つまんない話で足止めちゃって。
涼太) いえ。
和平) すいません。
涼太) いつか、ちゃんと疲れたら、また来ます。
和平) 高山さん。鎌倉は、いつまでも、
    このままで待ってますから。

**********

(鏡台に貼られたポストイット)
「お世話になりました!」

千明) 「お世話になりました!」って。
    ここはもうちょっと秀逸な一言をさ。
    まっ、いっか。


**********

ハルカ) 千明さん、何も変わらないですね。
千明) 私? あら、どうもありがとうございます。
ハルカ) いやいや。この2年間、女として何やってた
     んですかって意味ですよ。
千明) ハハッ。そっち?
ハルカ) やっぱり、結婚出産離婚と経験した人の
     気持ちはわからないかあ。
     女として大丈夫ですか?


**********

薫子) 長倉さん。お友達になってくれて、
    私今すっごく楽しいです。
和平) ああ、そうですか。よかったです。
薫子) はい。セフレを前提としたお友達。
和平) 原田さん、あのう。
薫子) はい。
和平) ちょっと、お聞きしたい事があるんですけど。
薫子) はい、どうぞ。
和平) セフレ。セフレっておっしゃいますけど。
薫子) はい。
和平) セフレの意味。
薫子) セフレの意味ですか?
和平) ちょっとお願いします。シッ。その意味って、
    どういうものかご存知でいらっしゃいますか?
薫子) もちろん。もういけそうですか?
和平) いえいえ。そういうことじゃ…。
薫子) まだ?
和平) まだ。いや、まだとかそういう…。
薫子) 合図下さいね。OKの。いつでもいいんで。
和平) 話聞いて。お願い。話聞いて。

**********

啓子) 今さ、私たちみたいな女の呼び方知ってる?
千明) 知らん。
啓子) 何とかコワっていうの。
千明) 何? そのコワって。怖いってこと?
啓子) そう。怖いの種類がいっぱいあるんだけど。
    どちらかというと、千明はね、キレコワ。
千明) 綺麗で怖いね。まあ、まあ悪くないじゃん。
啓子) 違う違う違う違う。
    綺麗系の服着た怖い年上女。
千明) うわ。あっ、そう。悪かったね。
    じゃあ、あんたはよ? あんたは何なのよ?
啓子) えっ? 私はそうね、カワコワ。
祥子) ああ。カワイイ服着た怖い年上女。
啓子) まあ、そんな感じかな。
祥子) ねえねえねえ。何? じゃあ、私は何コワ?
啓子) えっ? 祥子、何だろう?
千明) コワコワ?
祥子) えっ!? 何よ、それ?
    ただ怖いだけじゃない。
千明) そう。怖くて怖い。
祥子) もうやめて。でも否定できないけど。

**********

千明) セフレ!? ちょっと待って。待って待って…。
    セックスフレンドってことですか?
和平) ちょっ、ちょっ、ちょっ…。声デカイ。声デカイ。
    お願い。ここ響くんですから。
千明) 長倉和平がセフレとか。
    いらないわ、そんなもの。
和平) そう言うと思いましたよ。んっ。
千明) で? 応えてあげた方がいいのかな~
    とかって、悩んじゃってんですか?
和平) そんなこと出来るわけないじゃないですか。
千明) 出来てたら、
    こんな風にはなってませんよね?
和平) はい、そうです。
千明) そうですよね。
和平) ただね。
千明) はい。
和平) 彼女の話を聞いてて、この人は、すごく寂し
    いんだろうなあって思ったんですよね。
    何とか、自分の人生をこう、面白くしたいって。
    必死に、もがいてるんじゃないかって、
    そんな気がしたんです。
千明) う~ん。
和平) その、もがき方に私は今
    ちょっとついてけないでいるんですけどね。
千明) でも、わかるような気がしますけどね。
    女として、彼女の気持ち。
和平) そうですか?
千明) はい。だって、そういうの、いたらいいなあって
    思うことありますもん。私だって。
和平) ホントですか?
千明) ホントですよ。
    やってみたらいいんじゃないですか? フフフ。
和平) 何でそう、半笑いで言うんですか?
千明) ダメだ。いやいやいやいや。
    想像してしまったら、笑いが止まらない。
和平) わかんないでしょ、そんなの。そんな失礼で
    すよ。わかんないじゃないっすか。
千明) でも、いいじゃないですか。何か。
    ちょっとモテてる感じ、あるじゃないっすか。
和平) こんなのモテたうちに入んないよ。
千明) フフフ。問題はね、私なんですよ。
和平) うん? 何かあったんですか?
千明) いや。最近、女としてどうなのかなってね。
和平) どういうことですか?
千明) 今日もね。
和平) ええ。
千明) 若い、脚本家の女に言われたんですよ。
    「千明さん。そんなんでいいんですかぁ?
    女として、何にもないじゃないですかあ」。
和平) ハハッ。
千明) 確かにね、何にもないんですよ。
    あの、涼太ね。
和平) ああ。
千明) 無事に出て行きましたけど。
和平) ハハハハ。
千明) 最後の夜に、ちょっと、そんな感じに、ね…。
和平) そんな感じって?
千明) いや。だから、このままいくと、
    そういう流れになんのかなあみたいな。
和平) ああ…。はいはい。
千明) ねっ。ねっ。
和平) はい。
千明) で、彼、私の腕の中で、まあ、気持ちよさそう
    にすやすやと寝息を立てて、寝てしまいました。
    その図はね、まるで、母と息子ですよ。
    もうやだ、そんなの。ホントやだ。
和平) でも、それ、あれですよね。
    涼太君もあなたに、癒されたんですね。
千明) 癒やされちゃったんですか?
    うわ~。癒したくなかったなあ。つうか、じゃあ、
    私意外と癒やし系ってことじゃないですか。
和平) いや。それはどうでしょうかね。


**********

選んだ人が一人いりゃ、
それでいいじゃないですか。
幸せじゃないですか。

広行さんは、前回同様、「ミッドライフ・クライシス(中
年の危機)」状態から抜け出てはいないようで。悪い
事がしたいんだ~!の前回から、今回は荒野への
憧れ? この世に居場所のない、荒野に一人たたず
む自分、みたいな、男のロマンにかられている様子。
前回も言っていたけれど、絶対後悔するとわかって
いるけど、その後悔がしてみたい、間違ったお年頃。

和平さんが言ったように、選んだ人が一人でもいれ
ば、自分を選んでくれた人が一人でもいれば、幸せ
なはずなのだけれど…。一人いたら、もっといるん
じゃないかと、ついつい欲張ってしまうのが…人間っ
ていう愚かな生き物のサガなのかもしれない。ふぅ。

元彼をやる気にさせて、才能がないと告げなければ
いけない立場の千明のやるせなさ。幸い、自ら脚本
を読み返し、ダメな所を自覚してくれていた涼太のお
かげで、千明からダメだししなくて済んだものの、や
っぱりはっきり言ってもらいたい涼太。自分でわかっ
ていても、きっぱり言ってもらわないと先に進めない。
「諦めろ。涼太」と言った千明も、言われた涼太も切
ない。そして、涼太を母の様に抱く千明と、すやすや
眠る涼太の姿が、これまた恋じゃないのが丸わかり
で切なすぎた。自分は当然現役でいるつもりが、実
際現役なのに、相手にとってはもう、そうではなくな
っているという現実。癒やされたっていえば聞こえは
いいけれど…癒したくなかった、という千明の本音に、
大きく共感してしまった。癒やしたくなんかない。まだ
まだ、ヒリヒリしていたい。男と女で…いたかったよね。

そして、涼太との一瞬の別れに、綺麗な涙を流す万
理子。
これまでの万理子を思うと、上手く言葉にでき
ない、
思いを形にできない万理子の不器用さに涙…。

前回は、「ロールキャベツ男子」やら「枯れ専」やらと、
流行りっぽいキーワードが出てきたけれど、今回は、
キレコワ…カワコワ…コワコワ? 何ていうか、年取っ
たら、何でも怖いみたいな?(苦笑) まあ、自分も若
い頃はそうだったから、若い人の気持ちもわかるし、
いつの時代も年上の女の人が怖いって思う気持ちは
なくならないとも思うけど。今や、怖がられる年になっ
てしまうと、年をとるだけで怖がられるって、何とも切
ないなあと。綺麗でも、可愛くても、怖いんだもんね。
自分も通ってきた道だけに…ああ、大人って切ない!


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●「最後から二番目の恋」HP


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