「花子とアン」第148回~おとう倒れる・・・3人娘、そして兄やん帰るの巻 | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第148回
第25週 「どんな朝でも美しい
おとう倒れる・・・3人娘、そして兄やん帰るの巻


小泉) こちらは?
花子) 「ANNE of GREEN GABLES」。
    直訳すると、「緑の切り妻屋根のアン」です。
梶原) 誰の作品?
花子) カナダの、ルーシー・モード・モンゴメリです。
小泉) ルーシー・モード・モンゴリ?
花子) モンゴメリ。
梶原) 私は、その作家の作品は読んだ事はないが、
    村岡先生が薦めるんだ。きっと面白いに違い
    ないよ。
花子) 主人公の少女が、欠点だらけなんですけど、
    とても魅力的で、ものすごく面白いんですよ。
小泉) 社長と相談してみます。
花子) はい。よろしくお願いします。


花子が空襲の中、
命懸けで守り、翻訳した物語が、
いよいよ出版されるのでしょうか。


**********

小泉) ごめんくださ~い! 村岡花子先生!
    小鳩書房の、小泉です。
花子) どうぞ。
小泉) 先日、お預かりした原稿なんですが…。
花子) あっ、いかがでしたか?
小泉) 「アンクル・トムズ・ケビン」は、
    ぜひ、出版させて頂きたいと思います。
花子) 「ANNE of GREEN GABLES」は?
小泉) 僕は、すごく面白いと思いました。主人公の
    女の子が、本当に魅力的で。でも…。今回は、
    見送らせて下さい。ルーシー・モード・モンゴメ
    リという作家は、日本では知名度もありません
    し、出しても厳しいだろうと、社長の判断で…。
花子) そうですか…。
小泉) 弊社もまだ、冒険できる状況ではなくて…。
    本当に申し訳ありません。
花子) いえ。仕方のないことですから。
小泉) では、組み版が出来ましたら、
    またお持ちします。
花子) はい。よろしくお願い致します。

**********

花子) (ため息)
英治) ダメだったのか。
花子) ええ…。スコット先生との約束を果たせると
    思ったんだけど…。
英治) がっかりする事はないよ。
    もう戦争は終わったんだ。これからいくらでも、  
    出版する機会は来るさ。
花子) 英治さん…。
英治) あれだけの空襲をくぐり抜けてきたんだ。花
    子さんの思いを乗せて、このアンの物語が必
    ず、日本中の少女たちの手に届く日が来るさ。
花子) そうね。私、諦めないわ。
英治) うん。

(電話のベル)
英治) 僕が。
花子) あっ、お願いします。
「ANNE of GREEN GABLES」の原稿を見つめる花子)
英治) 花子さん。JOAKの、黒沢さんから。
花子) 黒沢さんから?


**********

電・花子) ええ…。せっかくのお話なんですけれど、
      少し、考えさせて下さい。はい。
      申し訳ありません。はい…。ごきげんよう。

英治) どうしたの?
花子) ああ…またラジオに出てくれないかって。
英治) そう…。もう戦争のニュースは
    読まなくていいんだ。出てみれば?


(回想)
蓮子) あなたが、純平を戦地へ送ったのよ。
    あなた…ラジオで日本中の子供たちに
    語りかけてたじゃ
ない。
    「お国のために命を捧げなさい」と。
    純平を返してちょうだい!

花子) やっぱりできないわ。
英治) 花子さん…。


**********

花子) こんなに? 助かるわ。
かよ) 私、闇市でお店をやろうと思うの。自分の店が
    焼けてしまった時、何もする気が起きなかった
    けど。戦争で何もかも失くしたのは自分だけじ
    ゃないって思ったら、力が湧いてきた。
もも) かよ姉やんはすごいね。
花子) うん。かよは私たちの兄妹の中で  
    一番たくましいわね。

(戸が開く音)
醍醐) ごきげんよう。はなさん。皆さん。
花子) 醍醐さん…。心配してたのよ!

(醍醐と抱き合う花子)

**********

醍醐) はなさん。
    吉太郎さんは、こちらにいらしてない?
花子) 兄がどうかしたの?
醍醐) 私…吉太郎さんと偶然闇市でお会いしたの。
    その時に、ふと思ったの。
    ひょっとしたら、吉太郎さんは、
    命を絶つおつもりなんじゃないかって…。
もも) 兄やんが…。
醍醐) 吉太郎さん、まるで、どこかへ行ってしまわれ
    るようなことを仰っていて…。お別れしたあと、
    気になって捜し回ったの。心当たりのところは
    全部捜したわ。でも、見つけられなくて…。私
    の、ただの思い過ごしならいいんだけれど…。
もも) おとうもおかあも、兄やんのこと、随分心配し
   てた。おとう、言ってたの。世の中がこうなった
   以上、憲兵はひどいことになるって…。
かよ) 戦争に負けたことは、兄やんにとって耐えら
    れないことだったと思うよ。今まで信じてきた
    ものが、すっかり崩れてしまったんだから。
    兄やんすごく生真面目だから、変なこと考え
    ないといいけど…。

**********

その後も、
吉太郎の行方は一向にわかりませんでした。


(電話のベル)
電・朝市) あっ、はなけ? 朝市だ!
電・花子) 朝市…どうしたの?
電・朝市) てえへんじゃん。
      吉平おじさんが倒れただ。
電・花子) てっ…。
電・朝市) 心臓が弱ってて、
      かなり危ねえ状態だってお医者さんが。

**********

直子) おじぃやん、大丈夫かな。
美里) お母様。
    おじい様に早く元気になってって伝えて。
花子) ええ。
英治) お義兄さんにも知らせないと。
    とにかく捜してみるよ。
花子) お願いします。それじゃあ、行ってきます。
もも) 直子。いい子にしてるんだよ。
直子) うん。
かよ) 行ってきます。


**********

花子) ただいま! おとう! 大丈夫?
吉平) はな~! もも~! かよ~!
    よくけえってきたじゃ~ん。
花子) おとう、起きてて平気なの?
吉平) おお。平気も平気。
    このとおりピンピンしてらあ。ハハッ。
    ちょっこし、クラッとなっただけじゃんけ。
もも) な~んだ…よかった。
かよ) 心配して、飛んできたのに。
リン) ふんとに、人騒がせじゃんね~。
吉平) ああ、すまんすまん。
リン) ふんだけんど、東京からすっ飛んでけえって
   きてくれるなんて、いい娘たちじゃんねえ~。
吉平) ハハハハ。ほりゃあ、俺の娘たちだからな。
    ハハハハ。
朝市) ほれじゃ、おらたちはこれで。
    おかあ、けえろう。
ふじ) お騒がせして悪かったじゃんねえ。
リン) ううん。
   婿殿の人騒がせはいつものこんじゃん!
   まあ、自分が年寄りだっちゅう事を忘れんで、
   無理ょうしんこんずら。ハハハ。
朝市) おじさん、くれぐれも、お大事に。
吉平) おお。悪かったじゃんなあ、朝市。
朝市) いえ。
    (小声で) はな、ちっと。

**********

朝市) おじさん、元気そうにしてるけんど…。
花子) うん…。
朝市) お医者さんもくれぐれも無理させんようにって
    言ってたから。何かあったら、いつでも呼んで
    くりょう。
花子) ありがとう、朝市。
朝市) ほれじゃあ。
    おかあ、けえろう。
リン) ああ…ふんじゃあ。

**********

花子) こんな贅沢な食事、ふんとに久しぶりさあ。
ふじ) 吉太郎は、どうしてるずらか…。
吉平) おまんらとこにゃあ、連絡、あったけ?
    はな。どうかしただけ?
花子) 兄やん、きっと元気にやってるさ。
かよ) さあ、冷めちもうから、食べよう。
もも) おとう。
   てっ! ラジオがある。



吉平) ハハハハ。ほりゃあ、ラジオくれえあるさ。
    おかあがでえすきな、歌謡曲を聴かして
    やらっかと思って。ハハハハ。
ふじ) ふんとは、おとうが欲しくて買ってきただよ。
    はながまた、ラジオに出るじゃねえかって。
吉平) はな。ラジオに、いつ、出るだ?
かよ) お姉やん、
    またラジオ局から頼まれてるだよ。
吉平) てっ!
ふじ) ほりゃあ、楽しみじゃんねえ。へえ~。
(吉平とふじの笑い声)
吉平) いつ、出るだ? 何の話ょう、するだ?

(戸をたたく音)
吉平) ん?
ふじ) は~い。どちらさんですか?
花子) てっ…。あ…兄やん。







兄やん…。
みんな心配してたんですよ。

ごきげんよう。さようなら。


**********

知名度のない作家の本を、戦後まもない状況で出版
する勇気というか、お金はまだなかったようです。ま
あ、当然ですね。ここは、花子も「諦めない」姿勢を見
せるためにも、妥当な展開ですw とりあえずアンクル
トムの翻訳は使ってもらえるという事でヨシとしないと。

吉太郎を心配して自ら村岡家に訪ねてきた醍醐さん。
愛の力は引きこもりをも超えるのね! てか、今回は
ちゃんと家に上げてもらえたようで、よかったよかった。
熱い抱擁も、前回こそしてやれよって話はなかった事
にして…。みんなで、吉太郎の心配をしてみる~の図。

そして、朝市からは吉平が倒れたとの電話が。すぐさ
ま甲府へと向かう3人娘。なんだかんだ言って、お金
は持っているおうちのようです、村岡家。さっすが~!
子供たちがみんな東京に行っていても、持つべき者
は善き隣人。頼りになる朝市、リンさんが、吉平・ふじ
夫妻のそばにいてくれるのが、ホント心強い。あの2
人に足を向けて寝ちゃいけないよ、花子シスターズ! 

もももあっと驚く安東家に存在したラジオにより、花子
のラジオ出演の後押しは完了。残った心配事は吉太
郎ということで、さっそく兄やん登場。兄やん、そして、
おとう、おかあの老けメイク対決なのか?と思うほど、
見事な老けぶりに思わず写真を並べてしまいました。
(HPによると、おとうは、2時間かけた特殊メイク!)
おとうとおかあの中の人は絶対楽しんで「老け」を競
っていると思う~! 久々に、甲府の家に家族が全員
集合。兄やん、帰るところがあってよかったじゃんね。


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