ドラマ10 「聖女」 第7話(最終話)~この愛の果て | 日々のダダ漏れ

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ドラマ10 聖女」

聖女

第7話(最終話) この愛の果て

晴樹(永山絢斗)から二度と会わないと拒絶された
基子(広末涼子)は、晴樹をゆずって欲しいと泉美
(蓮佛美
沙子)に迫る。夫を亡くした文江(中田喜子)
は裁判で
基子の罪状を証言すると息巻くが、それ
だけでは基子を
死刑にできないと聞いて落胆する。
基子は晴樹の兄・克
樹(青柳翔)にそそのかされ、
晴樹との過去の関係を週
刊誌に暴露してしまう。結
婚式を延期せざるを得なくな
った晴樹と泉美はせめ
て婚姻届を出そうと区役所に行く
が、そこに基子が
現れた。

**********

女として生きていくのは、つらいことだ。
男はいつも、女を利己的に利用し、蹂躙し、
女の自尊心を、踏みにじろうとする。


(回想)
雅恵) 男に利用されたらいけん。
    美しく、賢く、強く、誰もが拝みたくなるよう、
    聖女のような女になると。

大学進学をあきらめた時、私も遅かれ早かれ、
母のようになるのかもしれないと、思った。
それでも、私は、負けたくなかった。
私は全てを変えようと、
朝も夜もバイトをしながら、専門学校や、
いろんな名門女子大に忍び込んで、勉強した。

この時、私はもうこれ以上、
この店で働けない事にガッカリしながらも、
ある事を思いついていた。

男に利用されるのは嫌だ。でも、そこにもし、
愛があるという事にすればどうなるのだろう?
愛されて、恋人になって、
金をもらうのであれば…。

そして私は作り上げたのだ。今の私を。
売春婦の娘と言われ、
いつも同じ服を着て、貧しい部屋で、
お好み焼き屋の残りを食べさせられていた私が、
高価な服をまとい、お金持ちの恋人に愛され、
ヨーロッパ美術に詳しい、高貴な、
緒沢まりあに、生まれ変わったのだ。
でも…。

基子) 嘘よ…。これで終わりなんて。
    私は信じない。絶対に信じない。


**********

基子) 私ね、晴樹君の事が好きなの。本気よ。
    本気で愛してるの。私には、彼しかいないの。
    だから…ねっ?
    お願い。晴樹君を、私にくれないかな?
泉美) えっ…何言ってるの? 晴ちゃんは私の…。
基子) 大丈夫。
    あなたなら、きっといるはずよ。晴樹君じゃなく
    たって、あなたの事愛してくれる人が。だって、
    あなたこんなに健全で可愛らしいんですもの。
    ほら、それによく言うじゃない。男性って、初恋
    の女を忘れないって。きっと晴樹君だってそう
    よ。だって私たち、本当に愛し合ってたの。あ
    なたが思っている以上に、心と体の、深い…。

(基子の頬を叩く泉美)
泉美) ふざけないで! 犯罪者のくせに。
    晴ちゃんが、犯罪者のあんたなんか
    もう愛してる訳ないじゃない!

(泉の頬を叩く基子)
泉美) 痛っ…! 何すんのよ!
基子) 痛いのよ。そう、痛いの。傷つくと、誰だって
    痛いのよ。そもそもあなた、看護師のくせに、
    痛みを知らなさすぎるのよ。どうせ人に汚され
    た事もないんでしょう? 蔑まれた事も、恨まれ
    た事もなく生きてきたんでしょう? それだけで、
    もう十分幸せなんだから、
晴樹君ぐらい私にく
    れたっていいじゃない。ねっ? ねっ?


**********

晴樹) 僕が悪かった。何度でも謝る。謝ります!
    だから、もう二度とこんな事しないで下さい。
    二度と泉美に近づかないでくれ!
基子) いつになったら、家に来てくれるの?
    ずっと待ってるのに。


**********

基子) こんにちは。ひどいなぁ。
    結婚するんだったら教えてよ。
晴樹) 来るな。
基子) そんな悪魔を見るような目で見ないで。
晴樹) 来るな。
基子) 私、あなたの敵じゃないのよ。
    あなたが好きなの。心から愛してるの。
晴樹) こっちに来るな! 来ないでくれ!
    これ以上俺たちに近づかないでくれ!
基子) ひどい…。ひどい、そんな言い方。
    ねえ、何で? 何で分かってくれないの?
    ねえ…。ねえ!

(晴樹の首を締めようとする基子)
泉美) やめて!
文江) あんたなんか…。裁判じゃ、あんたを死刑に
    できないって聞いたの。刑務所に数年入るだ
    けだって。何で? 何でよ! あの人は死んだ
    のよ。夫は、苦しみながら死んだのよ…。
    許せない…。私は許さない!


**********

基子) 前原さん。私…。やっぱり、
    正しく裁かれるべきだったんでしょうね。
前原) 大変なケガをされたばかりですよ。
    今はまだ何も考えない方がいい。
基子) でも…。
前原) 今日は、裁判の話は、なしにしましょう。
    今日は私はあなたの弁護士ではなく、友人
    としてここに来た。そういう事にして下さい。
基子) ありがとう。ごめんなさい…うまく笑えないわ。

    阿川と付き合ってる時に、覚えたんです。
    作り笑いを。笑い過ぎず、それでいて、澄まし
    た感じもさせない、男が喜ぶ、男の従属物の
    ような、微笑みを。男って不思議よね。女に、
    もっと輝け、とか言いながら、それでいて、少
    しでも目立ちすぎると、慌てて突き落とす。
前原) それは、女性を恐れているんでしょう。
基子) いいえ。都合がいいのよ。女神のように崇め
    たり、売女のように扱って、虚栄心を満足させ
    たり。だから、喜ばせるにはちょうどいいの。
    作り笑いが。でも、彼の前だけは…なぜかそ
    の作り笑いが出来なかった。つい、大笑いして
    しまったり、自然と優しい気持ちになったり。自
    分がコントロール出来なかった。そういう気持
    ちを抑えて、阿川の元に戻りました。でも結局、
    阿川は、会社の資金繰りが悪くなって、自分か
    ら破滅した。そのあと付き合った人だってみん
    なそう。自分から破滅していった。坂東さんだ
    って、勝手に嫉妬に狂って、勝手に崖から落ち
    ていったし。千倉さんだってそう。私は一度も、
    離婚してなんて、頼んだことない。あのままの
    生活でよかった。そしたら、私だって…。
前原) はい。
基子) 千倉さんが入院したと聞いて、しばらくは一人
    で生きていこうと決めました。不安はありました。
    でも、それ以上に、一人になって思うのは、晴
    樹君の事ばかりだった。私の、本当に求めて
    いたものは、あの日、あの海にあったんじゃな
    いかって。私は、大事なものを、手放してしまっ
    た。ああ…。ああ…あの日に帰って、やり直せ
    たらいいのにって。そんな時に、逮捕されて、
    晴樹君に再会した。それで…
    そんなことで、もう一度、生まれ変われることが
    できるなんて思うなんて…。バカよね、私。
    愛なんて、何であるんでしょうね?
    そんなものなければよかったのに。そんなもの
    なかったら、もっと上手に生きられたのに。
前原) 愛…。愛なんて、どうしてあるんでしょうね。
基子) ご迷惑をおかけしました。前原さんにも、
    黒坂さんにも、いえ…全ての人に、謝りたい。
    謝りたいです。泉美さんでしたっけ?
    あの子…いい子よね。
前原) ええ。いい子ですよ。
基子) あんな子だったら、幸せになれるのかな。
    女が幸せに生きていくことは、難しいことだと、
    いつも心のどこかで思ってました。でも、ああ
    いう子だったら幸せになれるのかもしれない。
    晴樹君も、きっと…。幸せになってほしい。
    晴樹君も。泉美さんも。私にもあった。
    あったんだ…。自分以外の誰かの幸せを、
    心から願う気持ちが…。私にもあった。
    よかった…。


**********

晴樹) 肘井さん! 肘井さん、待って下さい!
基子) 晴樹君…やっと来てくれた。あなたを愛した
    事…それだけが、私の失敗だった。それだけ
    が、本当の私だったのかもしれない。
晴樹) ダメだ。行っちゃダメです! 死んじゃダメだ!
基子) それなら…一緒に死んでくれる?
晴樹) 行くな!
泉美) 晴ちゃ~ん!
晴樹) 泉美。


**********

彼女は…
本当は愛を求めていた。
誰よりも強く、求めていたのだ。

**********

前原と基子の会話はなかなかよかったんだけどなあ。

男って不思議よね。
女に、もっと輝け、とか言いながら、それでいて、
しでも目立ちすぎると、慌てて突き落とす。

もちろんそんな男ばかりじゃないけれど…良く言えば、
常に男を立ててほしい、一歩下がっていてほしい。そ
の上で賢く美しく、うるさいことを言わずに微笑んでい
てほしいみたいな。願望として、そういう風に思ってい
るんだろうなあって、感じたことは女性ならあるんじゃ
ないかと…。基子の言う、「作り笑い」を無意識のうち
に身につけている女性は少なくないと思うし。そういう
本音の部分を正直に語れる基子のキャラは嫌いじゃ
ない。友達にはなれないけど、彼女がそう生きざるを
えなかった気持ちは理解できる。共感もしないけど…。

愛という魔法の言葉を逆手にとって、愛情(と相手が
捉えるだろう行為)とお金の等価交換を思いつく基子。
実際、世の中は自覚しているしていないはあるにしろ、
愛と言う名の経済活動は、日々行われているわけで。
そのへんを、ヒロインに赤裸々に語らせたところは、ド
ラマとして面白かったし、「聖女」というキーワードと共
に興味深かったのだけれど…。ラストがあまりにも陳
腐というか、韓流ドラマかよ!ってオチにはガッカリ…。
ヒロインを失明させた時点で、自殺を考えてもしょうが
ないって持っていき方だけど、何かねえ…基子にはし
たたかに生きてほしかったなあ。どこかで、誰かにとっ
ての「聖女」となって、したたかに、人生をやり直してみ
せてほしかった。心は一生晴樹に捧げる、罪深き聖女
となって…。な~んて個人的には妄想してしまいます。

せめて、海のシーンをもう少しリアルに見せてくれてい
れば…。あれじゃ、ただの「見殺し」。もしくは自殺幇助
と言われても仕方がないくらい、助ける気がない晴樹
と泉美の態度に、ありえない~と頭がツッコんじゃって、
せっかくの基子の微笑みも、なんだか入り込みきれず。
最後の最後で、あ~やっちゃったなあって残念な感想。
大風呂敷を広げすぎて、たたみきれずに最後、くしゃく
しゃってまとめちゃったような…。結構、話の落としどこ
ろに期待していただけに、ちょっと残念な最終回でした。


●「聖女」HP


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