「べっぴんさん」第110回~進路に悩む者、冒険の旅に出たい者・・・の巻 | 日々のダダ漏れ

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「べっぴんさん」 第110回
第20週 「旅立ちの時」
進路に悩む者、冒険の旅に出たい者・・・の巻


昭和37(1962)年、6月になりました。
高校3年生のさくらは、東京の美術の
大学を目指して、頑張っています。


さくら) 先生が独特で、びっくりするほど
    厳しいけど、やってる事は楽しいよ。
紀夫) ほう~頑張りなさい。
すみれ) お父さんもお母さんも応援してるよ。
さくら) ありがとう。
    そしたら、行ってきます。
すみれ) 行ってらっしゃい。
さくら) 行ってきます。
喜代) 行ってらっしゃいませ。
すみれ) 気を付けてね。
さくら) は~い。
紀夫) 気ぃ付けてな。
さくら) うん。行ってきま~す。
紀夫) はい。
   こんなふうに過ごす時間も
   もうすぐ終わりか。
すみれ) 来年にはさくらがいないと思うと、
    さみしいなぁ。
紀夫) うん…。


**********

すみれ) ん? ん? これ何やろ?
君枝) え? 何?
明美) 「オレは この場で 今
    なにをしているんだい?」。
君枝) 「若者の未来は」。
すみれ) 「ウオウオウオ 心の叫び」。
良子) はぁ~龍やわ…。
すみれ) 「心の叫び」…。


**********

龍一) はぁ~うちの大学いうんは、ほんまに
   中途半端でなぁ。まあ、親に「大学だけ
   は」言われた俺が、入れた所やから、ノ
   ンポリのお嬢ちゃんお坊ちゃんしかおら
   へんねや。俺が一人で反体制を叫んでも、
   誰もついてけぇへんし。ほんま、つまら
   へん所に入ってしもうたなぁ。


**********

明美) 龍ちゃんも、
   集会やデモに行ったりしてるの?
良子) うん、そうなの。勝二さんは、
   人まねしてるだけやって言うてる。
   自分をちゃんと持てって。
君枝) そやけど、
   アルバイトは頑張ってるよねぇ。
すみれ) うん。
明美) そういえばこないだ、未来のために、
   お金だけはためる言うてた。


**********

中西) 龍ちゃん。
龍一) はい。
中西) 反体制の「制」、漢字ちゃうよ。

(「反対生」と書いてあるヘルメット)
龍一) ほんまか? えっ?

**********

龍一) ただいま。
良子) ちょっと、龍! これ、何よ?
龍一) うん? あ~! 見つかってしもうたか。
   これな、歌詞や。俺の作った曲のな。
良子) 歌詞?


龍一君は、大学に入学して、
キアリスでアルバイトをしています。


龍一) ♪オレの人生 この先
   不安を言葉にできない恐怖
   若者の未来は ウオウオ~


**********

龍一) ♪心の叫び 闇の中
   二郎ちゃん、サイダー一つな。
二郎) はい…。
五月) ただいま。
龍一) お~五月。
五月) あっ、龍ちゃん。
龍一) 何や今日は伸太郎も一緒か。
   すっかりお母ちゃんやなぁ。
龍一) ♪オレの人生 この先~
   おっ、健太郎。
健太郎) ああ…。龍ちゃんおったんか。
龍一) 何や、おったらあかんみたいな
   言い方して。
健太郎) いや…。
龍一) 何や悩み事か?
   分かった。進路やろ?
健太郎) まあ…。
龍一) 分かる! 分かる分かる!
   そしたらなぁ、シュプレヒコールや。
   受験体制粉砕! 一緒にやったる。
健太郎) そういう事やない。
龍一) ん? そしたらどういう事や?
五月) 龍には言いたくないんやない?
龍一) 分かる分かる。分かっとるでぇ~。
健太郎) (ため息)
龍一) ♪オレの人生~


**********

さくら) こんなん描いてみたんやけど。
君枝) へぇ~すてきやない!
   これを基にして、丈を長くしてみたり、
   ほかをどうすればバランスがようなるか、
   いろんなパターンを考えてみると、いろ
   いろなアイデアが出るよ。例えば、袖を
   つけたり取ったり…。
さくら) あ~そっか!
良子) いいねぇ、さくらちゃん。
   目がキラキラしてるわ。
さくら) そう?
時子) うっとこなんてもう、寝てばっかりよ。
綾子) そう!
   うちもごはんの文句ばかりやねん。
良子) うちの龍も、何考えてるのか…。
千代子) いや、ほんまさくらちゃんは
    しっかりしとるわ。
君枝) あっ、健太郎、お帰り。
健太郎) ただいま。
4人) あっ、健ちゃん、お帰り!
良子) 健ちゃんはやっぱり国立よね?
健太郎) まあ…。
千代子) 東京?
君枝) まさか! 一人息子よ?
文) それやったらやっぱり…。
時子) 京都!
君枝) そうね。
   京都やったら、うちからも通えるし…。
一同) はぁ~!
千代子) いや~さすがやなぁ!
    何でこんなに違うんやろ?


**********

さくら) なんか、そわそわするね。
    早う受験終わらないかなぁ…。
健太郎) ほんまに東京へ行くのか?
さくら) うん。東京には、神戸や大阪にない
    ものがたくさんある気がするの。そう
    いう所に自分を置いて、感性を磨きた
    い。健ちゃんは、京大に行くんよね?
健太郎) うちは…家族との話し合いの中で、
    当たり前のように、関西の大学いう
    事になってて…。


**********

(ノック)
琴子) 健ちゃん、お夜食よ。
   どう? はかどってる?
健太郎) うん。
琴子) おばあちゃんの夢はね、健ちゃんの
   京大の入学式に一緒に行く事なの。
   かなえてよ。健ちゃん?


**********

(石膏像のデッサンをしているさくら)

**********

(リビングではなの写真を見ている喜代)
喜代) さくらお嬢様が、この家をお出に
   なったら、私はどないしたら…。
   旦那様と奥様は、この世に、2人の
   お嬢様と会社を残されました。それ
   は、未来につながっています。
   私は…。
   私は何を残してきたんやろう…。


**********

夏がやってきました。

すみれ) ああ、龍ちゃん。
良子) あ…どうしたの?

(勝二に新聞を見せる龍一)
勝二) 何や?
龍一) 5月に日本を出た堀江謙一さんが、
   ついこないだサンフランシスコに
   到着したそうや。
勝二) ああ。
龍一) 俺も、冒険したい。
昭一) ハハハ…。
良子) ちょっと、何を言うてるのよ。
龍一) 大学をやめよう思う。
   世界を、まわる、旅がしたい!
良子) ちょっと…勝二さん。

(龍一をつかみ、表に出る勝二)
昭一) 勝二さん…勝二さん!
勝二) 寝言は寝てから言え!
   アホか!

(勝二に投げ飛ばされる龍一)
良子) 龍ちゃん、大丈夫?
龍一) こ…
良子) どこ?
龍一) こ…腰…。
良子) 腰? もう~!


**********

龍一) 何や…何や、何や、何や…。
   何でなんや~!
女性客) 龍うるさい。
龍一) すいません。
二郎) どないしたんや?
龍一) どないもこないも、みんな俺の事
   分かってくれへんねん。
二郎) まあ、そういうもんやろ。
龍一) そういうもんてどういうもんや。
二郎) あの堀江謙一さんもそうやったやないか。
龍一) 堀江さんが?
二郎) ヨットで出国するんは違法やし、無謀な
   冒険やって白い目で見られとった。そやけ
   ど、アメリカがその偉業をたたえて正式に
   入国を許可したら、日本中のマスコミも政
   府も手のひら返し。成し遂げな、認められ
   へんちゅう事や。


**********

(縁側にぼんやり座っている喜代)
喜代) よいしょ…。

(立ち上がり、洗濯物を取り込む喜代)
喜代) 忠さん?
忠一郎) ご無沙汰しております。
喜代) ああ…びっくりした。
忠一郎) お話が、ありまして…。


**********

喜代) (お茶を)どうぞ。
忠一郎) お…おおきに。


**********

さくら) お母さん。
すみれ) ああ、さくら、お帰り。
    だたい…ま。


**********

喜代) 忠さん、お話いうのは?
忠一郎) 喜代さん、残りの人生、わてと
    一緒に冒険の旅に出ませんか?
喜代) えっ?

**********

「べっぴんさん」を楽しくご覧になっている皆様
は、この先は、華麗にスルーでお願いします。


さくらの無駄に長い反抗期が終了してホッとした
のも束の間、今度は龍一、健太郎のお悩みターン。
もうすっかり誰が主役なのか分からなくなってき
た「べっぴんさん」。怒鳴る人や出しゃばる人が
いないのが何よりの救いというか、おかげでつま
らなくても視聴ができるというか…。このまま穏
やかに、次の朝ドラまで時が過ぎればいいな~と。

若者たちの自分探しだけでは飽き足らず、老後の
自分探し?冒険の旅に出ようと喜代さんを誘いに
やってくる忠さん。初恋話を無理やり伏線にして、
彼らの老後の扱いを一気に解決させるつもりのよ
うで。何しろ、得意技は「丸投げ」という、すみれ
お嬢様なので、子育てが終わって今度は自分達
が面倒を見なければならなくなりそうな喜代さん
を忠さんに丸投げする気満々の展開になりそう…。

今や、このドラマの中で唯一まともな人、良心を
体現する喜代さんがいなくなってしまうのはとて
もツライけれど、喜代さんの中の人を思えば、綺
麗な思い出のまま退場となる方がいいだろうし。
喜代さんにだけは本当に幸せになってほしいよ。
喜代さんなしで、坂東家もキアリスも成り立たな
かったし、喜代さんこそが、坂東家で誰よりも愛
にあふれた人だった。喜代さんがいなくなってし
まったら、何を頼りにドラマを見ればいいのか…。

「闇の中」 小澤龍一

オレはこの場で今、
なにをしているんだい?
闇の中に先はあるのか
オレの人生、この先…
不安を言葉にできない恐怖
若者の未来は
ウオウオウオ
心の叫び 闇の中


これって、今まさに、若い役者さんたちが、ドラ
マの現場で抱えている不安、心の闇なんじゃ!?
なんて恐ろしく自虐に満ちた歌w このドラマの、
闇の中に先は、未来はあるのか。頑張れ、若者!


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