「フランケンシュタインの恋」第10話(最終回)~さよなら、人間。 | 日々のダダ漏れ

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フランケンシュタインの恋

 


第10話(最終回)
さよなら、人間。


怪物) 僕は、博士の恋から生まれたんで

  す。だけど、怪物になった僕は、120年

  前、サキさんを死なせてしまいました。

  その罪は消えません。

稲庭) その分、

  研さんは津軽さんを救ったんだ。

  研さんの菌が、津軽さんを救ったんだ。

継実) 深志さんが、私を?

稲庭) その件については、

  まだ科学的には証明できないけど。

継実) 深志さん、ありがとう。

怪物) 稲庭先輩のおかげです。

稲庭) 僕は何もしてないよ。

継実) 稲庭先輩、ありがとうございます。

稲庭) おめでとう!

 

**********

 

リリエ) 私は天草さんのしたことは

  偉かったと思うな~。感動した~。

十勝) お前黙っとけ。

リリエ) 天草さんの言葉が届いてなかっ

   たら、そもそもあの人はラジオに出て

   いなかったわけでしょ? 天草さんは

   最後まで、あの人に自分の言葉を届

   けただけだと思う。
十勝) うん。その通りや! うん。あとは

  番組の責任やがな。俺も責任取る。
天草) ありがとうございます。

  十勝さん、リリエちゃん。

  俺は、利用してたんですよ。

  間違いなく怪物を。ラジオで怪物を

  生んだのは、明らかに俺ですから。
  けど、俺は最後までその怪物のこと

  を好きだったんです。好きだったこと

  に、ホッとしてるんです。すいません。

  だから全部、俺の責任です。

 

**********

 

鶴丸) 120年を経て、ようやく、

  君の、恋人の命を救ったんだ。
怪物) はい。
鶴丸) いや…博士が、

  君と、恋人を救ったんだ。
怪物) そう思います。

鶴丸) よかった!

怪物) 鶴丸教授のおかげです。

  ありがとうございます。

鶴丸) ハハハハ…! 大先輩から

  うれしい言葉をもらったよ。ハハハ…!

稲庭) 教授、この津軽さんの回復と、120

  年前の出来事はつながってるんですか?

鶴丸) サキさんと津軽さんにどのような因

  果があるかは分からない。ひょっとする

  と菌が感染し、その潜伏していた遺伝子

  が、受け継がれてきたのかもしれない。

  いずれにしても、全て、遺伝子の力だ。

  君の、発散した菌の遺伝子が、津軽さん

  の遺伝子を目覚めさせたのだ。

  2人はまさしく、遺伝子の、革命を、

  起こしたのだ。

継実) そのために、教授にご迷惑をお

  かけしてるのではないでしょうか?

鶴丸) いや、私の方は大したことはない

  よ。それより、君は、これからどうやっ

  て、生きて行くのか。そっちのほうが

  大変だ。

怪物) はい。覚悟はしています。

 

**********

 

怪物) 津軽さん。

  これからどんなに大変でも、

  僕は大丈夫です。

  僕にできることをやろうと、

  決めました。

継実) 私は、あなたに感謝しています。

  あなたは、山部呼六さんであり、

  深志研さんです。

怪物) はい。

継実) 私は、津軽継実であり、

  サキさんです。

  あなたが好きです。120年前から。

 

**********

 

怪物) いつも皆さんの幸せを願って

  います。今まで、本当にありがとう

  ございました。

宍喰) 研…。

飯塚・米子) 研さん!

怪物) お願いします。

稲庭) 待てよ、研さん!

  行かなくていいよ。

  行く必要ないって!

  これ以上人間の都合に

  合わせなくていいよ。

  研さんは、研さんの生きたいように

  生きればいいんだって。

  害を与えてるのはどっちなんだよ!

  行け! 研さん! 逃げろ!

 

**********

 

怪物) 何も言わないで下さい。

美琴) えっ?

怪物) 津軽さんには、津軽さんの

  人生を生きて欲しいんです。

美琴) そんなこと言ったって。

  津軽が可哀想だろ?

怪物) 津軽さんの幸せを守りたいんです。

美琴) 分かるけど、そんなの…。

  そんなの寂しいじゃねえかよ。

怪物) 室園さん、

  ありがとうございました。

美琴) 美琴って呼べよ。

怪物) フフ…。稲庭先輩に、「美琴」っ

  て呼ばれてよかったですね。

美琴) ハハ…

  余計なこと言ってんじゃねえよ。

怪物) 僕も、美琴さんに

  会えて幸せでした。

美琴) これは、仲間のあいさつだ。

怪物) はい。

美琴) いつでも戻ってこいよ。

  関係ねえヤツらなんかすぐ忘れん

  だから。津軽にも会ってやれよ?

  必ずだぞ?

怪物) 美琴さん。お元気で。

美琴) 元気でな!

怪物) さようなら。

美琴) 元気でな!

 

**********

 

稲庭) 研さんは?

美琴) 森に行ったよ。

稲庭) 森?

美琴) 津軽には、知らせるなって。

稲庭) え?

美琴) 研は、津軽の人生の

  邪魔をしたくないんだよ。

稲庭) 残酷だな、それは。

美琴) だけど…。それが恋だろ、本当の。

稲庭) ありがとう。美琴。帰ろう。美琴。

美琴) おう。こっちは、

  そっちを何て呼べばいいんだ?

  あっ、坊ちゃんか?

稲庭) 殺すぞ?

美琴) いや、「殺すぞ?」じゃなくて、

  「殺すぞ」だぞ。

稲庭) え、一緒じゃね?

 

**********

 

継実) 私は…ずっと…

  あなたのことが好きです。

  会いたかった。(泣)

怪物) 津軽さん…。

継実) (泣)

 

**********

 

稲庭) 研さん。

  研さんに見せたいものがあるんだ。

継実) 一緒に行きましょう。

怪物) あ、はい。

 

**********

 

鶴丸) これは、君のためじゃない。

  我々のためだ。科学者のエゴだ。

  君も、我々と一緒に

  学んでくれないか?

怪物) 学ぶ?

鶴丸) 君自身が、君の博士になるんだ。

怪物) 僕が、僕の博士に…?

鶴丸) これから君は、どんな菌をこの世

  に放つとも限らない。できれば、やさ

  しい菌をたくさん、作ってもらいたい。

  そして、その菌を、君自身が研究する

  んだ。もちろん、我々研究チームの、

  一員として。

継実) 難病を、一つでもなくすためです。

  これは、あなたと命をつないで行くこ

  とになります。それは私の夢です。

  一緒に、革命を起こしましょう。

怪物) 僕は…

  人間の役に立てるんですね?

鶴丸) それを、これから証明するんだ。

稲庭) 必ず証明するから。研さん。

怪物) はい。分かりました。(泣)

 

**********

 

ラジオ・天草) あっ、天草純平です。あな

     たの、悩みを聞かせて下さい。

ラジオ・女性) はい。私は最近、他人に

     嫌われているような気がして、

     人間が怖くて、外に出られなく

     なったんです。

ラジオ・天草) なるほどねぇ。とりあえず、

     それなら、外を街だと思わず、森

     だ思って出てみたら、どうでしょ

     うか?

ラジオ・女性) 森ですか?

ラジオ・天草) 別に他人と関わろうとしな

     くてもいいんですよ。人と会った

     ら、その人に自分がどう思われ

     てるかじゃなくて、その人も自分

     と同じじゃないかなって考えて

     みるんです。人間を怖がってい

     るんじゃないかなって。で、もし

     そう思えたら、その人に何て声

     を掛けてあげたいかを、想像し

     たらいいんですよ。人間が怖い

     っていうのは、そういう想像力も

     働くことだと思うんですよね。怖

     がらなくてもいいよって人に言い

     たくなったら、きっとまた、自然

     に誰かを好きに、なれますよ!

 

**********

 

怪物) あっ…津軽さん。

  これはとてもいい木です。

  生命力にあふれています。

  きっと、いい菌を生み出します。

継実) お願いします。

怪物) はい。

 

**********

 

<数十年後>

 

男) こんにちは。

怪物) いらっしゃい。

  これが新しい菌と、研究記録です。

男) ありがとうございます。

怪物) 稲庭先輩と、

  美琴さんは元気ですか?

男) はい。おじいちゃんもおばあ

 ちゃんも、いつも研さんに会いた

 がってますよ。

怪物) また、遊びに行きます。

男) 研さんは、津軽さんが亡くなって

 もうすぐ1年がたつのに、ずっとここ

 にいるつもりですか? 世界中の人々

 が、研さんに感謝してるんですよ。

怪物) ここが一番落ち着くんです。

  ここで、津軽さんと一緒にいます。

男) 津軽さんは幸せですね。

  それじゃあ、お預かりします、

  必ずまた、いい薬を開発しますから。

怪物) お願いします。

 

**********

 

上質のファンタジーだった。キノコがグロテ

スクたったけれど、そのグロテスクさは、リ

アルな世界のグロテスクであり、だからこそ

必要なものだったのかもしれないとも思う。

 

怪物が、感情の高まりによって生み出す菌

は、時に、人間を傷つけ、死に至らしめる。

でも、あの菌は、私たち人間が、心に抱く負

の感情を可視化したもののようにも見えた。

負のオーラは、負の言葉は、あんなふうに、

人を傷つけるのかもしれないと思った。ちょ

うど、テレビで流された某女性議員の暴言

を聴いた時のモヤモヤとした不快な気持ち。

あの音声を可視化したら、黒い霧のような、

毒性のある菌に見えるだろうと思ってしまっ

た。あんなものを浴び続けたら心が病んで

しまう。昔、職場に1日中人の悪口を言って

いる同僚がいて、聞きたくなくても聞こえて

しまい、本当に具合が悪くなった事がある。

毒の言葉ってあるんだなって思ったっけ…。

 

もちろん、薬になる、人を元気づける、勇気

づける言葉もある。人に対する思いやりや、

優しい感情は、人を癒し救うものでもある。

毒にするのも、薬にするのも、人間次第だ。

 

別に他人と関わろうとしなくてもいいん

ですよ。人と会ったら、その人に自分が

どう思われてるかじゃなくて、その人も

自分と同じじゃないかなって考えてみる

んです。人間を怖がっているんじゃない

かなって。で、もしそう思えたら、その

人に何て声を掛けてあげたいかを、想像

したらいいんですよ。人間が怖いってい

うのは、そういう想像力も働くことだと

思うんですよね。怖がらなくてもいいよ

って人に言いたくなったら、きっとまた、

自然に誰かを好きに、なれますよ!

 

その人も、自分と同じじゃないかなって考え

てみる。自分と同じように、怖かったり、恥

ずかしかったり、緊張していたり、不安にな

っていたりするんじゃないかと、想像してみ

るだけで、自分とは違うように思っていた人

が、本当は自分とそう変わらないことに気づ

く事ができるかもしれない。何が怖いのか、

怖いのはどうしてなのか、怖いものの正体

は、案外自分の心の中にあるものだったり

する。怪物を、自分の心が生み出している。

 

ちょっと悲しい結末になるのを覚悟していた

ので、近未来での研さんの姿にホッとした。

肉体は滅んでも、津軽さんの菌は生きてい

るのかもしれないね。寄り添うキノコのよう

に、遺伝子は、ずっと生き続けるのかも…。

現代のフランケンは…すてきな怪物でした♪

 

 

●「フランケンシュタインの恋」HP
 

「フランケンシュタインの恋」関連ブログ↓

第1話~怪物は人間に恋をした!

第2話~危険な肉体!早く人間になりたい

第3話~120年の愛 泣いた怪物・・・

第4話~涙!世界で一番衝撃的な愛の告白

第5話~毒親に殴り込み!!!ついに両想いへ

第6話~好きな人を守るための3つの戦い

第7話~抱きしめたい 生放送で大パニック

第8話~僕が殺したのは・・・愛した人だった

第9話~なぜ怪物に?120年前の片想い・・・

第10話~さよなら、人間。

 

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