NHK特集ドラマ「眩(くらら)~北斎の娘~」(前半) | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

NHK特集ドラマ
「眩(くらら)

~北斎の娘~」(前半)

 

 

江戸の天才絵師・葛飾北斎の三女として生ま

れたお栄(後の葛飾応為:宮﨑あおい)は、

町絵師と夫婦になったものの、箸を持つより

絵筆を持つのが好きで、父であり、師である

北斎(長塚京三)の元に嫁ぎ先から戻ってき

た。そこから「超えられぬ高き壁・北斎」の

絵の手伝いが始まった―。そんな中、お栄は

北斎の門人である絵師・善次郎(溪斎英泉:

松田龍平)にだけは、苦しみや悩みを話すこ

とができた。それは思うに任せない、「出戻

りお栄」の密かな恋心であった。北斎という

絵に魅入られた男を尊敬し、影で支える絵師

として働き続けるお栄。そして北斎の代表作

である「富嶽三十六景」が完成した時にも、

そばにはお栄がいた。父が高齢となり、思う

がままに筆を動かせなくなってからも、お栄

は父の「影」として北斎の絵を描き続ける。

北斎は眩しい光、自分はその影でいい。そ

うしてお栄は絵を描き続ける。やがて時は

過ぎ、心の中で常によりどころであった善次

郎そして、北斎もこの世を去る。60歳を過ぎ

たお栄は、一つの真実にたどり着く。「影が

万事を形づけ、光がそれを浮かび上がらせ

る。この世は光と影でできている」――

 

**********

 

1802年

 

北斎) この世は、円と線で出来ている。

 ほれ、こうして、円が重なってるだろう。

 尾っぽも、丸~く尻に巻きついている。

 これも、円だ。でもって、頭に、三角を、

 2つ載っけると…

 

 

 

(筆に手を伸ばすお栄)

北斎) おっ? おお? 

 お前、まさか…。ええ?

 

 

私はただ、おのれの掌の中に初めて

置かれた筆が嬉しくてたまらなかった。

 

くらくらした。

 

**********

 

1824年

 

さて、ここは江戸の浮世絵師、

葛飾北斎の仕事場だ。

 

 

なかなかの散らかりようだろう?

しかたぁねえ。

おやじ殿、つまりここの主が

掃除するのを嫌がるんだ。

ちなみに、そこのクモの巣も

おやじ殿のお気に入りだ。

役者絵、枕絵、読み本の挿絵…。

何でもやるのがおやじ殿の流儀だ。

おやじ殿が、顔姿を描き、

細かいところは弟子の仕事。

そうやって、師匠の画風や

筆遣いを目に刻み込む。

おやじ殿がどんなに名が売れようと

決して鍛錬を怠らないもんだから、

私らは足を引っ張らないよう

ついていくだけでてんてこまいだ。

 

**********

 

(梯子に登り、火事を見ているお栄)

お栄) いや~…なんてえ色だ。

 

 

善次郎) ハハハ、世話ねえな。

お栄) 善さん。

善次郎) どうせどうやったらあんな色

 出せんのか考えてたんだろう。

お栄) 何してんだい、こんなとこで。

善次郎) そりゃお前と同じ。酔狂さ。

お栄) 酔狂? バカ言え。

 みんな大変な思いしてるってのに。

善次郎) ああ。こりゃひでえ。

 風の噂で聞いたぜ。誰かさんが

 旦那が描いた絵を鼻で笑って

 出戻ったって。

お栄) はあ~

 そんな噂が出回ってんのか。

 まあ違えねえけど。

善次郎) ハハハ! 違えねえのかい!   

 ハハハ。お栄らしいや。

 

この善次郎も、

前にうちに出入りしていた

浮世絵師の一人だ。

雅号は、渓斎英泉(けいさいえいせん)。

 

お栄) そっちは近頃景気いいらしいね。

 あの馬琴先生に気に入られたって。

 昔は私とおんなじ

 からっ下手だったくせに。

 

 

善次郎) ああ? からっ下手?

 お前の色気のねえ枕絵と 

 一緒にするなよ。

お栄) なあ善さん。

 お前は何で絵なんか描いてる?

善次郎) 何でえ? いきなり。

お栄) 名か? それとも銭か?

善次郎) いい女抱くためだ。

 ハハハ。ほかに何がある?

お栄) 何だい、

 人が真面目に話てんのに。

善次郎) ハハハハ! ハハハハハ。

 

**********

 

おやじ殿は、そのオランダ

からの注文を、15枚の絵とし、

そのうち12枚の下絵を

あっという間に仕上げ、

残りは一番弟子の弥助さんと

私が描く事になった。

私の画題は、「遊女」だ。

 

**********

 

善次郎) それ、

 また自分で色作ってんだろ。

お栄) ああ。私の作る色は、おやじ殿

 のお気に入りなのさ。料理はとんとで

 きなくても、石や根っこを干したり煮た

 りするのは苦にならないからね。

善次郎) 本当か? 本当は己で思うが

 まま色を差配してみたいって思って

 んじゃねえのか? お前は昔っから

 色に目がねえ。どうやったら蘭画み

 てえな見た事もねえ色みが自分で

 出せんのか、試したくて描きたくて

 仕方がねえんだ。

お栄) 違うよ。私はただ

  おやじ殿の役に立とうと…。

善次郎) 俺相手にしらは切れねえぜ。

   お前は前から描きたい絵を

   ず~っと胸の中で温めてる。

   そのちっこい胸によ。

お栄) 「ちっこい」は余計だ。

善次郎) フフッ。やけるねえ…。

 お前は目指すべきものを持ってる。

お栄) 何訳の分かんねえ事言って

 んだい。ちょっと売れたからって

 上からもの言いやがって。

善次郎) ハハハハ。俺が今何て

 いわれてるか知ってるか?

 「渓斎英泉は北斎の再来か」、だぜ。

お栄) 豪儀じゃねえか。

善次郎) ああ、おやじ殿も

 よく言い暮らしてたな。

 「技を磨きてえならまねてまねて  

 体の中に叩き込め。技もねえのに

 画風がどうのとよそ見をすりゃあ、

 先は行き止まりだ」ってね。

 けどよ…フフフ、再来じゃあな。

お栄) 私はまだそんなとこ

 行き着いてもいない。

 どうしたらもっとおやじ殿が

 思うように描けるのか、おやじ殿

 の絵の役に立てんのか…。

善次郎) よし。いいとこ連れてってやる。

お栄) まだ仕事だ。

善次郎) ああ? たまには仕事なんか

 うっちゃるもんだ。ほら。

お栄) えっ、ちょ…。

 

**********

 

善さんは、かつては

二本差しのお侍だったと

誰かに聞いた事がある。

それ以上は何も知らない。

 

 

お滝) 吉原一の、合奏です。

お栄) すげえ…。

 

 

善次郎) 俺の妹だよ。3人とも。

 

   

善次郎) 俺が養いきれずに芸者の

 置き屋に預けた。それを恨みもせず、

 こうして芸を身に付けてくれた。

 

 

**********

 

目を凝らせば、

この世のどこもかしこもが、

色の濃い淡いで出来ている。

 

人の顔も体も、

光の当たり方で色が違う。

一色じゃない。

光が強く当たっているところは

色が薄く、

暗い場では、色は沈む。

 

お栄) そうか。光だ…。

 光が…。光と影が、

 色や形を作ってるんだ。

 

**********

 

 

北斎) 辛うじて、遠い近いはある。

 影もついてる。けれど、まるで、

 コクがねえや。

弥助) あの~…描き直させてや

 もらえやせんか。このままじゃ、

 おやじ殿の名折れになりやす。

北斎) 明日納めるぞ。

お栄) ちょっと待っとくれよ。

 こんな代物納められねえよ。

北斎) ならお前らいつ満足する!?

 あと3日か? それとも、30日か?

 3年かければきっとできると

 言いきれんのかい!

 三流の玄人でも、一流の素人に勝る。

 なぜだか分かるか?

 こうして恥を忍ぶからだ!

 己が満足できねえもんでも、

 歯ぁ食いしばって世間の目に晒す!

 悔いてる暇あったら、

 とっとと次の仕事にかかれ。

 お栄。お前が持ってけ。

お栄) へえ。

 

**********

 

北斎) お~い、何してんだ? お栄。

お栄) 己の腕に腹が立つのさ。

 わ~~~っ! はあ…。

 何で私は絵なんてもんに魅入られち

 まったんだろうね。苦しいばっかりだ。

北斎) 俺だってお前、

 満足なんざ、してねえよ。

 ああ、もっとうまく、もっと、

 もっとって、いつも、願うのに。

 思う先から、描きてえもんが、

 逃げていきやがる。

お栄) おやじ殿でもか?

北斎) あったぼうよ。お前なんかに

 満足されてたまるかい。よ~し。

 この橋を渡ったら忘れるぞ。

 忘れて、俺たちは、また、

 性根入れて、あがいて、あがいて。

 へへ、あがきまくるんだ!

 

**********

 

 

あがいてあがいて、

あがいて、あがいて…。

 

●後半はこちらから↓

「眩(くらら)~北斎の娘~」(後半) 

 

**********

 

知らなかった。北斎に画家の娘がいたな

んて。まぁ、北斎についても、彼がとてつ

もなく天才だってことぐらいしか知らない。

笑っちゃうほど大胆な波の絵とか、富士

山の絵とか、すっげえことだけは分かる。

 

宮崎あおいがいい。かっけえのよこれが。

凛として、キラキラしてて、色気があって。

松田龍平もいい。北斎の長塚京三もいい。

とにかく全ての絵面がいい。NHKの本気

を見たというか、やるな、NHKって感じで。

 

あまりに惚れこんで、セリフを書き写して

いるうちに、1回で収まらなくなってしまっ

たので、前半、後半と、2回分の記事に。

なので、ちゃんとした感想は後半で…♪

 

ちょうど歴史秘話ヒストリアでもお栄さん

の特集をやっていて、それも面白かった。

本編、ヒストリアとも、再放送があるので、

その機会をお見逃しなく。両方見ると、か

なり理解が深まるので、超超~お勧め!

 

「眩(くらら)~北斎の娘~」

再放送は、10月7日(土)総合、

午後4時45分~

 

歴史秘話ヒストリア「おんなは赤で輝く

北斎の娘・お栄と名画のミステリー」の

再放送は、10月8日(日)総合、

午前0:05~0:50(土曜深夜)

 

●「眩(くらら)~北斎の娘~」HP

 

NHK(土曜/特集/よる/朝ドラ)ドラマ関連

 

 

ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪
にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ
にほんブログ村
にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

 

 

眩
 
Amazon