「トットちゃん!」第45話(12/1)~私、誰とも結婚しないって決めたの | 日々のダダ漏れ

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「トットちゃん!」

 

 

 

第9週 第45話(12/1)

私、誰とも結婚しないって決めたの

 

徹子(清野菜名)は、沢村貞子(浅野ゆ

う子)を女優としても女性としても尊敬し、

「かあさん」と呼んで、何十年も慕い続け

ていた…。貞子が女優を引退し、夫・大

橋恭彦(橋爪淳)と共に葉山に隠居した

後も、徹子は忙しい合間を縫って”かあ

さん”のもとを訪ねて…。

 

**********

 

徹子は沢村貞子を、

女優としても女性としても尊敬し、

それから何十年も慕い続けました。

 

ここで、時計の針を進めてみましょう。

時は1989年。

 

<徹子の楽屋>

(ノック)

徹子) はい。

 あらま。かあさんも

 今日この局だだったの?

沢村) 朝一で終わって帰ろうと思っ

 たら、あなたの名前があったから。

 はい、これあげる。 

 竹の子ご飯のおにぎり、好きでしょ?

徹子) わあ~。

 でも、これかあさんのでしょ?

沢村) いいのいいの。私は帰るから。

徹子) 嬉しい。

(弁当箱を開ける徹子)

徹子) いただきます。

 うん…。ねえ、かあさん。

沢村) ん?

徹子) 本番が終わるまで待っててよ。

 一緒にご飯食べよう。

沢村) 今日はいいわ。

徹子) ん?

沢村) あなたは花も実もある女優さん。

 私は、花も実もないロートル。

 だからこの辺で、失礼するの。

 じゃあそういう事で。

 とうさんが待ってるから、お先。

徹子) 待ってよ、かあさん。

 

しばらくしてかあさんは、

きれいさっぱり芸能界を引退しました。

かあさんらしい潔い、

鮮やかな身の引き方でした。

 

**********

 

徹子は、葉山のマンションに引っ越した

とうさんとかあさんのもとを、

その後も忙しい合間を縫って、

しばしば訪ねました。

 

徹子) ねえとうさん。

 私、とうさんに初めて会った時から、

 ずっと気になってたんだけど。とうさん

 は、なんでかあさんの料理を食べて

 おいしいって言わないの? もしかし

 て2人の時は言ってるの?

沢村) 毎日の事なんだから

 そんな事いちいちあなた…。

大橋) おいしくなかったら、食べないよ。

徹子) あらま!

 

とうさんは、

ありがとうも言わない人でした。

 

**********

 

<「徹子の部屋」のスタジオ>

 

今日のゲストは沢村貞子さん。

かあさんは女優引退後も、

徹子のたっての願いで、

「徹子の部屋」には

出演してくれていました。

 

徹子) かあさん? 早かったわね。

沢村) 今来たところよ。ねえ、

 今日は珍しい人連れてきたの。

徹子) とうさん!

大橋) ちっとも、葉山へ来てくれ

 ないから、会いに来ちゃったよ。

徹子) とうさんも出てよ。照明さん、

 ゲスト、お二人にして頂けない?

大橋) いやちょっと勘弁してくれ。

 わしは、役者じゃないからね。

徹子) あらそう。じゃあ待ってて。

 本番終わったら一緒に帰りましょ。

大橋) いやいや、もういい。

 顔を、見に来ただけだから。

 じゃあ…これでね。

(帰っていく大橋)

沢村) 照れ屋ね。

 

とうさんがかあさんの仕事場

まで一緒に来たのは、

この一度きりだったそうです。

そしてこれが、

徹子がとうさんを見た最後でした。

 

**********

 

とうさんは、突然あの世に

旅立ってしまったのです。

 

沢村) 私に、さよならも言わずに

 逝ってしまったのよ。

 

とうさんは、

かあさんと一緒に書くはずだった本の

執筆も、置いていってしまいました。

 

**********

 

<沢村貞子の寝室>

沢村) 私より、とうさんの方が2つも

 年下なのに、何を焦ったんだろう。

徹子) かあさんが死んだら、

 とうさんに会えると思う?

沢村) そりゃあ会えるわよ。

徹子) じゃあその時、

 あの本の続きの話をしないと。

沢村) もう何も書けないわ。

徹子) とうさんが書いた原稿無駄

 にしたら、もったいないじゃない。

 続きを書いてよ。書く事いっぱい

 あるでしょ? 

沢村) どうかな…。

 でも、とうさんとは価値観が同じだった

 から、うまくいったんだわ。

徹子) とうさんが言う事に、逆らってる

 かあさん、見た事ないもん。

沢村) フフ…。

 

**********

 

50年もの間、

かあさんは毎朝早く起きて、

こうして身繕いをし、

それをとうさんは、このベッドの

中から見つめていたのだな…

と徹子は考えました。

 

しばらくしてかあさんは、中断して

いた原稿の執筆を再開しました。

 

沢村) 原稿用紙…。

 

(夫の机の引き出しを開け、新しい

 原稿用紙の束を出す貞子)

(束の中に、何か書かれた1枚が

 紛れているのに気付く貞子)

 

(大橋の原稿)

わたしにこんな楽しい老後が

あるとは思っていなかった。

あなたにめぐり合えたということ。

そして、

二人で寄り添って生きて来たこと。

いろいろ苦労はあったけれど、

わたしはしあわせだった。

あなたも、しあわせだったと思う。

戦後、無一文のどん底から、

なんとか生き伸びて来られたのは、

ただ一人、あなたという、

心優しく聡明な女性に

めぐり合えたからである。

ありがとう。

 

ありがとうなんて言われなくていい

と言っていたかあさんでしたが、

この予想だにしなかったとうさんから

のラブレターを、死ぬまでお守りの

ように身につけていました。

 

(泣きながら原稿用紙を抱きしめる貞子)

 

**********

 

二年後

 

本が発売になり、

とうさんの3回忌が終わると、

かあさんは、

食べ物を口にしなくなりました。

 

(ベッドに寝ている貞子)

徹子) かあさん。

 お願いだから何か食べて。

沢村) 人間はね、一生懸命やると、

 後悔なんてしないものなのよ。

 出来る限りの事、やったもの。

 だから、未練も後悔もなんにもな

 いの。これでさらりとおしまいよ。

徹子) そんな事言わないで。

沢村) 早くとうさんのところに

 行かないと…。

徹子) もうちょっと、

 とうさんに待っててもらってよ。

 

**********

 

それから毎日、

徹子は仕事の合間に葉山に通って、

かあさんを見舞いました。

 

沢村) きれいよ。

徹子) さっきまで本番だった

 からお化粧してるの。

沢村) ううん…きれいよ。

徹子) 起きるの?

(徹子を抱きしめる貞子)

沢村) あなたにだけは、

 幸せになってもらいたいの。

徹子) かあさん…。

(徹子の背中をポンポンと叩く貞子)

沢村) もう…ここには来ないで。

徹子) えっ?

沢村) もういいから。

(ぐったりとベッドに横たわる貞子)

沢村) はあ…。さよなら…。

(目をつむる貞子)

 

徹子は思いました。

かあさんは、最期の瞬間を、

私に見せたくないのだと。

 

それから2日後、かあさんは、

とうさんのもとに旅立ちました。

 

**********

 

もう一度、

時計の針を1961年に戻しましょう。

 

<NHKのスタジオ>

坂本九) ♪上を向いて歩こう

久松) いいだおr?

徹子) ヒットするわね、この曲。

久松) 八大さんのリサイタルで坂本九

 が歌ってて、いいと思ったんだ。

徹子) 本当。

久松) ああ。これで必ず本当の

 スターになるよ、彼は。

 

NHKのバラエティーショー、

「夢であいましょう」からは、永六輔、

中村八大というヒットメーカーコンビに

より、坂本九、梓みちよ、ジャニーズなど、

たくさんのスターが巣立ってゆきました。

 

**********

 

<誰もいないNHKのスタジオ>

徹子) 久松さん!

 なあに? 用って。

久松) 「上を向いて歩こう」がヒットして、

 坂本九の名前が、全国に知れ渡ったら、

 君に言おうと思ってたんだ。好きです。

 ずっとずっと前から君が好きでした。

 僕は…3割でいいので。

 仕事7割、僕3割でいいですから。

 僕と結婚してください。

徹子) 結婚はしないわ。誰とも。

 だって私、沢村のかあさん

 みたいには出来ないもの。

久松) だから僕は、3割でいいんです。

徹子) お仕事してたら3割も無理よ。

久松) じゃあ1割でも、0.5割でも。

徹子) 0.5割でも無理。私、誰とも

 結婚しないって決めたの。

 ごめんなさい。

(走り去る徹子)

 

**********

 

<おでん屋台>

久松) はあ~。

渥美) ああ~。

久松) なんであんなにケロッと

 断れるんですかね。

(グラスを倒す音)

久松・渥美) わあ~!

渥美) おやじ、拭くもの拭くもの。

久松) ごめんごめん…。

渥美) はっきり言うところが、

 お嬢さんのいいところだよ。

久松) そういうとこが

 好きなんですよ、僕。

渥美) 諦めな。

 あの人は誰のもんにもならねえよ。

久松) そうかな…。この先、誰かの

 ものになったら、やりきれな…。

(お酒をこぼす久松)

渥美) おお…!

久松) あ~! ごめんなさい。

渥美) もう! 未練な酒だねえ。

久松) 許しませんよ…許しません! 

 うん。お酒!

渥美) (ため息)

 

**********

 

徹子) おはようございます!

渥美) お嬢さん。

 男泣かしちゃいけませんよ。

徹子) えっ?

 

時代は高度経済成長のど真ん中。

東京オリンピックを間近に控え、

みんな上を向いて頑張っていました。

ただ一人、久松を除いては。

 

**********

 

凛とした人という印象が強かった沢村貞子

さん。愛に生きた一途で可愛い女性だった

んだなぁって、そんな一面を教えてくれたト

ットちゃんに感謝。近しい人じゃないと分か

らない、スターの本当の姿が知れて嬉しい。

 

あなたにめぐり合えたということ。
そして、
二人で寄り添って生きて来たこと。
いろいろ苦労はあったけれど、
わたしはしあわせだった。
あなたも、しあわせだったと思う。
戦後、無一文のどん底から、
なんとか生き伸びて来られたのは、
ただ一人、あなたという、
心優しく聡明な女性に
めぐり合えたからである。
ありがとう。

 

なんて素敵なラブレター。愛し、愛された

2人だったことがとてもよく分かる。そりゃ

少しでも早くお父さんのところへ行きたい

と思ってしまうよ。本当に愛してたんだね。

 

久松さんのプロポーズは…ご愛敬という

か…徹子さんにプロポーズした勇気だけ

は讃えたいと思う。そこは凄いわ、ホント。

 

 

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