「半分、青い」第23回~ノーベル賞と少女漫画とふくろう会と | 日々のダダ漏れ

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「半分、青い」 第23
第4週 「夢見たい!」
ノーベル賞と少女漫画とふくろう会と

 

 

鈴愛) 律~! 漫画見て~!

 律! 律、律、律!

和子) 鈴愛ちゃん。

鈴愛) あっ、おばさん。

和子) おはよう。

鈴愛) おはようございます。

和子) マグマ大使の笛が聞こえたから。

鈴愛) あっ、ごめん、起こしてまった?

和子) ううん、おばさん早起きやで

 ちょうどいい。ほんでもどうしたの?

 こんな朝早うから。

鈴愛) あ…。私、漫画出来たんです。

 違う。漫画、描いたんです。

和子) え?

 

**********

 

<萩尾家・リビング>

和子) 本当? 秋風羽織を律に?

鈴愛) はい。はまってまって。

 それで自分でも。

和子) あ~すごい、鈴愛ちゃん。

 もともとね、秋風羽織を律に

 教えたのおばさんなんやよ。

鈴愛) ああ…。

和子) おばさんね、一番最初はあの子

 をベートーベンにしようと思ったの。

鈴愛) ベートーベン?

和子) うん。

 「運命」くらい軽~く作れると思った

 んや。もしくは、グレン・グールド。

 あっ、ピアニストね。

鈴愛) はい…。

和子) ほしたらあの子、ピアノ嫌がって。

鈴愛) はい。

和子) そやで今度は、

 村上春樹にしようと思ったの。

鈴愛) 「ノルウェイの森」の人?

和子) そう。おばさん、

 あの人デビューから目ぇつけとった。

 いずれ、ノーベル賞取ると思っとる。

鈴愛) ピアニストの次は、

 作家にしようと思ったんやね。

和子) そう。

 やるからにはノーベル賞狙わなきゃ。

 村上春樹よ。

(ドアが開く音)

弥一) あれ? 

 エジソンで産んだんやなかったっけ?

和子) あら、あなたおはよう。

 秋風羽織はあなたも好きよね。

弥一) ああ。鈴愛ちゃん、おはよう。

鈴愛) おはようございます。

和子) エジソンにしようと思ったのは

 その次。ああ、この子は理系だって

 気が付いて。

鈴愛) おばさんとにかく

 ノーベル賞なんやね?

和子) そう。

鈴愛) 何かこうやって話しとると、律

 ノーベル賞取れるような気がしてくる。

 駅前の岩田屋で肉まん買うくらい簡

 単な事のような気がする、ノーベル賞。

和子) フフフッ…。鈴愛ちゃんって、

 嫌みがまるで嫌みに聞こえないわ。

弥一) いや、それ嫌みで言ってないよ、

 鈴愛ちゃんは。

和子) あら、そうなの?

鈴愛) はい。何か、本当に律

 ノーベル賞取れるような・・。

弥一) ところで、こんな早くから

 どうしたの? 鈴愛ちゃん。

和子) あっ、そうや。これこれ。これ、

 鈴愛ちゃん描いたんやと。漫画。

弥一) へえ~すご~い!

 これ、見せに来たの?

鈴愛) はい!

弥一) 律に?

鈴愛) はい。やっと出来上がったんで。

弥一) じゃあ、これ最初に読むのは、

 律なんやないの?

和子) あ…。

鈴愛) あ…。

弥一) はい。

鈴愛) 漫画描けばって言って

 くれたのが、律だったんで…。

 

**********

 

<萩尾家・二階>

和子) 律、起きて。

鈴愛) えっ、和子おはさん?

和子) ほら、律、起きて!

 鈴愛ちゃんが漫画を描き上げたよ!

(律の布団をひきはがす和子)

和子) おばさん、乱暴…。

律) もうそんな時間…?

和子) ほら、これ! 鈴愛ちゃん、漫画!

鈴愛) 律! 私漫画描き上げたよ!

律) おはようございます。

鈴愛) おはようございます。はい。

(ぼんやり漫画を受け取る律)

律) あれ、

 本当に時間大丈夫なんだっけ?

 今日普通の日だよね。

和子) うん。

 

**********

 

<楡野家>

草太) 姉ちゃん起きろ!

 おらん…。

 お母ちゃん、おねえおらん!

晴) え!?

 

**********

 

<萩尾家>

鈴愛) やばい…私、帰る。帰ります!

和子) え?

鈴愛) えっと、家に帰って、着替えて、

 顔洗って、時間割りそろえて、

 時間ない!

律) えっ、これは?

鈴愛) あっ、持って帰る!

 大事なものなんで。

 あっ、今日ともしびで! 6時で!

律) はい。

鈴愛) これ、

 絶対律に一番最初に見せるから!

 それまで、誰にも見せないから! じゃ!

 

**********

 

<東京・オフィスティンカーベル>

北野) まことに、申し訳ない!

真鍋) 申し訳ありません。

北野) 先生、こちら。

 アンティークのメトロノームです。

 先生はたまに、リズムを刻まれますので、

 是非こちらの音色も試して頂いて。パリ

 のクリニャンクールののみの市で真鍋が

 探してまいりました。

真鍋) 私が…。

秋風) いえ、私は、同じ音でないと。

 あっ、それと君、クビチョンパだから。

北野) ああ…もちろん、もちろんです。

 真鍋はお詫びだけで…。

 次も、うちで、散英社で…。講談館

 出版に行くなんておっしゃらずに。

秋風) では、お願いがあります。

北野) えっ、お願い! 先生の辞書に

 お願いの文字があるとは! 何なりと。

秋風) 全国主要都市で、

 トークショーをやろうと思います。

北野) えっ? トークショー?

 顔出しという事ですか?

秋風) はい。

北野) 今まで先生、秋風羽織の

 正体は完全にシークレットです。

 顔写真も一枚も出ていない。

 それで、神秘性を増したと私は

 思っておりますが、どういう心境

 の変化でしょうか?

秋風) 私は、私の読者に、

 会ってみたくなりました。

 

**********

 

<喫茶・ともしび>

(鈴愛の漫画を読んでいる

 律と菜生とブッチャー)

律) すげえ、漫画になっとる。

鈴愛) いや、漫画だから。

菜生) しかも面白い。

龍之介) 「カセットテープの恋」。

 これこの間のこばやんの事やよな?

鈴愛) チッチッチッ。

 そこからヒントを得たと言ってほしい。

 インスピレボリューションや。

龍之介) 今のわざとか?

律) …てか、何でみんないんの? 俺が

 一番最初に読むんやなかったっけ?

鈴愛) そうでもない。

 弥一おじさんに洗脳された。

律) 洗脳?

鈴愛) あの声で、あの顔で言われると。

 

(回想)

弥一) じゃあこれ最初に読むのは、

 律なんやないの?

 

鈴愛) そうかもしれん、と思ってまう。

律) あ~あるある。

 うちの親父さんそういうとこある。

 いちいちもっともらしい。

鈴愛) そうそう、

 もっともらしい。それや。

律) そのかわり和子さんは何を言っても

 言葉が俺の頭を素通りすんだよな~。

鈴愛) あ~分かる。心地よい風みたいな、

 子守歌みたいな声。和子おばちゃんの

 声好き! ノーベル賞って和子おばちゃ

 んが言うと、ベルマークみたいやもんな。

菜生) あれだよ。鈴愛が、一番に律に

 原稿持ってったのは、6時になる前の

 5時半過ぎの早朝に、いきなりたたき

 起こして許される相手が律だけやった

 って事やよ。

律) そんだけか!

鈴愛) ごちそうするよ、今日、ここ。

律) おばさん、

 お好み焼きミックス追加で。

まさこ) はいよ~。

鈴愛) え?

 

**********

 

<楡野家>

(鈴愛の漫画を回し読みする家族)

仙吉) あ~はい。

宇太郎) これは、

 俺の漫画教育の賜物やな。

 「あしたのジョー」から手塚治虫まで。

草太) お父ちゃん、これ少女漫画や。

(電話の呼び出し音)

鈴愛) あ…。あっ。

 皆さん、どうぞごゆっくり。

電・鈴愛) はいもしもし。

 楡野でございます。

電・律) あ…あ~えっと…。

電・鈴愛) バ~カ、わしじゃ!

電・律) 晴おばさんかと思った。

 声がよう似とる。

電・鈴愛) どうした? 電話代が

 もったいないぞ。用件を早く。

 

 

電・律) 人んちの電話代まで気にして

 もらって申し訳ないな。実は、今日と

 もしびでも言おうと思ったんやけど…。

電・鈴愛) ん? 告白か?

電・律) 好きだ、鈴愛。

電・鈴愛) 冗談だな。

電・律) うん、冗談だ。あのさ。

電・鈴愛) はいさ。

電・律) 東大、やめようと思うんだ。

 京大にしようと思って。

電・鈴愛) ごめん、どっちも私に

 とっては行った事のない惑星で、

 あんまり違いが分からん。

電・律) えっ?

電・鈴愛) ほやし、

 それブッチャーに聞いとったもん。

電・律) うわっ、口軽い。

電・鈴愛) ふくろう会に秘密はないぞ。

電・律) ふくろう会って何だ?

電・鈴愛) フフフッ。今命名した。律と

 私と菜生とブッチャーでふくろう会だ。

 青春っぽいやろ?

電・律) もうちょっと

 すてきな名前付けようよ。

電・鈴愛) 仕方がない。メンバーがすてき

 やないからな。そうそう、ふくろう会の秘

 密っていえば、菜生、ラブレターもらった

 西高の男の子と別れとった。知っとる?

電・律) お前長電話の構えだな。

 俺は勉強する。

 京大は受からなければならない。

 俺は鈴愛がもうちょっとショックを

 受けると思って言いよどんどった。

電・鈴愛) 東大を?

電・律) うん。俺が東大行って、

 ノーベル賞取るのは

 鈴愛の夢でもあるかと。

電・鈴愛) 律、頭が間違えとる。

 それは和子おばちゃんの夢だ。

 私やない。

電・律) そやけど、何か、み~んなが、

 世界中がそう俺に期待しとるような。

電・鈴愛) 和子おばちゃんの威力

 半端ないな。和子おばちゃんには

 言ったのか? 京大にするって。

 そこやないんか? 一番高い山は。

電・律) 分かっとる。これから言う。

 これは景気づけの電話だ。

電・鈴愛) うん。

 あっ、律、いい事教えてやる。

電・律) ん?

 

**********

 

<萩尾家>

弥一) まあ、いいんじゃないかな、

 京大でも。

律) お母さん知ってるかい? 京大の

 ノーベル賞受賞者は東大のノーベル

 賞受賞者よりも多いって事を。

和子) えっ? そうなの?

 

その豆知識は、

鈴愛の入れ知恵です。

まことに効果的でした。

 

ブッチャー君から

律の志望校変更を聞いた時に、

すかさず鈴愛は、

図書館でそれを調べました。

なぜなら鈴愛、

まだ律の夢を信じていました。

 

(回想)

律) 俺の夢は、ノーベル賞を取る事だ。

 今のは内緒にしてくれ。

 

まっ、鈴愛の口は、羽より軽いので、

すぐにふくろう商店街じゅう

知れ渡る事になった訳ですが…

 

**********

 

おや、鈴愛、2作目ですか。

 

 

タイトル、「神様のメモ」?

何やらまた、面白そうな…

 

 

夢を見るのはすてきです。

私には何もないと思うか、

だからこそ何にでもなれると思うかは、

その人次第で…

 

**********

 

鈴愛) 出来た~。

 

 

**********

 

<萩尾家>

(笛の音)

鈴愛) 律~!

(時計を見る律)

律) 4時半やん…。

 早まっとるし、時間…。

(とぼとぼと窓辺へ行く律)

 

ふくろう会のみんなが、

幸せな夢を、見られますよう。

 

 

**********
 

朝5時半に笛を吹いて律を呼ぶ鈴愛。菜生

ちゃん曰く、それが許される相手が律だけ

だったから。うん、それが特別っていう事。

相手をまるっと信じられるって事だよね~。

 

今日は電話のシーンにキュンとした。昔は、

あの不自由な電話だったからドラマになっ

た。連絡がつかなかったりすれ違ったりが

当たり前の世界だったから。直電じゃない、

あのドキドキ感。相手の親としゃべらなけれ

ばならない緊張感ったらもう。電話苦手だっ

たなあ。大体電話は居間にあったから、家

族の前で長電話はできなかった。少しでも

長くなると、親のせき払いで、急かされた。

だからわざわざ公衆電話に行くっていうの

も、今考えればドラマチックに気持ちを盛り

上げてくれるシチュエーションだったなあ。

いや~甘酸っぱいわ~。いつでもつながる

スマホでは味わえない、もどかしい時間と、

距離のマジックというか。ムズムズする~。

 

私の頭は、すっかり少女漫画脳になってい

るので、心置きなく好き勝手に少女漫画ワ

ールドにひたれて楽しいのだけれど、そう

じゃない人には、ウダウダ展開に思えるの

かあ…と、入り込めない人の感想を見てい

るとちょっとだけ申し訳ない気持ちになる。

 

夢を見るのはすてきです。
私には何もないと思うか、
だからこそ何にでもなれると思うかは、
その人次第で…

 

自分で限界を決めてしまうと、そこまでに

なってしまう。そういうこともみんな、漫画

から教わったっけ。それで、何にでもなれ

ると、何の根拠もなく思いつつ、何者にも

ならなかった今があったりする。フフフ♪

 

【追記】

NHKさんったらやるなっ! 鈴愛が描いた

漫画「カセットテープの恋」が、アニメに!

見たい気持ちが分かってるじゃないの~。

 

鈴愛が描いた『カセットテープの恋』(前編)アニメーション
鈴愛が描いた『カセットテープの恋』(後編)アニメーション

 

す、すごいよ鈴愛! 面白いじゃないかw

 


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