孤独のグルメ Season７
第11話
千葉県千葉市の特製ニンニク
スープと生鮭のバター焼き
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カレーの匂いの誘惑ほど、
胃袋を惑わすものがあるだろうか。
猛然と…腹が、減った。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
よし、店を探…ん？
レストラン？
●「味のレストラン えびすや 幸町店」
こういう洋食屋、久しぶり。
カレーもありそうだし…。
それになにより、「味のレストラン」って
サブタイトルが、懐かしい感じじゃないか。
それに続く店名もおめでたい。
これを逃す手はない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
おっ、オムライスにハンバーグか。
よしよし。
いいなぁ。
古き良きレストランの景色。
ん？ この匂いは…
年季が入ってるなぁ…。
ニンニクスープ…この匂いか。
疲れた体にもってこいだ。
これは決定。
さて、メインはどうする。
フィッシュorミート、どっちにするか。
海老フライに、シャケのフライ。
洋食の魚料理もいいもんだよなぁ。
おっと、ベーコン巻きステーキか。
ピラフもいいな。
あっ、ナポリタンがある。
こういう店のナポリタン、絶対うまそうだ。
カレーは…ないか。でも、このメニューと、
ニンニクの香りのおかげで、いつの間にか
突発性カレー欲が収っている。
こっちはおすすめ。
もつ煮込み？
スペイン風おじや？
なんだ変化球もあるのか。
カツレツ…。
おっと、ほらほら、ナポリタン、
やっぱり人気なんじゃないか。
いかんいかん。
人の料理はうまそうに見える。
惑わされるな。
胃袋の声を聴け。
煎じ詰めれば、
魚か肉か、どっちをとる…。
う～ん、身悶えするほど悩ましい。
フィッシュ ｏｒ ミート、フィッシュ ｏｒ ミート
フィッシュ ｏｒ ミート…。
う～ん、ああ、バター。
よし、腹は決まった。
五郎） すみません。
女将） はい。お決まりですか。
五郎） 特製ニンニクスープと、
生鮭のバター焼きをください。
女将） はい。それでしたら、
セットメニューになさいます？
五郎） セット？
女将） これなんですけどね。
女将） お肉か、お魚のお料理に、うちの
名物のニンニクスープと、ライスとサラダ、
あとでコーヒーと、デザートがつきます。
五郎） ああなるほど。でも、カニピラフも
頼みたいんで単品でお願いします。
女将） はい、わかりました。
ふぅ…無事、オーダー完了。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
あれは、カキか…うわ、燃えてる。
こりゃ、シャケもすごそう。
店員） ベーコン巻きステーキです。
女将） はい、ビーフシチュー
お待たせしました。それからこれは、
今日の、お手製のサービス。
客） あらおいしそう。
ありがとうございます。
お母さんのお手製、嬉しいじゃないか。
シェフも一緒にお見送り。
こういうのグッとくるよなぁ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
女将） はい、ニンニクスープです。
卵をといて召し上がって下さい。
五郎） はい。
「特製ニンニクスープ」
浮かぶ卵が 相性抜群
飲めばみんなも えびす顔
くぅ～これはいきなり食欲全開だ。
五郎） いただきます。
お～ニンニク効きまくり。めちゃうま。
いたいたニンニク。
ハァ～こんなの初めてだ。
特製の冠に恥じぬ一品。
よし、卵をとくか。
黄身を潰して、こうだ。
こんな感じか？
ハァ～卵も入って
最強の滋養強壮スープだ。
元気がモリモリ沸いてくる。
こいつは脇役じゃない。
メインを張れる一品だ。
あっ、いいこと思いついたぞ。
五郎） すみません、
ガーリックトーストください。
店員） は～い。
ガーリックトーストお願いしま～す。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
店員） ガーリックトーストです。
「ガーリックトースト」
固定概念を覆す その旨さと柔らかさ
フランスパンじゃなくてロールパンなんだ。
どうなんだ、それは。
当たり前だが、やわらかい。
あっ、ほのかに甘いぞ。
よし、やるか。
スープをひたひたに浸して、
ガーリックに、ガーリックで、ガリガリ君だ！
ん～たまらん！ ムチャクチャガーリー。
知ったが最後、
やめられなくなる危険なやつだ。
これはやわらかいパンが正解。
染み込んだ汁がジュワーっと溢れ出てくる。
まるでニンニクの高野豆腐だ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
お～テーブルが華やかになったぞ。
「生鮭のバター焼き」
旨さの秘訣は 特製タルタル！
こいつは 驚き避けられん
お～タルタルソース付きときたもんだ。
タルタリストには、サプライズプレゼント。
いや～高まった期待を裏切らないなぁ。
これは…箸でいいか。
肉厚、キングサイズ。
う～ん、うまい鮭だ。
しかもバターにタルタル。
非の打ち所のない、洋食の喜び。
よし、レモンたっぷり鮭バターだ。
ん～おいすぃ～！
これはお出かけよそいきのおいしさだ。
いつも定食屋でテレビ見ながら食う
シャケとは別物。忘れた頃に食べた
くなる、永遠のごちそうだ。
「カニピラフ」
食欲そそる この色味！
スプーン止めずに 黙って食え！
ピラフはどうだ？
あ～うまいな。
これは大好きな味です。
この色、しっかりした味付け、
ちょい焼き飯寄りのピラフ。
なんで知ってるんだ？
俺がこういうのに弱いの。
おっ、カニ登場。
カニとシャケの豪華共演による
洋食シーフード祭りだ。フッ。
これも隠れた大好物。
うんうん、安心する甘み。
洋食の付け合わせはとっても大事。
これらの味がいい店は、きっと長続きする。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
カニピ…カニピ…。
からの…ニンニクスープ。
ハァ～。
こういうのはどうだ？
おぉ、いい、いい。
この食べ方、べらぼうにうまい。
誰かに教えたい。
このガリトー、秀逸。
縦横無尽の働きをしてくれる。
いいな、これ。
よし、もういっちょいくか。
今度はタルタル多めで。
ニンニク、バター、タルタル
の三位一体サーモンパン。
これ本当にいい。
こいつは他では絶対に味わえない、
近年最高の発明だ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
本当にいい。
食べるほどに幸せな気持ちが
胸いっぱいに広がる。
そんなピラフだ。
ん～ん～気取らないよそ行き味に、
思わず、恵比須顔になる、えびすやだ。
これぞまさに、キング オブ 洋食。
揺るぎなきうまさ。
そして、唯一無二のニンニクスープ。
これは本当にクセになる。
常連を作る味だ。
最後は、やっぱりこれでしょう。
ニンニクパワーで元気回復。
ガリガリ君のおかげで疲れが吹っ飛んだ。
五郎） ごちそうさまでした。
女将） よかったら、セットのデザートと
コーヒーつけますか？
五郎） 頼めるんですか？
女将） デザートは自家製のプリンです。
五郎） 自家製？
女将） えぇ、私の手作りです。
五郎） じゃあお願いします。
コーヒーは、アイスで。
女将） はい、かしこまりました。
やった！ 最後の最後にお母さんの
お手製にたどり着けた。フッ…。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「自家製プリン」
この味に虜＝お母さんに虜
う～ん…プリンッとしたプリン。
自家製ならではの甘さがやさしい。
お～カラメルのとろみもいいあんばい。
お母さん上手だな。
ん～香ばしい。
このプリン、
また食べたくなりそうだな。
お母さんのお手製…
五郎） ごちそうさまでした。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
長い時間がゆっくり磨き上げた、
居心地の懐かしい、
おいしい店だったな。
電・五郎） はい井之頭です。
あ～どうもお世話になります。
明日ですか？ 明日ですと、
13時から15時の間でしたら大丈夫ですが。
はい、わかりました。それでお願いします。
はい…はい。失礼いたします。
ふぅー。明日もスケジュールぎっしりか。
疲れたら、うまい飯に助けてもらおう。
フッ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
家の近くにあったらいいなあと思う洋食屋
さん。正統派の洋食、無性に食べたくなる
んだよね～。ニンニクスープも美味しそう。
ワインが美味しく飲めそうなお店だなあと。
こういう店、意外とありそうでないんだよ
ねえ。お店近くに住んでる人が羨ましい！
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