「カーネーション」（再放送）第133回～第23週「まどわせないで」

「カーネーション」
第133回～第23週「まどわせないで」

しばらく、注意喚起させていただきます。

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「日々のダダ漏れ」

＜夜・小原家＞

糸子）　ここが、あんたの、観念どこやな。

　あんたが決め。東京帰るか。
　それか、その、ジャージー脱ぐか。
（糸子を見つめる里香）　
糸子）　服ちゅうんはな、里香。

　着て歩く事で、それにふさわしい物事

　を引き寄せて回るんや。あんたのその、

　頭とジャージーが、やっぱり見事に、

　この結果を連れてきたちゅうこっちゃ。

　分かるやろ？

　世間様と無関係でおられる人間なんか、

　一人も、いてへんねや。

　自分が、世間に、どない見えたら、

　こんな目に遭わんで済むか。

　よう考え。分からんかったら、

　うちに置いとかれへん。東京帰り。

男性の声）　お～い、ばあちゃ～ん！

男性の声）　どないや、大丈夫け？

糸子）　は～い。

（表へ行く糸子）

（その場から動けない里香）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＜翌日＞

（朝食を作る糸子）

（Tシャツ、短パン姿の里香）

糸子）　あんた！何やその格好！

　アホか！風邪ひくわ。

　セーターでも着んかいな。

　お母ちゃん送ってきてくれてるやろ。

里香）　ママの服着たくない。

糸子）　ああ？

里香）　いいじゃん。着たくないの！

　ママに押しつけられんの

　もううんざりだし。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

糸子）　ふん。ほなこれ着り。

（つぎはぎだらけのはんてんや、

古いセーターを里香に渡す糸子）

里香）　誰の？これ。

糸子）　さあ。

　けど、うちにあるちゅう事は、

　誰かが着てたんやろ。

（はんてんを広げ、眺める里香）

糸子）　着り！もう風邪ひくんやさかい。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

昭和61年（1986）1月

昭和61年、正月。

初売りの前の日ぃに、

アホぼんらを、うちに呼びました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＜店＞

糸子）　このスーツは、

　要は着物と一緒でな、こことここを、

　ひもで結んで着るようにしたある。

　せやさかい、少々肥えたかて調整

　でけるんや。

栄之助・譲）　はは～。

糸子）　生地もええよって、一着持っと

　いたら、長い事着られんで。どや？

栄之助）　ものすごいいです。なあ？

譲）　おお、思います。

糸子）　ほな、これ持っていき。

　デザイン料は、あんたの言うてた、

　歩合でええ。けど…。

　どないなと頑張って、売り尽くしや。

栄之助）　はい。

　ありがとうございます、先生。

　もう何てお礼言うたらええか…。

糸子）　礼やったら、

　譲のひいじいさんに言い。

譲）　へ？うちのひいじいさんですか？

糸子）　もう50年も昔の話を、ひ孫の友達に

　まで、持ち出されるとは思えへんかった。

　そない立派な人みたいに代々言い伝えら

　れてしもたら、そらうちかて、格好つけん

　訳にはいかんやないか。

栄之助）　ほな帰りに、こいつんとこの

　仏壇に、手ぇ合わせてから帰ります。

糸子）　そうしい。なあ、お茶頂戴。

里香）　はい。

栄之助）　よいしょ。

（毛糸の帽子をかぶり、はんてんを着た里香）

譲）　あれ？

　この子も先生のお孫さんですか？

糸子）　里香や。こないだからおったやろ。

譲）　あっ…。

栄之助）　ええ！？

譲）　ちょ…何かあったんですか？

糸子）　フフフフ、まあな。

　さあ、話は終わった。

　あんたら、おなかすいたやろ。

　寿司とうなぎ、どっちがええ？

栄之助）　いやいや、それは…。

譲）　それちょっと悪いですわ。

糸子）　ええから言い！どっちや？

譲）　ほんなら…。

栄之助）　うなぎ！

譲）　寿司で！

栄之助）　え？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＜優子のオフィス＞

電・優子）　え？ほんで結局、あの子、

　まだジャージー着てるちゅう事？

　それとも、やめたちゅう事？

電・糸子）　う～ん、どうやろなあ…。

電・優子）　「どうやろなあ」て何？

　おかあちゃん前言うてたやんな？

　里香がジャージーやめたら、うちが

　話しに行ってええて。どっちなん？

　まだジャージー？ジャージーちゃう？

　もうどっち？

電・糸子）　なあ浩ちゃん、どない思う？

　あれジャージーけ？

電・浩二）　ジャージー…？

　はあ、ジャージー…ですかねえ。

電・糸子）　まだジャージー着てる。

電・優子）　ちょっとお母ちゃん。

　真面目に答えてよ！

　里香は今一体、何着てんの？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＜夜＞

電・聡子）　うちの古着？

電・里香）　うん。

　小原聡子って書いてある。

電・聡子）　へえ～。

　里香古着着てんけ？やるなあ。

　あんたそんなセンスあるんやったら、

　うち手伝いに来てよ。

電・里香）　へえ？

電・聡子）　あんた、ロンドンの

　おしゃれちゅうたら、古着やで。

電・里香）　はあ？

　古着をおしゃれで着んの？

電・聡子）　ほんであとは？うちの

　体操着と、あと何着てんの？

電・里香）　何か、花の模様の

　セーターと、誰かの靴下。

電・聡子）　ハハハハ…おもろいなあ。

　見てみたいなあ。

電・里香）　あっ、「直子」って書いてある。

糸子）　はれ、誰としゃべってんや？

電・聡子）

電・里香）　あ…おばあちゃん、

　風呂から上がった。

　聡子叔母ちゃん。

電・糸子）　もしもし。ああ、元気やで。

　アハッ、ハハハハ…うん。

せやけど、

そろそろ笑てる場合でもありません。

いっぺんちゃんと、話せんならん。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＜２階＞

糸子）　ふ～ん…。

　何が気に食わへんねん？

　こんな上等な服を、こないようさん

　送ってもうてんのに。せっかくええ

　高校入れてもろて。何で、行かれ

　へんようになんねん？

里香）　おばあちゃん。「ジャージーやめ

　たら東京帰んなくていい」つったじゃん。

糸子）　東京帰れとは言うてへんやろ。

　「何でや？」て聞いてるだけや。

里香）　分かんない。

糸子）　分からん？

里香）　何か…半年ぐらい前から急に、

　ママが買ってきた服も、ママが選んだ

　高校も、絶対嫌だって思うようになっ

　て。ママの顔見るのも、ママの声聞く

　のも、思い出すのも嫌。

糸子）　そない嫌いか？

（首を横に振る里香）　

里香）　嫌いじゃないけど、

　どうしても嫌になった。

　冷たくしたらかわいそうだって

　分かってるのに…。

　優しくできない。どうしても…。（泣）

（里香の背中を撫でる糸子）

糸子）　まあ…よう分からんけど。

　そら、あんたが、大人んなろうと

　してるんやろなあ。

里香）　（泣）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

さて一方、

一日もはよ大人になった方がええ

この人らはとゆうと。突然何や、

もう一人友達連れてやって来ました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＜店＞

栄之助）　今日は、お話があって来ました。

糸子）　話？

３人）　はい！

糸子）　あ～あかんあかん！

　もううちは面倒くさい話嫌やでもう～。

栄之助）　違うんです先生。聞いて下さい。

糸子）　嫌や嫌や。帰って、帰って。

　もう知らん知らん。

譲）　先生先生。

　何も面倒くさい話ちゃいますて。

　すごい話なんですて。

糸子）　え～？

栄之助）　先生、ものすごいいんです。

　あのスーツの売れ行きが。

糸子）　ああ？

栄之助）　僕あのスーツに、思い切って、

　18万ゆう値段つけたんです。

糸子）　18万！？はあ～。

栄之助）　それがもう、飛ぶように売れて。

　100反分の、95着は、予約で完売しました。

糸子）　ほんまかいなあ！？

譲）　先生！そこで僕ら今日こないして、

　お願いに来ました。

糸子）　何をや？もう。

譲）　先生のブランドを、

　作らせてもらえないでしょうか？

糸子）　はあ？

（頭を下げる３人）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

服ちゅうんはな、里香。
着て歩く事で、それにふさわしい物事
を引き寄せて回るんや。あんたのその、
頭とジャージーが、やっぱり見事に、
この結果を連れてきたちゅうこっちゃ。
分かるやろ？
世間様と無関係でおられる人間なんか、
一人も、いてへんねや。
自分が、世間に、どない見えたら、
こんな目に遭わんで済むか。よう考え。

本当にね…。考えなければいけないよ…ｗ

今年も朝ドラを中心に、ドラマの感想多めの

ブログになりました。映画や漫画の感想も書

きたいと思いつつ、気力体力の余裕がなくな

りつつある今日この頃。来年は欲張らず、の

んびり更新していこうと思っています。来年も

また、お付き合いして頂ければうれしいです。

皆様、よいお年を～(*^O^*)

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