「カーネーション」(再放送)第134回~第24週「宣言」 | 日々のダダ漏れ

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「カーネーション」 
第134回~第24週 「宣言」

 

 

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栄之助) 僕あのスーツに思い切って、

 18万ゆう値段つけたんです。

糸子) 18万!?

栄之助) 100反分の95着は、

 予約で完売しました。

糸子) ほんまかいなあ!?

譲) 先生! そこで僕ら今日こないして、

 お願いに来ました。

糸子) 何をや? もう。

譲) 先生のブランドを、

 作らせてもらえないでしょうか?

糸子) はあ?

 

**********

 

昭和61年(1986)1月

 

<小原家>

守) 改めまして、

 春光商事の高山守と申します。

糸子) 3人目のアホぼんかと思たら、

 ほんな立派な商社の人かいな。

守) はい。

 アパレル担当させてもらってます。

栄之助) ほんでね、先生。

 僕らの話、聞いてもらえますやろか? 

 とにかく、あのスーツがすごかったんです。

 僕、あの次の日から、例のサンプル持っ

 て、お得意さんを回ったんです。そしたら、

 1週間で、半分売れてしもたんです。

糸子) ふ~ん。

栄之助) お客さんが、みんな口そろえて

 言わはるのは、とにかく、「デザインが

 ええ」。…で、「スマートでおしゃれやの

 に、着心地がええ。ものすごい楽や。

 こら、お年寄りの体をよう分かってる人

 がこさえてはんねやろ」言うて、見抜く

 人もいはったんですよ。…で、「またこ

 んなんこさえたら絶対持ってきてや」っ

 て何べんも僕言われたんです。

糸子) ふ~ん、ウフフフッ。そらせやろ。

 うちがデザインしたんや。

 そんじょそこらの適当なばあちゃん

 向け商品とちゃうで。

譲) そんで僕、そないええもんなん

 やったら、もっと広く商売でけんち

 ゃうかな思て、ほんでこの高山君

 に話し持ち掛けたんですよ。

 こいつの会社はその専門やさかい。

守) いや~実はね、うちの会社でも、

 シルバー向けの商品の開発って、

 前々から課題だったんですよ。

 だから、すぐにサンプルをお借りして、

 営業に回らせてもらったんですけど、

 残りの半分もすぐ売れちゃって。

 結局、またあの生地を輸入して、

 増産する事になったんですよ。

糸子) へえ~。

守) でもほんとに思いましたね。

 お客さんはものすごく欲しがってるん

 ですよ。先生が作られるような服を。

譲) そんで僕らでな、

 「こらもう是非!」言うてな。

栄之助) 「先生のブランドをこさえる

 べきや!」ちゅうてなあ?

守) 盛り上がったんですよ!

譲) ハハハ、盛り上がったよな。

糸子) ハハハ…何やそれ?

譲) やりましょうよ先生!

糸子) 何やあんたら。

 人の事に首突っ込んでんと、

 自分の店、繁盛させんかいな。

譲) そら僕らかてこれちゃっかり絡んで

 商売させてもらうつもりですよ、先生。

栄之助) 生地やと、呉服屋ですから。

 僕らこれでも。

糸子) ふ~ん…。

譲) いや、去年ね、おふくろが死んでから、

 恥ずかしながらようやっと僕もこう、本気

 で頑張っていかなあかんなあ思い始めま

 してね。せやさかい、こないだから、こい

 つの横くっついて、先生の話も聞かせて

 もろちゃったんです。何て言うか、生地屋

 も勉強して、新しい商売を見つけていか

 なあかんなあ思いまして。やっぱし、

 「攻撃は最大の防御」ですからね。

糸子) うん? 何やて?

譲) え?

糸子) 攻撃は…何?

譲) ああ…

 え~っと、攻撃する事は、一番の守り

 になるっていう、そういう事です。

糸子) あ~おもろい事言うな。

譲) アハハ。

 いや、僕考えたんちゃいますけど。

栄之助) どうでしょう? 先生。

糸子) う~ん…。

守) どうか前向きにご検討

 頂けないでしょうか?

糸子) う~ん…。

 やっぱし…あれやな。うなぎとろか?

 里香! あんな、うなぎとっちゃって。

 特上4人前。

譲) 特上!

里香) はい。

糸子) まあ…話はよう分かった。

 しっかりした、ええ考えやと思う。

 筋もよう通ってる。

 あんたらが、うちが思てたほど、

 アホちゃうちゅう事もよう分かった。

 けど…。

譲・栄之助) はい。

糸子) これはもう、申し訳ないけど、

 こっちの話でな。うちはやっぱし、オー

 ダーメード職人なんや。うちが、洋裁屋

 の看板上げたんが、50年前や。そのう

 ち10年は、戦争で、自由に洋服を作ら

 せてもらえへんかった。やっと戦争終

 わったら、今度は世の中に、既製服が

 どんどん出回り出して、オーダーメード

 はそっからずっと、斜陽産業ちゅうやっ

 ちゃ。いつやめるか。やめて、既製服

 に転向するか。そら、何回も話はあっ

 たし、そのたんびに考えさせられた。

 けどまあ、ある時決めたんや。うちは、

 一生、オーダーメードだけでやってい

 くちゅう。

譲) 何でですか?

糸子) うん?

譲) 何でそない決めたんですか?

糸子) 意地やな。

譲) 意地?

糸子) 最後の一人になったかて、

 うちは、オーダーメード職人として

 意地見せ続けちゃるって。

 ま、そない思ったんや。

守) え~?

糸子) 何や?

守) 見せなくていいんじゃないですか、

 意地なんか。

糸子) ああ!?

譲) そうですよ。そんなん先生見せてる

 つもりでも、誰も見てませんて。なあ。

守) 見てませんね、全く。

栄之助) ほんなもん、

 ちゃっちゃと捨ててしもて、僕らと、

 新しいブランドこさえましょ。

糸子) お…お前ら…。うちの、

 この50年の意地、分かれへんけ!?

栄之助・譲) 分かりません。

守) 分かりません全く。

糸子) 里香!

 さっきのうなぎ、キャンセルや!

里香) は?

糸子) こいつらに、

 うなぎなんぞ食わさんでええ!

譲) いやいやいや、頂きますよ。

栄之助) せっかくですからね。

糸子) あかん! お前らみたいな

 アホに、食わすうなぎなんぞない!

 

**********

 

<数十分後>

(2人前のうなぎを3人で食べる譲たち)

譲) うんま~。

守) うまいな~これ。

栄之助) おいしいわ。ほんま名店ですね。

 近所にあるんですか?

糸子) しゃべらんと、はよ食べてはよ帰り。

(3人に背を向け、リビングで

 食べている糸子と里香)

 

**********

 

譲) ごちそうさまでした。

守) うまかったです。

栄之助) ほんまありがとうございます。

帰り。はよ! はよ帰らな…。

譲) はいはいはい…。

糸子) うちはやらへんよってな。

 あんたらほんまにもう、来たあかんで!

3人) 失礼しました~!

(立ち去る3人)

栄之助) けど先生、万が一

 気が変わらはったら…。

糸子) 変わらん! 

 「絶対変わらへん」ちゅうてるやろ!

栄之助) はいはい…。

糸子) えい! あ~ほんまにもう!

 このごろの若い男は、ヌルヌル

 ヌルヌルしよってからにもう。

 どないも、とどめっちゅうもんが

 刺されへんでかなわんもう!

孝枝) ただいま。ウフフフフ…。

 はい先生。

糸子) 何や?

孝枝) そこで坊ちゃんらから

 預かりましたわ。アハハ…。

(封筒を受け取り、中を見る糸子)

(赤いハートのカードに「でも、信じ

 てます(ハート)」のメッセージ)

糸子) き~っ!

(カードをゴミ箱に捨てる糸子

孝枝) アハハハハハ…。

 

**********

 

<夜>

(店でミシンを使う糸子)

 

ほんでも。

 

(栄之助にデザインした

 スーツを作る糸子)

 

**********

 

<翌朝>

(スーツをショーウィンドウに飾り、

 微笑む糸子)

 

うちのデザインが、

外でそんなけ通用したちゅう事。

若い子ぉらが、あない熱心に

商売に誘ってくれた事。

 

(ゴミ箱をあさり、捨てたハートの

 カードを拾う糸子)

 

じんわりとうれして…。

 

(店でデザイン画を描く糸子)

 

気持ちにも、

張りが出るっちゅうもんです。

 

孝枝) 先生、お客さんです。

 お願いします。

糸子) いらっしゃい。

客) こんにちは。

糸子) こんにちは。

 

**********

 

電・直子) えっ、

 18万のスーツが95着!?

電・糸子) そうらしいわ。

電・直子) はあ~すごいな、そら確かに。

電・糸子) せやろ。

電・直子) へえ~。

 やっぱしシルバー世代て穴場なんやな。

 うちもやろうかな、シルバー向け。

電・糸子) アホか。

 あんたがにわか仕込みでやったかて、

 うちみたいにいかへんで。

電・直子) そらそやな。うち50代以上の

 体型なんか何も分からんわ。

電・糸子) せやろ? 悪いけど、

 うちは知り尽くしてんや。年寄りの

 服の着せ方、見せ方、売り方。

電・直子) なるほどな。オハライトコで、

 シルバー向けのブランドぶち上げる。

 そら、そのアホぼんらも目ぇの付けど

 ころはごっついええけどなあ。

 せやけどお母ちゃん、やめときや。

電・糸子) うん?

電・直子) プレタちゅうんは、ほんまの

 ほんまに大変な仕事やさかい、お母

 ちゃんの年では無理やで。

電・糸子) 分かってるわ!

 別に、あんたに言われんかて、はなから

 プレタなんてやる気ないわ。うちは、

 オーダーメードの職人やさかいな。

電・直子) ほんならええけど。

電・糸子) こんなアホ言うてきた子が

 おったちゅう、それだけの話や。

 

**********

 

<夜・リビング>

糸子) ごちそうさん。

 後片付けしといてな。

里香) えっ、今日おばあちゃんじゃん。

糸子) うちは今日は、

 いつもよりくたびれてるやろ?

 見て分からへんか?

里香) 分かるけど…。

糸子) あんたも若いんやさかい、

 たまには、「うちが代わるで」

 くらい言わんかいな!

 さあ! 風呂入ろ。

 

**********

 

は~難しなあ。

年寄りちゅうんは。

ほんまは、年寄りかて、

機嫌ようしてたい。

せやけど、体が、それを許さん。

痛い膝。痛い腰。

 

(手すりにつかまり、

 階段をあがる糸子)

糸子) 重たい体やなあ…。

 ああ~っ!

(足を滑らせる糸子)

(階段から落ちる音)

里香) おばあちゃん!? おばあちゃん!

 おばあちゃん! 

 おばあちゃん、どうしたの!?

糸子) ああ…うう…。

里香) おばあちゃん、おばあちゃん、

 大丈夫!? おばあちゃん!

 救急車呼んでくるね。

 

**********
 

何だかんだ言って、求められるのは、必要と

されるのは…いくつになってもうれしいもの。

気持ちは若い頃のままでも、体は確実に年

を取っていて、思うように動かないのも現実。

70代の糸子の姿にはホント身につまされる。

 

でも、本当に年を取ってからのおしゃれは難

しい。それは、今でもそうだと思う。気持ちと

実年齢との折り合いがつきにくくて、理想と

現実の間で何を着ていいのか分からなくなっ

ているシニア層の人がたくさんいるような…。

自分をどう見せたいかも分からなかったり。

 

 

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