「スカーレット」第135回~生きるで。もっともっと生かしたる | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「スカーレット」 第135
第23週 「揺るぎない強さ」
生きるで。もっともっ生かしたる

 

 

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<アパート>

武志) ふう…。

(部屋に入る武志)

武志) ただいま。

喜美子) あっ、お帰り。

(ゲームの機械をいじっている喜美子)

武志) 何してんの。

喜美子) これゲームやろ。

 お母ちゃん知ってんで。

 最近な、陶芸教室始めて、

 知ってること増えてきたんや。

 これな、いっぺんやってみたかったんや。

武志) テレビないとできひんよ。

 

**********

 

喜美子) 武志はどうなん。

武志) 何が。

喜美子) 次世代展。

 亜鉛結晶、うまくいったんやろ。

武志) 大皿にな、雪を降らせてん。

 あの瞬間がゴールやった。

喜美子) 出来上がった瞬間が?

武志) まあ、入選するしないは、

 おまけみたいなもんやな。

喜美子) 武志は、賞取って世の中に出たい

 とか、そういう気持ちはないの?

武志) いや、まだ早いやろ。

喜美子) お父ちゃんが新人賞取ったんは、

 武志が生まれる前やで。

武志) ああ、あの、この前割った赤い皿やろ?

喜美子) うん。

武志) 知ってる。今の俺の年や言うてたな。

喜美子) 新人賞取って、結婚許してもろたんや。

武志) お母ちゃんも手伝ったんのやろ。

喜美子) ううん、隣におっただけや。

武志) おらんかったら出来ひんかった。

 ちゃう? お父ちゃんの作品は、

 お母ちゃんがおったから出来たんや。

喜美子) ハハ…ようそんなこと言えるな。

武志) 言えるようになったんや。

 まあ、大人になったいうことやな。

 お母ちゃんは、お父ちゃんと違て、

 一人で穴窯をやり遂げた。

 お父ちゃんおらんでも、作品は出来たんや。

 お母ちゃんも聞いたことあるやろ。

 お母ちゃんが陶芸家になって…

 お父ちゃんは、負けて、信楽から去ってった…。

 逃げた言う人もおるわ。ひょっとしたら俺かて、

 竜也みたいにグレてたかも分からん。

 信楽から京都の大学行ったんは、

 ちょうどよかったんや。いろんな人に会うた。

 似たような境遇の人もおったで。

 有名な抽象画家の息子さんや、

 服のデザインしてる有名な女性の娘さん。

 ほかにも、親が離婚したいう人も、

 何人もおったな。世界広がった。

 信楽を離れて4年間…お父ちゃんと

 お母ちゃんのこと、よう考えた、よう思た。

 戻ってきてからも考えた。

 今な、2人が普通に会えるようになって、

 よかった思てんねん。新しい関係、万々歳や。

喜美子) 武志のおかげや。

武志) ううん、時間のおかげや。お父ちゃん

 とお母ちゃんは、離れてお互いを見つめる、

 距離と、時間が必要やったんや。どうしても、

 別々に生きていかなあかん時間が必要や

 った。うわっ! 大人んなったなあ、ハハハッ。

喜美子) ちゃう。

 もの作りの道を歩き始めたからや。

武志) えっ?

喜美子) 武志は歩いてるんやな、

 もの作りの道を。

武志) な、たこ焼き食べる?

喜美子) うん、食べようかな。

 

**********

 

(たこ焼きを作る武志)

武志) 俺な、別に焦ってないねん。

 陶芸家として認められて、食べていけ

 るようになるんは、5年…いや10年…

 30なってからでもええ思てる。

 フカ先生の教えや。近道はせえへん。

 あっ、今年の目標2個目、出来たやん。

 ゆっくり生きていく。どや?

 ええよぉ言うてくれへんの。

喜美子) はよ作って。

武志) おう…。

(鉄板に流し込んだ生地の上に

 刻みネギを散らす武志)

 

**********

 

(台所で洗い物をする喜美子)

(テーブルの上をふきんで拭く武志)

喜美子) 意外ときれいにしてるんやな。

武志) うん。

喜美子) お茶でええ?

武志) あ~お茶ないわ。

喜美子) あっ、ほなコーヒーにしよか。

武志) ああええよ、俺やったる。

 座ってて。俺の部屋やし。

喜美子) ありがとう。

武志) なあ。

喜美子) うん?

武志) 何で来たん。

 何かあったから来たんのやろ。

 言いたいことあったんちゃうん。

喜美子) 病院行ったらしいな。

 名前呼ぼう思うたら、

 帰ってしもうた言うてた。

 大崎先生な、心配してわざわざ

 うちに来てくれたんよ。

 ほっとけへんいうてな。

 担当の先生がええ先生でよかった。

 長いつきあいになるやろうしな。

武志) 長いつきあいになるって…

 どういうこと。

 お母ちゃんに聞いてええ?

喜美子) お母ちゃんに聞かんで、

 誰に聞くんや。

武志) もっかい、病院に行って、

 大崎先生に…。

喜美子) ここ座り。

武志) うん。

(部屋で向かいあう2人)

喜美子) 武志。

 お母ちゃんが武志のこと

 どう思てるか知ってる?

 

(回想)

武志) 知ってる。好きや。

喜美子) 好きちゃうわ、大好きや。

武志) おう!

喜美子) お母ちゃんはな、

 武志のこと大好きやで。

 そのことを、ここに置いてよう聞きぃ。

武志) おう!

 

(武志の目を見る喜美子)

喜美子) 武志の病名はな…白血病や。

(やかんのお湯が沸く音)

武志) あ…。

(台所へ行き、コンロの火を止める武志)

武志) そうかぁ…。

 そうやないかなぁ思てたんや。

 ちょっとな、調べてん、新聞とか見て。

 やっぱりそやったか。ほい。

(コーヒーを置く)

武志) あとどんだけ…

 あと何年…生きられるん。

 俺の場合、どうなっていくん?

 いつまで元気でいられるん。

 先生、何て言うてた?

喜美子) 3年から5年や言うてた。

武志) それが…俺の余命か…。

喜美子) そや。

(コーヒーを飲む武志)

武志) あ…お母ちゃん、

 ほんまに免許取るん?

 今年の目標100個言うてたな。

 俺まだ2個しかないわ。

 大変な道を行く。あと、ゆっくり生きてく。

 あ…ゆっくりしてられへんやん。

 3年から5年いうんやったら、

 ゆっくりしてる間に終わってしまうわ。

 今年の目標100個、

 もっかい考え直さなな。ヘヘッ。

喜美子) なにが3年から5年や。

 生きるで。もっともっと生かしたる。

 それを言いに来たんや。

(武志の顔を両手で包む喜美子)

喜美子) 死なさへん。

 絶対死なさへんからな。

 お母ちゃんが生かしたる。なっ。

武志) (涙)

 

**********

 

<病院>

(武志と喜美子が来る)

 

**********

 

<診察室>

武志) これからは、俺にも言うて下さい。

大崎) じゃあ、

 改めてよろしくお願いしますかな。

武志) はい!

(大崎と握手をする武志)

武志) よろしくお願いします。

大崎) はい。

(横で微笑む喜美子)

大崎) 今の、飲み薬の量では、

 効果が不十分なので、少し入院して、

 抗がん剤の量を増やしたいんだけど、

 どうかな。

喜美子) はい。

 

**********

 

一週間後に入院することが決まりました。

 

<かわはら工房>

武志) 悪いな、お父ちゃん。

八郎) うん? 何やいきなり。

 何かあったんか?

武志) 何もないで。

喜美子) 思い立っただけやなあ。

八郎) もう電話でいきなり、

 葉書持ってきてぇ言われてみぃ。

 また何かあったんかなと思うやんかそれ。

喜美子) 何かあると思うん。

武志) そら思うよ葉書やで?

喜美子) 何で?

八郎) 何でて…。

喜美子) 葉書やん。ただの…。

八郎) ほやから…。

武志) なあなあ見せて見せて…。

 おっほほっ、これやこれ。ええなあ。

 亜鉛結晶の次はな、これにしよう思うねん。

八郎) えっ。

武志) この色、このイメージに

 俺は挑戦すんねん。

八郎) ほんまどないしたん。

武志) 無性にやりたいんや。

 一生懸命挑戦したい。

喜美子) お父ちゃんができへんかった

 もんを武志にできるんやろか。

八郎) いや~難しいでえ。

喜美子) 弱音吐くんちゃうか?

武志) そんな根性なしちゃうわ!

 やると決めたらやる。

 次の夢や。これが、俺の夢や。

八郎) あっ…?

(庭に飛び出し、葉書を掲げる武志)

武志) やったるでえ~!

(武志を見て笑う八郎と喜美子)

 

**********
 

武志は喜美子の子どもなんだな。喜美子と同じ
ように、1人でず~っと考え続けて、自分なりに
理解し、納得する。深く考えるタイプなんだなぁ。
そこに八郎の優しさ繊細さも加わって難儀だ…。

 

お父ちゃんとお母ちゃんは、

離れてお互いを見つめる、
距離と、時間が必要やったんや。

どうしても、別々に生きていかな

あかん時間が必要やった。

 

きっかけも理由もそれぞれに思い当たることは

あるだろうけど、結局はそういうことなのかもね。

どんなに仲が良くても、一緒にいればいいって

ものでもなくて、ちょっと離れてみるだけでも関

係が劇的に改善されることはよくあることで…。

連続した時間の中では気付けない問題点が見

えてきたり、よりよい時間を作るための気付き

があったりするんだよね。離れて客観しすると。

 

武志。
お母ちゃんが武志のこと
どう思てるか知ってる?

 

あなたのことが大好きだってことを胸において

話を聞いてほしいっていうの、ホント好きだ~。

もともとは、八郎が喜美子に言ったことだよね。

お互いに好きだって、分かっていればいいって。

なにが3年から5年や。
生きるで。もっともっと生かしたる。
それを言いに来たんや。

死なさへん。
絶対死なさへんからな。
お母ちゃんが生かしたる。なっ。

 

ああ、まさにこれが、お母ちゃんという生き物の、

力強い宣言。理屈も根拠も関係ないし要らない。

考えて、考えて、死なせへんと決意した喜美子。

これが喜美子。喜美子の言葉に武志がどれだ

け救われたか、安心したか。理屈じゃないよね。

 

八郎への告知問題への感想は人それぞれだけ

ど、タイミングは喜美子の、武志の、それぞれで

いいと思う。八郎の立場になれば、早く言ってほ

しいと思うけれど…。一番近くにいる人の覚悟が

決まる時間も必要だと思うから…外野がやいや

い言うのは違うかな~とは思う。とりあえずほっ

ておいてほしい人、とにかくそばにいてほしい人、

本当にみんな人それぞれだから…難しいよねぇ。

病気を知ってほしい人もいれば知られたくない人

もいるし、何が正解かは、本当に人それぞれ…。

 

そんな根性なしちゃうわ!
やると決めたらやる。
次の夢や。これが、俺の夢や。

 

喜美子の息子だもの。やると決めたらやれる子。

近道よりも、大変な道の方を選べる子。大丈夫。

武志は絶対生きるで! もっともっと生かしたる! 

 

 

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