「おちょやん」第104回~ただおってくれるだけでええ。それで十分や | 日々のダダ漏れ

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「おちょやん」 第104
第21週 「竹井千代と申します」
ただおってくれるだけでええ。それで十分や

 

 

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当郎) お邪魔しましたな。

千代) 言うときますけど、

 何べん来てもろても、

 うちの返事はおんなじだす。

当郎) もう来えへんで。僕もやらな

 あかんことようけありますね。この

 ラジオドラマ、絶対に成功さしたい

 んですわ。

 

(回想)

千代) ただいま。

当郎) お帰り。

 

(回想)

当郎) 春子ちゃんも聴きたいやろ、

 千代おばちゃんのラジオドラマ。

春子) うん、聴きたい。

当郎) よっしゃ、決まりや!

千代) 決まりやおまへん。

 勝手に決めんといとくなはれ。

 うちはもう二度と、お芝居はせえ

 へんて決めたんだす。

 

当郎) あとは千代ちゃんが

 決めはることや。おおきにな。

 今日はほんまに楽しかったですわ。

(満腹のおなかを撫でながら

 去って行く当郎)

 

**********

 

<夜の京都>

(路地を行く当郎)

(通り過ぎた屋台を振り返る)

当郎) 先生何してはりますのや

 こないなとこで。

長澤) 関東煮(かんとだき)

 食べてんのやがな。

当郎) いやそら見たら分かりますがな。

 あっ、ひょっとして先生も、竹井千代に

 会いに? 何や、遠慮せんと顔出して

 くれはったらよかったのに。何やったら

 今からもっぺん・・・。あっ・・・あかんわ。

 僕もう来えへんて言うてしもたわ。

 舌の根も乾かんうちに・・・まあええか。

 行きまひょ先生。

長澤) その必要はあらへんな。

当郎) 頑固やなあ。慰問団にいてた

 時といっこも変わってへん。

長澤) 君の言うとおりや。

 彼女はええもん持ってる。

 せやけどな、どないにええ役者でも、

 本人にやる気があれへんのやったら

 それまでや。誰かに無理強いされて、

 迷いながらやったところでええ芝居

 できるはずない。戦争中の私らが、

 そやったようにな。

当郎) せやなあ。

 あないな思いは、もう二度としたない。

 せやからこそ、僕は彼女のこと、

 諦めたないんです。大将。

大将) はい。

当郎) 冷や一杯。

大将) はい。

当郎) あと、大根と・・・ごぼ天もいっと

 こか。うん、食べたばっかりやけどな。

 

**********

 

ラジオ) 「こんばんは、『音楽のゆうべ』の

 時間です。今宵お送りするのは、ショパ

 ン作曲による楽曲の数々です。まずは

 『夜想曲 ノクターン第2番』をお聴きくだ

 さい」。

(ラジオをかけた部屋で、

 タンスの引き出しを開ける千代)

♪(「夜想曲 ノクターン第2番」)

(引き出しの中には両親の写真の他に

 百合子にもらった「人形の家」の台本)

 

(回想)

(なりゆきで途中出演した初舞台)

(映画の撮影)

(新喜劇の初公演「手違い噺」の大成功)

(舞台で経験した初めての口づけ)

(一平と共演した最後の舞台)

 

春子) 千代おばちゃん。

千代) うん?

春子) 花車当郎さんて、

 こないな字で合うてる?

(ちゃぶ台に原稿用紙を広げた春子)

千代) 昨日のこと書く気やの?

春子) うん。けど私、作文嫌いやねん。

千代) 何で?

春子) みんなの前で読まなあかんね

 んで。私、そういうの苦手やねん。

 緊張して、絶対うまいこと読まれへん。

千代) 前に仲よしのお友達が

 いてるて言うてたやろ。

春子) ユキちゃんや。

 あとチカちゃんもいてる。

千代) うん。もし失敗してもな、中には

 笑う子もいてるかも分かれへんけど、

 そのお友達らはきっと、春ちゃんの

 こと応援してくれてるはずだす。うち

 もそやった。みんなが助けてくれた。

 せやさかいだんない。あとはう~ん

 と大きい声出して読んだら、恥ずか

 しいのなんて吹き飛んでしまうわ。

春子) ほんまに?

千代) うん。

春子) なあ、千代おばちゃんは、

 もうお芝居やれへんの?

(奥の部屋で聞いている栗子)

千代) そうや、もうやれへん。

春子) 何で?

 見たかったなあ、

 千代おばちゃんのお芝居。

 

**********

 

<夜>

栗子) あないなこと言うて、堪忍やで。

千代) 春ちゃんは何も悪いことあれし

 まへん。みんなうちの問題だす。

(栗子に酌をする千代)

栗子) あんたが来てくれてから、

 あの子もえらい明るなったわ。

 ほんまやったら、あての顔なんか

 見とうもあれへんかったやろに・・・。

 ここ残ってくれて、おおきにな。

(酒を飲む栗子)

千代) うちは何もしてしまへん。

 お芝居辞めてしもたうちにでける

 ことなんて何一つあれへん・・・。

 ただ生きて、ここいてるだけだす。

(酒を飲む千代)

栗子) さくらが・・・。

 娘夫婦が亡うなった時、

 あても後、追おて思たんや。

 けど・・・春子がおったおかげで、

 思いとどまった。

 ただおってくれるだけでええ。

 それで十分や。芝居してへん

 かっても、あんたは、あんたや。

 おおきにな。

千代) こっちこそおおきに。

 栗子さん体に障りますさかい、

 はよ休んどくれやす。

(奥の部屋へ行く栗子)

(一人考える千代)

 

**********

 

子供) けんけんぱ。けんけんぱ。

(買い物かごを手に、

 ぼんやり歩いている千代)

子供) けんけんぱ。けんけんぱ。

(路地で遊ぶ子供たち)

千代) こんにちは。

子供たち) こんにちは。

千代) こんにちは。

(角を曲がると家の前に長澤がいる)

長澤) 竹井千代さん?

千代) はい。

 

**********

 

<家の中>

長澤) すいません、

 待ち伏せするようなまねして・・・。

千代) いや・・・まさか脚本家の先生に

 おいでいただけるやなんて・・・。

 せやけど、うちはもう・・・。

長澤) 分かってます。もう、役者やる

 つもりは、あらへんのですわな。

千代) はい。せやったら何で?

長澤) 後悔せえへんためにです。当郎

 からはさんざんあなたのこと聞いてき

 ましたけど、それ以上に、道頓堀で聞

 いたあなたのことが、どないしても気

 になってしまいましてね。

千代) 道頓堀にお行きになり

 はりましたんだすか?

 みんなに会いはったんだすか?

長澤) あなたのこと、心配してはりま

 した。・・・と同時に、あなたのことを

 信じているて。いつかまた、役者と

 して、道頓堀に帰ってくるて。ほんま

 のこと言うと、僕はずっと、このラジ

 オドラマは別の女優がやった方がえ

 えと思てました。せやけど昨日、当

 郎と、あなたのやり取りを、表で聞い

 てしもて。あなたたちの笑い声が、

 まるでラジオドラマのように聞こえて

 きて、しばらくその場を離れることが

 でけへんかった。あれこそ、私たち

 が目指すものなんやて、そう確信し

 ました。戦争で失われてしもた家族

 の団らんを、もういっぺんこの国に

 取り戻したいんです。家族を亡くして

 しもたたくさんの子供たちに、生きて

 さえいれば、人生、おもろいことが起

 きるんやて、諦めたらあかんのやて、

 教えてやりたい。力を貸してください、

 竹井さん。

(頭を下げる長澤)

千代) 申し訳あれしまへん。

(頭を下げる千代)

千代) うちには無理だす。

 怖いんだす。つらいこと思い

 出してしまいそうで・・・。

 どうか、堪忍しとくれやす。

(もう一度頭を下げる千代)

長澤) 分かりました。私の方こそ、

 勝手なこと言うて、あなたを、

 傷つけてしもたみたいやな。

(立ち上がり、帰り支度をする長澤)

長澤) 竹井さん。お芝居はもう、つらい

 思い出でしかあれへんのですか?

 やとしたら・・・残念です。

(一礼し、出ていく長澤)

(一点を見つめる千代)

 

**********

 

栗子さんがテルヲから逃げてくれてよかった。

もし一緒にいたら、妹のさくらも千代と同じよ

うに、もしかしたらもっとひどい所へ行かされ

てしまっていたかもしれないよね。逃げ切れ

て、よかったよかった。つくづくテルヲは最凶

の男だった。人当たりの良さや、無駄に愛嬌

があるのが、悪人顔の人よりずっと恐ろしい。

 

ただおってくれるだけでええ。
それで十分や。

芝居してへんかっても、

あんたは、あんたや。

おおきにな。

 

栗子さんも、生き延びてくれてありがとうだよ。

どん底で、人を恨み続ける人生だってありえ

たからね。千代に、こう言ってあげられる人生

を送ってきてくれてありがとう。千代がずっと

憎み続ける人生にならずに済んで、よかった。

血の繋がった姪っ子に、会えてよかったよ~。

 

お芝居はもう、つらい思い出

でしかあれへんのですか?
やとしたら・・・残念です。

 

一平のことは嫌いになっても、芝居のことは

嫌いにならないで~! 芝居はずっと千代の

核となっていたのに、一平ごときのためにそ

れを捨てるなんて、ホントもったいないから!

さて、材料はそろった。あともう一押しは、春

ちゃんの作文になるのかな? それとも花籠

の人が現れるのか。何にしろ、楽しみだ~♪

 

 

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