「舞いあがれ！」 第126回（最終回）
第26週「私たちの翼」
五島の空へ舞いあがれ！
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2027年。
空飛ぶクルマかささぎが、五島の
空を飛ぶ日がやって来ました。
玉本） 「玉本です。
本部いかがですか？」。
荒金） 「カメラの映像は良好。
現地の飛行条件ははどうですか？」
玉本） 「少し風が出てきましたが、
問題ありません」。
荒金） 「了解です」。
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＜本部・ABIKILUの作業場＞
御園） こちらです。
笠巻） すんませんな。
章） お邪魔します。
御園） お疲れさまです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜カフェ・ノーサイド＞
（設置された大きなモニター）
佳晴） もうちょい…そんなもん…。
梅津） はいはいはい。
佳晴） ちょっとグラグラしてんな、これ。
久留美） ただいま。
紗奈） おじいちゃ～ん！
佳晴） あ～！
ナイスタックルや！ よいしょ…。
おお…重なったなぁ。ハハハハハ。
道子） 紗奈ちゃんおいで。
佳晴） 嫌や。
ノット リリース ザ ボールや！
道子） 大きなったなぁ！
雪乃） 悠人君、パパの顔になったな。
梅津） うん。
玉本） 「西浦、モニターの準備ええか？」
西浦） オッケーです。
玉本） 「ほな画面切り替えるわな」。
西浦） どうぞ。
前方オッケー！
キャビンオッケー！
操縦席オッケー！
由良） ご無沙汰してます。
道子） ああ！
佳晴） ああいらっしゃい。
由良） 久しぶり。
渥美） お～！ やっと来た！
日下部） あっ、鶴田先輩！
佐伯） 渥美！
渥美） 冬子！ 佐伯！
佐伯） 久しぶりやなぁ。
鶴田） 太ったんちゃうか？
渥美） うるさいな。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜ノーサイド・表＞
倫子） ここ。
水島） 柏木大丈夫かな。
中澤） 大丈夫だろ。
吉田） またそんな…。
（笑い声）
倫子） あっ、柏木。
水島・中澤・吉田） おお！
倫子） こっちこっち！
水島） 柏木！
中澤） 柏木！
水島） 久しぶり！ 懐かしい！
いや～久々。
柏木） 水島変わんないね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
刈谷） そろそろ時間たい。
舞） はい。
（機内の準備を終え、外に出る舞）
舞） 行ってくるな。
貴司） 行ってらっしゃい。
島で待ってる。
舞） うん。行ってきます。
一同） 行ってらっしゃい。
めぐみ） よろしくお願いいたします。
玉本） はい。
祥子） 行ってきます。
一同） 行ってらっしゃい。
玉本） じゃあ行きますね。
祥子） はい。お願いいたします。
（車椅子ごと機内に入る祥子）
舞） かばんは、下に置いてください。
男性） はい。
舞） ありがとうございます。
ありがとうございます。
祥子） あっがとね。
舞） 締めるな。
祥子） はい。
（車椅子をベルトで固定する）
玉本） シートベルトを失礼します。
祥子） はい、お願いいたします。
玉本） お気を付けて。
舞） ありがとうございます。
刈谷） ハッチ閉めます。
舞） お願いします。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（操縦席に舞）
舞） Door lock ok.
Seat adjust. Seat belt fasten.
Battery state of charge enough.
System all in green….
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜カフェ・ノーサイド＞
舞） 「Ssfety sequence completed
and all in green…」。
（モニターを見ている、
柏木や由良たち）
舞） 「Clear」。
（モニターを見ている一同）
舞） 「Starting motors.
All motors in green.
All motors energize」。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
舞） Fukunaka tower,
This is JA18996M ready.
無線） 「JA18996M Cleared
for hover and take off」。
舞） JA18996M hover and take off.
（親指を立て、
外の刈谷に合図をする舞）
（親指を立てる刈谷）
舞） JA18996M
hover and take off。
（機体が垂直に浮き上がる）
（歓声）
（手を振る島の人々）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜カフェ・ノーサイド＞
（モニターを見つめる、ノーサイドに
集まったなにわバードマン）
（回想）
鶴田） 息合わせてひも離せ！
玉本） せ～の…。
（琵琶湖に飛び立つ、スワン号）
（回想）
刈谷） 今日のために、ここまで
生きてきたんだって思えたっちゃ。
全てを懸けられたことを誇りに思う。
スワン号を、お前に任してよかった。
（回想）
鶴田） 俺たちなにわ…。
一同） バードマン！
やった～！
（モニターを見つめる由良）
由良） 岩倉…自分最高やで！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（浮き上がった機内から、下を見る舞）
（手を振る人々に、
窓越しに手を振り返す祥子）
（浮いたまま、機体の向きを変える舞）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（見上げているめぐみ）
（回想）
舞） いくで。
久留美） うん。
舞） せ～の…。
わあ…。
（拍手）
（浩太の前で模型飛行機を
飛ばした、小学生の舞）
浩太） よう飛ぶなぁ。
めぐみ） 浩太さん…
舞が、空、飛んでるで。
IWAKURAの、ねじ、載せて…。
うん。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（モニターを見ている悠人）
悠人） おやじ、夢かなったな。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜ABIKILU＞
舞） 「こちらかささぎ。
ABIKILU、感明いかがですか？」。
風間） こちらABIKILU。
感明良好です。
岩倉さん、異常ありませんか？
舞） 「異常ありません」。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
舞） このまま直進し、大瀬崎で
進路を北に変えます。
（空を進む「かささぎ」）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
木戸） よし。島に戻っかね。
信吾・一太） およ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（モニターを見つめる柏木たち）
（回想）
大河内） 君たちを担当する、
大河内です。
柏木） よろしくお願いします。
（回想）
大河内） プロになれば、君たちは
また苦しむかもしれない。
だが答えは一つではない。
大切なのは、これからどう生きるかだ。
（回想）
舞） 全員合格するぞ！
一同） お～！
（モニターを見つける倫子の
目に涙があふれている）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（五島列島上空を進む「かささぎ」）
男性） 大瀬崎灯台ですね。
祥子） およ。
（灯台のそばを飛ぶ「かささぎ」）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜カフェ・ノーサイド＞
（モニターを見つめる久留美）
（回想）
舞） 貴司君！
（回想）
貴司） 僕もここ来たら、
変われるんちゃうかな、思てな…。
（モニターを見つめる雪乃と梅津）
雪乃） 舞ちゃんと久留美ちゃんが、
貴司見つけてくれた場所やな。
久留美） 貴司君が、
自分を見つけた場所です。
梅津） せやな。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（めぐみ丸に乗った、
貴司と歩とめぐみたち）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜カフェ・ノーサイド＞
（孫を抱いた佳晴）
佳晴） 見てみ。きれいやなぁ。
悠人） おばあちゃんと
ばんばのふるさとやで。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（機内の窓越しに、
五島の海を見ている祥子）
舞） ばんば、知嘉島やで！
祥子） およ！
（操縦桿を傾け、知嘉島上空へ
機体を進める舞）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
いつも見上げていた空を、
舞ちゃんは今、飛んでいます。
（島の公園で、ばらもん凧を
あげている子供たち）
（上空から眺める、舞と祥子）
祥子） 舞、ばらもん凧ば、
あげた時んこと覚えとっか？
（回想）
舞） 風が、ものすごい力で
引っ張ってきてな…。
けど、負けんとあげた。
祥子） 舞も、ばらもん凧ごたぁ、
どがん向かい風にも負けんと
たくましく生きるとぞ。
舞） うん。
（操縦席の舞を見つめる祥子）
祥子） 舞や…
向かい風に負けんかったね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
子供） みんな、見て見て！
飛行機飛行機！
子供） すごか～！
子供） ヤッホー！
一同） ヤッホー！
（「かささぎ」に手を振る子供たち）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
舞） こちらかささぎ。間もなく、
1つ目の目的地に、到着します。
（操縦桿を握り、
青空を見つめる笑顔の舞）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ついに最終回を迎えましたね～。まずは、
当日、リアルタイムでは見られなかった、
「舞いあがれ！感謝祭」をyoutubeで視聴。
朝ドラ「舞いあがれ！感謝祭」
脚本家さんのお話を聞いて、いろいろ腑に落ちた
ところで、最終回の感想を。本当に、オープニング
の映像に物語のすべてが描かれていたんだなあ
と。音楽を含めて、しみじみとよくできた物語だと。
なにわバードマン編で感じた懐かしさが、最後ま
でこのドラマの核として、私の心には響いていた。
幼なじみ、大学のサークル仲間、航空学校の同
期、これほど関わってきた人が、群像として丁寧
に描かれてきた朝ドラはなかったんじゃないのか
なあと。幼なじみや親友という濃密な関係性はな
くても、同じ時間を過ごした仲間という、特別すぎ
ず、でも個人的にはちょっと特別な関係というか。
ある時期のお互いをよく知る、同級生、同窓生み
たいな…ずっと会ってなくても、会えばその頃の
自分に即座に戻れるような…そんな関係の人た
ちが、舞を中心に存在しているのがね、よかった。
特になにわバードマンのみんなの関係性が、す
ごく良かった。あの時間をじっくり描いてくれたお
かげで、その後のつながりに説得力が生まれた。
プロになれば、君たちは
また苦しむかもしれない。
だが答えは一つではない。
大切なのは、これからどう生きるかだ。
大河内教官のこの言葉が、すべてだったなぁと。
答えは一つではない。道は一つではない。まっ
すぐな道もあれば、回り道、遠回りな、道もある。
失敗も間違いも、一つの過程でしかないし、最
終的に目的地にたどり着く方法は、無限に存在
するのだと思う。夢が叶う道のりも人それぞれ。
舞がパイロットを諦めたように見えた時、きっと
いつか…と思いつつも、ガッカリした気持ちにな
った時もある。けれども、終わってみれば、全て
はつながっていて、あの時思い描いた未来より、
ずっと素敵な未来が待っていた。舞の夢だけで
なく、父・浩太の夢も、一緒に叶える世界が待っ
ていた。いや～こっちの夢のほうが断然良き♪
何十年も続く営み、何千億ものネジたちは
世界中に旅立って、窓やドアや車や飛行
機や様々な部品たちをつなげては、そこ
にじっとうずくまっている。いつでも空の一
部なのに見えない星たちのように。人々の
人生の歩みをじっと見守っている。そんな
ネジたちの音に囲まれて育った妻が、今は
まるで妻がネジであるかのように、空飛ぶ
クルマの仲間たちをつなげていったのだ。
貴司が、「トビウオの記」に書いていた言葉が、
舞というヒロインを的確に表現していると思う。
出会いは必然。遠回りがもたらした出会いが、
つながりが、舞をよりよい未来へと導いていく。
答えは一つではない。今、できることを探して
いけばいい。心の掛け軸に、書いておこう…。
良きドラマでした。五島の風景が素晴らしかっ
た。いつか、あの景色を、見てみたいと思った。
最後まで完走できてよかった。ドラマを作って
くださった皆さんに、感謝したい気持ちです～。
遅れがちな感想に付き合ってくださった皆さん
にも、感謝感謝です。ありがとうございました！
＜お知らせ＞
次回作「らんまん」ですが、諸事情により、台詞
の書き起こしは難しいので、簡単な感想のみ、
という形にさせていただきます。とはいえ、もの
すごく自分好みの台詞が出てきたら、書き起こ
すこともあると思いますし、こればっかりは始ま
ってみないと分からないといいますか…（苦笑）
そして、私が朝ドラの台詞起こしを始めるきっか
けとなった、私の中で、朝ドラ不動の１位となる、
「あまちゃん」の再放送がBSで始まるということ
で、３回目のあまちゃん感想は確実に書きます。
下手したら、こちらがメインになってしまうかも。
ということで…来週からは、どういう形になるか、
しばらく模索が続くと思います。変わらずお付き
合い願えればうれしいです。答えは一つではな
いですから…。今、できることを、探してみます。
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