「らんまん」第127回~第26週「スエコザサ」 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

らんまん 第127回

第26週「スエコザサ」

 

 

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「日々のダダ漏れ」

 

 

(書棚に収まりきれない本が

 ぐるりと積み上げられた部屋)

(部屋の中央には、花瓶だけが

 入れられたガラスケース)

(「生かし箱」と呼ばれるケースは、

 草花の状態を保ちつつ、じっくり

 観察しながら、植物画を描くため

 のもの)

千鶴) 父の、日記なの。

(姿勢を正す紀子)

紀子) 槙野博士、初めまして。

(「大正12年」と書かれた

 表紙をめくる紀子)

 

**********

 

(万太郎の書斎で日記帳を広げ、

 帳面に、日付や地名を書き取る紀子)

千鶴) 紀子さん。

紀子) はい。

千鶴) お昼、いかが?

千鶴) はい。

 

**********

 

千鶴) どうぞ。

紀子) あ・・・おいしそう~!

 頂きます。

(親子丼を食べる紀子)

紀子) うん! う~ん!

千鶴) 簡単なものでごめんなさいね。

紀子) いいえ、ありがとうございます。

 もう・・・お昼を出していただけるだけで、

 どれだけありがたいか・・・。

千鶴) 分かるわ・・・。子供がいると、

 もう、毎朝、一苦労よね。

紀子) 千鶴さんも?

千鶴) ええ。うちはね、息子。

 もうとっくに所帯を持って、離れた

 とこに住んでるんだけどね。

紀子) そうなんですね。

千鶴) 私はね、結婚したんだけど、

 もうすぐに、出戻ってきちゃって。

 フフッ・・・。まあ、この家で、母と父を

 みとれたから、よかったんだけどね。

 フフッ。あっ、このおだし、母の味よ。

紀子) あ・・・とってもおいしいです。

 

**********

 

紀子) これからの計画なんですが、

 標本に手をつけるにあたってまずは、

 博士の行動を整理しようと思うんです。

 いつ、どこに、採集旅行に行かれたか。

千鶴) 父の標本と、ほかの人の標本を

 区別するためにも、必要よね。

紀子) はい。それから、地名の特定。

千鶴) 地名は・・・

 新聞の表書きにあったでしょ?

紀子) それが・・・例えば、さっき、「日光

 山(にっこうさん)って書かれた束があ

 ったんですけど、あれは一体、どこの山

 なんでしょうね?

千鶴) え? 日光山なら、

 日光の山でしょ? あの栃木の!

紀子) 私、前の職場で、講習会の

 お知らせを発送していたんですが、

 日光山って覚えがあって。確か、

 岩手と、山形にも同じ名前の山が

 あるんですよ。

千鶴) 本当に!?

紀子) はい。栃木の日光には男体山

 (なんたいさん)とかたくさん山がある

 んですよね。で逆に、「日光山」って

 そのものの名前の山はないんですよ。

千鶴) えっ!? やだ・・・

 ちょっとお父ちゃん、困るわ。

 えっ、どうしたらいいの?

紀子) でも、手がかりがあったんです。

 新聞です。博士は、その土地の新聞

 で標本を乾燥させていたんです。

 つまり、あの日光山は、山形だったん

 です。

千鶴) ああ! すごい紀子さん!

 名探偵、明智小五郎ね!

紀子) あ・・・明智!? いえもう・・・

 私なんて本当・・・あの、雑用の体験

 がちょっと役に立っただけで・・・。

千鶴) ああ・・・探偵さん。

 私が助手を務めるわ。うん。

 頭はまだボケてないから、

 何でも言って。

紀子) あ・・・え~っと・・・。

 ではとりあえず、博士の日記、

 それから、標本の新聞、日付、

 そこから・・・

 博士の行動録を作ろうと。

千鶴) 行動録?

 わあ、それっぽくなってきたわね。

紀子) 一人の人間の行動を追いか

 ける。これが、調査の基本ですから。

千鶴) あ・・・。

 あなたが来てくれてよかった。

 本当はね、一人っきり、

 途方に暮れてたのよ。

 お父ちゃんが亡くなって、

 一年もの間、何にもできなくて・・・。

 残されたものが、

 もうあまりに多すぎて・・・。

紀子) それはそうですよ。

 ご家族のことですもの。

千鶴) でもお父ちゃんは、これから先

 の人に活用してほしくて、標本も図鑑

 も、必死に作り上げたんだものね。

(箱入りの分厚い本を取り出す千鶴)

(「槙野 日本植物図鑑」と印字された

 固い表紙を開く)

紀子) 本当に・・・この一冊に、日本中

 の植物が載っているんですものね。

千鶴) お父ちゃん言ってたわ。

 日本が焼け野原になる前に、この

 図鑑が出せて、よかったって。

紀子) どうして、

 こんなことができたんですか?

 小学校中退で、理学博士になられて、

 こんな偉業を成し遂げられて。さぞ、

 偉大なお方だったんですよね。

千鶴) 偉大ねえ・・・。フフ・・・。

 あのね・・・ちっとも。もうそりゃあ、

 駄目なお父ちゃん!

 周りの人たちを振り回して・・・。

 今だって、こんなに振り回されてる

 でしょ?

(笑い声)

千鶴) でも、みんな、

 お父ちゃんが大好きだった。

 この一冊が出来たのも、全部、

 お母ちゃんと皆さんのおかげなの。

 当の本人は、ほら! フフフ・・・。

 これだもの! フフフフ・・・。

(草花の中で、満面の笑みの万太郎)

千鶴) お父ちゃんは、ただ一生涯、

 植物を愛しただけなの。フフッ・・・。

(万太郎の写真を胸に、
 縁側越しの庭を眺める千鶴)

千鶴) はあ・・・。

 

**********

 

昭和2年(1927)・夏

 

寿恵子) 万ちゃん。万ちゃん。

(虫眼鏡を手に、縁の下に

 頭を突っ込んだ万太郎)

寿恵子) 万ちゃん。

万太郎) うん? ああ!

 寿恵ちゃん、ああ・・・お帰り。ハハ。

 これは、かわいらしいお客様じゃのう。

 こんにちは。

子供たち) こんにちは!

寿恵子) こないだね、地主さんのところ

 で初めてラジオを聴いたんですって。

万太郎) うん。

寿恵子) そしたらちょうどあなたが

 出てた回だったそうで。

万太郎) そうか。それで、

 来てくれたがか。ありがとう。

子供) あの・・・

 本物の槙野先生ですか?

万太郎) フフッ・・・。どっちじゃと思う?

寿恵子) フッ・・・。

万太郎) フフッ。

 本物じゃ! アハハハッ!

子供) じゃあ、

 これが何だか分かりますか?

万太郎) おっ! これはまた、

 えいもん持っちゅうのう。

 ちゃんと、根っこから掘っちゅうがが、

 すばらしいき。

子供) ラジオで言ってました。

2人) 言ってました!

万太郎) アハ・・・。

 草花は、いつじゃち友達になれる。

 これは・・・ハシカガグサじゃのう。

子供たち) へえ~。

万太郎) うん。フフフ・・・。

子供) じゃあこれは?

万太郎) これ? おおっ、これは・・・。

 

**********

 

万太郎) こう。で、閉じる。

(縁側で、子供たちに標本の

 作り方を教える万太郎)

万太郎) そう。

 出来た。お~!

(拍手)

万太郎) ほんで、あとで、重いもん

 をこう、載っけて、水分を取る。

子供たち) へえ~。

(そばで、お茶をいれる寿恵子)

万太郎) そうすると・・・。

(急須が割れる音)

万太郎) どういた? 寿恵ちゃん! 

 大丈夫かえ?

寿恵子) ごめんなさい・・・。

万太郎) いやいやいや・・・

 わしがやる! 

 触らんで触らんで! 触らんで。

寿恵子) ごめんなさい・・・。

万太郎) うん、わしがやる。

寿恵子) ごめんね。

万太郎) いいいい。やけどは?

寿恵子) あ・・・あの、冷ましてたから。

万太郎) あ・・・そうかそうか。

 よし寿恵ちゃん、座っちょっててくれ。

 タライ持ってくるき。

 冷やした方がえいって。

 あ・・・みんな、すまん。

 今日は・・・のう。

 すまん。のう。

子供たち) はい。

万太郎) すまんのう。

 

**********

 

<台所>

千鶴) どうしたの? お父ちゃん。

万太郎) ん・・・お母ちゃんが、

 急須を、落としたがじゃ。

千鶴) また?

万太郎) うん。

 何か、ちっと・・・。

 近々、病院に連れていく。

 

**********

 

子供) さようなら!

子供たち) さようなら!

寿恵子) また来てね。

(縁側に座った寿恵子)

 

**********

 

(畑の道に、一台の車)

波多野) もうすぐ着くよ。

藤丸) 悪いね。

 帝国学士院、会員様に

 車出していただいて。

波多野) 万さん元気かな?

藤丸) うん・・・。

 いいところだね。

 

**********

 

<槙野家>

万太郎) あ・・・波多野、藤丸。

寿恵子 あ~ようこそ

 いらっしゃいました。

藤丸) 久しぶりだね、2人とも。

万太郎) ああ。どうぞ。

 

**********

 

寿恵子) どうぞ。

(麦茶を出す寿恵子)

万太郎) いつ出てきたがじゃ?

 竹雄とお姉ちゃんは、元気かえ?

藤丸) もちろん。沼津も大震災

 からやっと立て直せて。

 今年はちゃんと仕込めてる。

 醸造協会から、清酒酵母も

 分けてもらったしね。

万太郎) うん。

藤丸) きっと近々、お二人も

 ここに来るんじゃない?

万太郎) うん。

寿恵子) うん。

 それは楽しみですね。

万太郎) うん。

藤丸) で、俺は一人、遅ればせながら、

 波多野の祝いに上京しまして。

波多野) はあ・・・わざわざいいのに。

藤丸) どうせならみんなで

 宴会したいでしょ?

 はい。これ、沼津の名物!

寿恵子) えっ?

万太郎) おお・・・。

藤丸) 干物。とにかく干物!

 あとは・・・黒はんべ。

万太郎・寿恵子) 黒はんべ?

藤丸) 黒いはんぺん。地元の人たちが

 食べてるんだけどさ、アジやイワシを

 骨ごとすり身にして作るの。

 焼いても揚げてもうまいよ!

万太郎) へえ~。

寿恵子) あ~・・・

 ありがとうございます。

藤丸) フフッ。

寿恵子) じゃあ早速。あ・・・。

波多野) ごめんね。

 押しかけ宴会なんて。

寿恵子) 何言ってるんですか?

 大歓迎ですよ。

万太郎) うん。

 ほんなら、改めて。

 え~波多野、帝国学士院の、

 会員選任、おめでとうございます。

藤丸・寿恵子) おめでとうございます。

波多野) もういいのに・・・。

 ありがとう。

藤丸) ねえねえ、この大日本帝国で、

 最も優秀な頭脳60人に選ばれた

 感想は?

波多野) あ・・・。そんなことより、僕は

 万さんに用があって来たんだよ。

万太郎) うん?

波多野) ねえ万さん、

 理学博士にならない?

寿恵子) えっ?

万太郎) えっ?

 

**********

 

まさかこのまま主人公が出てこないなんて

ことはないはずだけど・・・と不安になって

きたところでようやく万太郎が登場。子供

の頃とまったく同じ構図で縁側にもぐって

いるのがね、本当に彼は変わらないのだ

と思わせてくれるのに十分な描写だった。

時は震災から4年後。寿恵ちゃんはちょっ

と具合が悪そうで、何だか不穏な感じ・・・。

 

そして万太郎の家を訪れたのは、老いた

藤丸と波多野コンビ。いや~なかなかい

い感じに年を取ってるじゃないかい。彼ら

が出てくると、ほっこりするというか、なん

とも優しい空気が流れるよね。好きだ~。

 

昨日今日と、既に万太郎と寿恵子がいな

い世界を見せられて、彼らがいなくなるこ

とに対してちょっと覚悟ができたというか、

生きて動いている彼らへの愛おしさが増

したというか、何とも不思議な気持ち・・・。

 

物語が先に未来に行ったことで、みんなが

老いている世界を受け止めやすくなったと

いうか・・・。見る側にも、リセットする時間が

必要だったんだなあと。演じる中の人が若

いので、こういう仕掛けもアリだなあと思う。

ちゃんと年を取ったように見えるから凄い。

役者の努力、心意気って、伝わるよね~。

(手を抜いたのも伝わるから、怖いのよw)

 

 

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