今朝、ようやく悲しみの感情が湧き出てきて
わんわん泣きました。

今日で亡くなって丁度1週間
姿を見送って5日目
今日迄、私は地面をふわふわ浮いた感じでいました。

ちょうど揺れる大型船に乗っている様な感覚。

寂しさも悲しさも感じる事なく何も湧き出ず、
頑張ってる訳でもないのだけれど
笑えるし、眠れるし、ご飯も普通に食べられた。

ただ、物凄く忘れやすい。
数字も数え間違える。

9人のお客様のお皿を8枚しか用意していなかったり、今日は8人のお客様に10枚のお皿を準備していた。

ジョジョと3歳ほどしか変わらない
アルバイトの女の子に毎回数を数えてもらって
料理を作り続けた。

味覚もある、嗅覚も頂いた献花に救われている。

座ってワインリストを見ていると
気持ちが混沌として
どこかに飛んで行ってしまうので

輸入会社のお友達のセレクトで
全て新しい私の知らないワインを送り込んでもらった。



心機一転するつもり

結局私は、ワインが支えで
仕事場に守られて
お客様からの色んなリクエストに応える事で正気でいられる。

お客様の愛犬にごはんを作り
お誕生日ケーキを作り
歌を歌い
笑う。





まかないをバイトさんに作って自分も食べる。

そんな時間が、私を立たせ続ける。



スキマ時間には、台本を覚えて演技の練習をする。
別の人格になりきる。



友達が覗きに来てくれる。

時計が進む。

そうやって、いつかどの記憶も
塵の様になり
砂の様になり
粉々になり

ここに可愛いらしい犬がいてくれた事も忘れてしまうものなのでしょうか。

なんてことない日の
なんてことない時間の
なんてことない事の
なんてことないあの仕草
あの黒い瞳

忘れたくないな。

涙が流れて来て良かった。
私は、普通の生身の人間だわ。