しつこくてすみません。でも何度でもやらせてもらいます。さて、自己責任論ですがこれが勢いを増したのはイラクの人質事件の前後からだと思います。何かこの自己責任論を「冬場にアイス食べてお腹を壊したのはそいつの自己責任」みたいな話と混同している人もいるようですが違います。
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新自由主義はキリスト教原理主義の強い影響下にある
http://ameblo.jp/ponkiti-2013/entry-11974958279.html
新自由主義者は限りなく小さな政府を志向します。規制をことごとく撤廃すれば市場原理によって世の中はうまくいく。かれらはこれを神の見えざる手と呼びます。そして規制緩和によって貧富の格差が拡大しても気にしません。何故ならそれは自己責任だからです。
自己責任論には幾つか隠されたメッセージがあります。
①思考停止せよ。
②現状追認せよ。
③責任は全て本人にある(政府や指導者に責任はない)
宗教家が信者を支配し、コントロールする際にも似たような言葉があります。それは神の思し召しです。
信者が叫びます。「教祖様!どうしてこんなに苦しい思いをしなければいけないんですか!」
教祖「それは神の思し召しです。」
こう言われたらどうでしょう。神の決めた事だから逆らえません(思考停止)。そうなるとつらい現実も我慢しなければなりません(現状追認)。神の決めた事だから教祖に責任はありません(指導者に責任はない)から黙って従うしかありません。忠実なしもべの一丁あがりです。
一方、自己責任論はというと
危険を承知で行ったんだから人質になっても自己責任。
女性が夜遅く道を歩いていたんだから暴漢に襲われても自己責任。
アベノミクスは凄い政策なんだから会社が倒産したのは経営者の能力が無い。はい自己責任。
自己責任だから他人がどうこう言うことはありません。思考停止でいいのです。また問題点の改善や修正も必要ありません。現状をただ受け入れればいいのです。ほったらかしでいいのです。そうすれば神の見えざる手がうまいことやってくれるそうです。また自己責任なんですから政府や支配者層を批判するなんてもってのほかです。思考停止して、現状追認して、黙って従えばいいのです。自己責任論とは支配者の論理なのです。
この考えはドンドン勢力を強めて悪化してきています。なぜなら自己責任論ってちょっと格好良いんですよね。ズバズバと一言で弱者を切り捨てていくのってなんだかとても強くて頭良さそうに見えます。しかもそれを思考停止状態で出来るんですから楽なものです。
めんどくさい人質交渉なんてしなくて自己責任。夜の街の治安を改善しなくても襲われたら自己責任。デフレ脱却しなくても失業したら自己責任。良いですね、問題がドンドン解決していきますね。しかも何もしなくて良いんですから楽チンです。えっ?自殺者が多い?本人が望んでやったんだから自己責任。中東に派遣された自衛隊に多数の死者がでた?しょうがないでしょ、それも自己責任。・・・こんな日本に誰がした。あっ、それも自己責任。
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