虹を架ける   
           大野洋平



私は虹を架ける魔法使い
雨上がりの空をキャンバスに
七色と大地の交わる場所に
ある宝の在り処を示す

私は虹を架ける魔法使い
雨上がりの街に繰り出して
誰かの宝物の在り処を教えにいく

街の片隅で君のことを見つけた時に
心のような青空に虹が架かった

恋の欠片を君へと投げた時描く放物線が
七色に光ったなら君は何を思うかな?
七色に今飛び乗って君のもとまで駆けながら
私は君に尋ねたいんだ
「君の宝物はなんですか?」

「虹の麓から来ました。君の宝物です」なんて
言えたら何か変わりそうな
言えたら楽しくなりそうな気がしてる

次の雨上がりに君のことを探しに行くんだ
二人の間を繋いだ虹を渡って

恋の欠片を君へと投げた時描く放物線が
七色に光ったなら君は何か気付くかな?
七色に今飛び乗った
君のもとまで駆けていた
私は君に伝えるんだこの想いを

愛の欠片を君へと投げた時描く放物線が
七色に光ったなら私はきっと魔法使い

なんてね

私は虹を架ける魔法使いに
なりたいただの意気地なし
「それでも構わない。」と
君が笑う日を待つ