ーーーStory within a storyーーー
絵美「由紀、あんたは誰狙いで行く?」
由紀「えっ!?何の話……?」
練習の合間、ベンチで休憩しながら小声で話し始める二人。
絵美「何のって…、何しに大学来たのよ……?」
由紀「何しにって……べ、勉強…??」
絵美「バカじゃないの!?
どこの大学生が勉強だけしに、大学行くのよっ!?」
由紀「バ、バカって……。
みんな勉強しに大学行くんじゃないの……?」
絵美「大学は!恋愛を楽しむために行くところよっ!!」
由紀「えええ~~~っ!?」
思わず由紀の絶叫が辺りに響く。
絵美「で……?由紀は誰に行く?」
もう一度声のトーンを落として絵美が仕切り直す……
由紀「誰って言われても………」
由紀はぐるりと各コートを見渡した。
絵美「……私は、祐二さんかな♪」
由紀「えぇっ!?だって、祐二さんっ、彼女いるよ!?」
驚いた由紀は、小声のまま声を荒げる。
絵美「知ってるよぉ。
最初は、陽平さんにしようと思ってたんだけどさぁ、、、
何かあのヒト素っ気なくて…。
ねぇ、由紀は陽平さんと知り合いだったんだよね?
あのヒト昔からあんな感じなの…?」
由紀「え……?」
素っ気ないと言われ、由紀の中の記憶にある陽平を思い出すと、
いつも優しく接してくれた記憶しかない……。
由紀「そんなことなかったと思うけど……。」
絵美「ふーん…。
顔はあんなに格好いいのに、彼女とかいないのかなぁ?」
由紀「さ、さぁ…。それは分かんないけど……。」
由紀は陽平に彼女がいるのか、何となく気になりながらも、
再会後ほとんど話をしていないことから、
今現在の陽平のことは、何一つ分からないでいた…。
絵美「やっぱり由紀は陽平さん狙い?」
由紀「えぇっ!?ち、違うわよ!」
由紀は自分の中に芽生え始めていた、小さな感情に気付きながらも、全力で否定した。
絵美「……そうなの?
じゃあ、やっぱり航太さんかっ♪」
由紀「え?航太さん……?」
絵美「だって、あんた逹メチャクチャお似合いよ?
…センパイ逹の間で噂されてるの、聞いたことない?」
由紀「えええええ~~っ!!!///」
そういった話に疎い由紀は、再び絶叫したーーー。
* * * * * * * * * *
「みんな~っ!今日はご存知の通り、村雨くんからの発案で、
我らがインラブファミリーでの親睦会を開催することになりましたー!
楽しんでいってねー!!
乾杯の音頭はわたくしっ、監督の増田でーす!
はい、グラス持ってー!行くよー?
かーんぱーーーいっっ!!!」
「「「かーんぱーーーいっ!!!」」」
「お疲れ様、キョーコちゃん。」
「お疲れ様です、社さん。」
キョーコの隣は社。
「それにしてもキョーコちゃん、
今回の役、ハマリ役だよねぇ!
役作り、ほとんど必要なかったんじゃない?(笑)」
「えへへ。そうなんですよね…。
まさか、こんなに素に近い役が来るなんて思いもしませんでした。」
キョーコは、ポリポリと頭を掻く。
「でも凄く可愛いよ。
キョーコちゃん自身の良いところがいっぱい出てて。」
ニコニコとビールを口にしながら話す社。
「そっ、そうでしょうか………。
素に近いってことで、主演としての華は全くないんじゃないかと、
心配しているのですが……。」
「そんなことないよ!
ゆるふわの髪に、ナチュラルなメイクが、
ホントに今どきの女子大生みたいに見えるし!
きっといい映画になるよ。」
「あ、ありがとうございます…///」
キョーコが社からの賛辞に照れていると、社の携帯が鳴ったーーー。
「あ、ごめんね、キョーコちゃん。」
席を外す社に、いいえと片手を上げるキョーコ。
主演でありながらも未成年ということで、
自ら末席に陣取っていたキョーコは、
盛り上がっているインラブファミリーを見渡した。
(お酒が飲めるのっていいなぁ…。
みんな楽しそう……。
ええと、敦賀さんは……、
あ、女優さん逹に囲まれてる………。)
お座敷の中心に座る蓮の周りは、
ありとあらゆる女優陣で覆われていた。
(はぁ~~……。)
盛り上がっている蓮たちを見て、
つい、ため息を漏らしてしまうキョーコ。
その時ーーー
「京子ちゃん、お疲れ様!」
先程まで社がいた席にやってきたのは……
⇒ Intertwined love (13) へ続く
うふふー ( ´艸`)
筆?指?が乗ってきた~♪
(私はスマホ内のメモ帳に入力してくタイプなので、指かなww)
もう二話先まで出来てますっ(*≧∀≦*)
けど、本誌発売まで小出しでいきますよー♪♪