ホントは、8月末くらいまで寝かせた方がいいネタかな?と思いながらも…
出来たらすぐにUPしたい性分(* ̄∇ ̄*)
ちと、まだ早いネタですが、よろしければどーぞ!












夏の終わりーーー



「あーもー、こんな時間っ!
  ほら、アンタもさっさと終わらせて帰るわよっ!」


「待って、モー子さぁん…
  あと少し……」



ーーーコンコン



「あれ?誰か来た………

  ーーーはぁい?」



ーーーカチャ



「俺だけど……、お邪魔してもいいかな?」


「あっ、つ、敦賀さんっ。お疲れ様です!
  どうぞっ///」


「ーーーまだ、仕事中?」


キョーコの手元の書類の束を見て、蓮が尋ねると、


「私は終わりましたので、お先に失礼します。」


サクッと頭を下げて、奏江はラブミー部の部室を出ていった。


「モー子さんっ………


  あっ、敦賀さん、すみません!
  今、お茶をお淹れしますねっ。」


ガタン、とキョーコが立ち上がると、


「あぁ、いいよ、最上さん。
  自分で淹れるよ。

  作業を続けてて…?」


優しい笑顔で蓮が答えた。


「あっ///

  すみません……ありがとうございます。」





*  *  *  *  *  *  *  *  *  *





黙々と作業を続けるキョーコ。

その様子をお茶を飲みながら優しく見つめる蓮。


「あっ、あの…、敦賀さん?
  今日はどうされたんですか…?
  この後のお仕事とかは………」


「ん?
  今日はもうお終い。

  後は、帰るだけだよ?」


「そ、そうですか……。」


(ん?じゃあどうしてここに……?)


その時ーーー


ドォォーーーンン…………


「ーーーえ?

  今の音……、花火?」


「…そうみたいだね。」


「見えるかなぁ……?」


カタン…と、キョーコは立ち上がり、
音のした方の窓へと近付く。


ドォォーーーンン…………


「あ~~~ん、音はするのに見えない……

  敦賀さんの背なら見えますか?ーーーきゃっ///」


勢いよく振り向いたキョーコは、自分の真後ろに来ていた蓮の気配に気づかず、鼻先を蓮の胸元にぶつけてしまった。


「すみませ……///」


鼻を擦りながら、窓へと向き直ると、
腰の高さの窓枠に、キョーコの身体を挟み込むように蓮の両手が置かれていた。


(やっ///近い……。それに……)


キョーコの身体に触れてはいないものの、抱き締められているような錯覚に陥るほどの密着感と緩い拘束に、キョーコは鼓動を速めた。


「うーん……、俺も見えないな……。

 残念だったね、最上さん。」


まだ鼻を押さえながらチラリと振り向いた腕の中の少女に、口惜しそうにしつつも優しく微笑む蓮。


「はぃ……、

  今年も花火大会には行けなかったなぁ・・・」


キョーコは、赤い顔を隠すために鼻を押さえたまま、また窓へと向き直る。


「ねぇ、最上さん?

  良かったら、俺の家で花火大会……しない?」


「えっ!?」


蓮の言葉に驚いて振り向くキョーコ。


「実はね、この間撮影したCMのスポンサーから、手持ち花火を貰ったんだけど…、
  一人でやる訳にもいかないし、と思って。」


「……え、でも……」


「打ち上げ花火じゃないのが申し訳ないけど………。

  もしよかったら……、今日の夕飯も、お願いしてもいいかな?」


「……!!   もちろんです!!」


蓮は、自身の腕の中でとびきり可愛い笑顔を見せた愛しい少女を、そのまま抱き締めてしまいたい衝動を抑えるのに必死であったーーー。




⇒ SS 二人だけの花火大会 (2) へ続く


web拍手 by FC2