当社本部オフィスは2階にあります。玄関は1階で、すぐに階段がある構造になっています。取引先などのお客様は全員この階段を使います。階段は20段くらいあり、その側面に「永久プレート」なるものを飾っております。

 

この永久プレートを特注のフレーム(大きな額)に入れる工事を行いました。

 

 

↑工事前の状態

 

 

 

 

↑工事後のフレームに収まった状態

 

ご覧の通り、まったく別物といってもよいレベルに仕上がりました。

 

心理学や行動経済学の言葉に「フレーミング効果」というものがあります。同じものでも見せ方により「別物」に感じてしまう現象です。まさにこの効果でプレートの価値が10倍くらいになって見え始めました。

 

「永久プレート」とは、当社で5年間勤続してくれた方に贈るステンレス製のずっしり重い名前を刻んだプレートです。

 

 

正社員だけでなく、準社員さん(一般にパート社員)のプレートも製作します。というより、準社員さんのためにあるプレートと言っても過言ではありません。実際80%以上が準社員さんのプレートです。

 

一般にパートとして働く方は、家庭を持ち、子育てや家事を優先して働く女性です。実は彼女たちは、公には「社員」としてカウントされません。県や市、税務署などに提出する公的書類の従業員数(社員数)から除外されます。

 

それどころか、損益計算書の勘定科目は「雑給」という蔑称(?)が充てられています。正社員の「給与手当」という勘定科目から、あえて切り離され仕訳けされます。

 

したがって、何十年と永年勤続しても公的には「正式に働いた」とは認められません。

 

10年前くらいにそのことに気づき、「それはおかしい。・・なら社内だけでも存在価値を認めてあげよう!」と思い、打った一手が「永久プレート」です。

 

パート勤務と言えども、5年間働いたなら、その証拠を残してあげよう!人生の、しかも働ける年齢の5年は結構な時間です。最近は、このプレートと一緒に家族と共にお祝いができるように、和牛肉をプレゼントしています。とても好評です。

 

このプレートは最終的には、将来構想している「ポッポの森」に掲示することにしています。

 

準社員さんたちが引退後、国のどこにも「働いた証拠」は残されてなくとも、ポッポの森に来れば、「頑張った証」が見れる。そんな場所をつくってあげたいと考えています。

 

プレートに名前を刻まれた準社員さんが、現役を引退し80歳を過ぎ、彼女の働いていた姿を知らない孫とポッポの森を訪れる。森と言うフレーミング効果で、さらに輝きを増した自分の名前のプレートを孫に見せ・・・

 

「この場所の一部はおばあちゃんがつくったのよ!」

 

こう言わせてみたいものです。