「タイパ」とは、タイム・パフォーマンスの略語で、使った時間に対する効果や成果の事を言う。最近のバズワード(流行り言葉)である。多分、コスパ(コスト・パフォーマンス)から発展?展開?された造語だと思われる。

 

コスパ=費用対効果であるから、タイパ=時間対効果なのであろうが、そもそも「時間」と「効果」って数字で会計学的に比較すべき対象なのだろうかと思う。

 

そのタイパの代表例が映画や動画の倍速視聴である。この場合のタイパを考えてみよう。

 

・1.25倍速なら時間は20%儲かる。120分映画は96分で見終わり24分短縮できる。

・効果は複雑だ。ストーリーはわかるが、深い味わいや喜びは得られない。

 

「忙中閑あり」という言葉がある。安岡正篤の人生訓だが、実に趣きがある。曰く、ただの閑は退屈でしかない。ただの忙は文字通り心を亡ぼすばかりである。真の閑は忙中にある。忙中に閑あって始めて生きるものである。

 

「忙中忙あり!」

ファーストフードもタイパ消費である。食べるために待つ時間を減らす。ネット宅配はお店に食べに行く時間すら無くす。

 

当社はテークアウト主体のからあげ専門店であり、ファーストフード的要素もあり、ネット宅配もやっている。

 

ただし、我々は「タイパ」とは真逆な立ち位置の商いだと自認している。このことに関するコミットメントが「令和の商人道」である。

 

 

 

 

実は先日、お客様からお叱りを頂いた。

「お昼にお弁当を買いに行ったら、ご飯が売り切れており、今炊いているので待つように言われた。なんということか!」

 

待たせないこと、品切れさせないことを最優先にすれば、絶対に売り切れない量をお昼前に用意しておけばよい。ただ、想定より売れなければ、そのご飯は長時間保温され(おいしさを損なって)販売されることになる。それが夜であれば廃棄される。

 

「当社は、新しい販売の取り組みに挑戦しております。ご理解いただけますと幸いです。」と回答した。

 

 

ところで「タイパ」の最大の敵は「睡眠時間」だそうだ。いかにして人の睡眠時間を減らし、消費や経済活動の時間に費やすよう奪い取れるか?

 

人間にとって幸せな時間の使い方とは何か?「タイパ」は考えさせてくれる。

 

 

 

↑以上、テンピュールのベットに試寝(?)しながら考えたのでした。