ありがとうございました。 | 演劇集団アクト青山 月の宴&新人公演

演劇集団アクト青山 月の宴&新人公演

春公演に向けての役者・演出家、時々スタッフによるBlog。
イプセンとチェーホフ同時に上演なんて見た事ある?
ないですよね!
だから、チャレンジするのです。

おはようございます。
演劇集団アクト青山主宰の小西です。
もう一週間近くも経つのですね。
新人公演『桜の園』、『ヘッダ・ガーブレル』の両作品が。
早いもんです。
去年の秋頃に始まったこの二作品、千歳船橋apocシアターにて合計10ステージを上演し、本当に沢山のお客様がご来場下さり感謝の言葉しかありません。

新人公演『桜の園』については、台本を二時間にまでテキレジし、セットの転換を無くし、解釈を新しくして、のぞんだわけですが、思っていた以上に出演していた役者が自主稽古をし、日々様々な努力を積み重ねた結果が良く出ていた、そう思います。
もちろん、もっと落ち着いた、チェーホフらしい作品の在り方もあったかとは思いますが、今回は新人公演という事もあり、できる限りフレッシュで明るくをモットーに作品に当たりました。
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稽古の成果が中々出ず、特に年末の通し稽古の結果は散々たるものでした。その時は非常に焦りもありましたし、プランを一から変更することも考えましたが、2月までは粘り強く彼らを信じて稽古を続けることにしました。
ただ、僕が大切にしている事は、どんな場合であれ役者というのは自分の頭で考え、解決し、稽古し問題と立ち向かう事が何より一番だというポリシーです。それに彼らが真摯に向き合あい、稽古に稽古を重ね、作品は完成に向かいました。
僕は、非常に感謝しています。この座組でなければ、こういう結果にはなり得なかったと思うし、本当にこの座組でしか見れない景色、出来ない作品になったと思います。
個人個人については書くつもりが無いのでここには記しませんが、すべてのメンバーに感謝しています。
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さて。
『ヘッダ・ガーブレル』です。
一番に感じているのは、演出不足だったという現実です。ヘッダという複雑怪奇な女の子を作り出すのに懸命になるあまり、台本の中に潜む、今を生きるテーマに目が行かず、部分的に演出不足でした。そのため、必要なセンセーションが発生せず、作品の根幹とも言える「なぜこの作品を上演するか」という肝要な部分が抜け落ちてしまっていました。僕の勉強不足。僕自身が出演者であるために発生するエアポケットのようなものに落ち込んでいました。ここは、これから反省し、改善していかなくてはいけない部分です。
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ただ、多くのお客様が二時間半という上演時間を経て、面白かったと、退屈しなかったと言って下さった事、ヘッダという女の子の心の闇に触れる事が出来たと話して下さった事については、福井を含め、全ての出演者の半年間の努力の結晶だったように思います。

劇団員は、作品毎に感傷に浸る時間はありません。課題を次次と克服し、新しい作品に挑み、お客様の心に充足と疑問とテーマを投げかけ、あるいは夢や希望を与えていかなくてはならないのです。僕はいま、その事を考えています。
そして、僕自身はやはりある種の決断を迫られているのだと感じます。
とにかく、今回のこの『ヘッダ・ガーブレル』が僕らの演劇の在り方を大きく前進させてくれた事は間違いなく、僕は今はこれまでのどの瞬間よりも「これから」について考えています。
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今回、ご来場くださいました、多くのお客様。
特に天気の悪い日が多く、足元の悪い中にもかかわらず御観劇下さいました皆様には感謝しかありません。
また、メールやSNSなどでいつも応援して下さっている皆様にも、この場を借りて感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
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最後になりましたが、
舞台監督の宇土さん、音響の水野くん、受付の蔭山さん、岩崎さん、福井さん、渋谷さん、犬井さん、竹中さん、本当に本当にありがとうございました。
皆さんの協力なくして公演の成功はあり得なかったし、これほど充実した時間は過ごせなかったと思います。
また、照明の松村さん、いつも素晴らしい灯りをありがとうございます。松村さんなくして僕の作品はあり得ません。これからも宜しくお願いします。


さて。
今年はこれからバンバン上演して行きます。
『世帯休業』岸田國士
『シッカロール』小西優司
に始まり、年末、来春二本、来夏一本、
そして来秋にはもう一度イプセンにチャレンジします。
楽しみにして下さい。
見応えのある、心に残る作品を演劇集団アクト青山は上演して行きます。
精進しなくては。
精進しなくてはならないのです。


では、またお逢いできる日まで。