広島・安芸高田
幼児~シニア・発達障害児さんのためのピアノ教室 LaLa Pianoです
~はじめに~
現在、私の教室の大人の生徒さんの内 8名が20代~50代前半のミドル世代、7名が60代~90代のシニア世代の方です。
一口に《大人》と言っても、20代~90代。
その差70歳!ピアノに求めておられるものは違うけれど、皆 共通の思いは「今だからこそ、ピアノを弾きたい!」ということ。
でも、思い切って始めてくださったピアノ。実は…大変なのはそれから。
《大人ならでは》の様々な問題で、続けるのが難しくなられることが多々あります。
でも、せっかくの「ピアノを弾きたい」という気持ちを諦めていただきたくない。
講師の私達の少しの心配りでピアノを弾き続けていただけることができたら。
私が《大人の方のレッスンで気をつけていること》を、これから何回かに分けてまとめてみたいと思います。
*
1回目は、
「シニアレッスン編~楽譜を見やすく」
先日テレビで、高齢者の運転の問題点を報道している番組で取り上げられていたのですが、
人の視野は、65歳を過ぎると狭くなっていくそうです。
運転は、道路や信号、歩行者に標識…と様々なことを見て、判断、行動することが必要です。
ピアノは、ただ椅子に座ってピアノを弾けばいいように思えますが、
実際は、両手の指先や楽譜を、見て、比べ、判断し…脳と目と指先を、かなり使います。
ですが、ある程度の年齢になられてからピアノを始められた方にとっては、「楽譜」を見ながら弾く、ということがまず大変。
私達講師は、子どもの頃からイヤというほど 見慣れている楽譜ですが、シニアの方は楽譜そのものに目がまだ慣れておられません。
さらに年齢的に、視野が徐々に狭くなられ、目がかすまれ…白内障など年齢特有の病気を抱えられることも多いシニアの生徒さんにとっては、
楽譜を想像以上に見にくく感じておられることがあります。
ここからは、私の失敗談です
この記事を書こうと思ったきっかけになった、シニアの方のレッスンでの出来事です。
ある日のその方のレッスンの最後、いつものように「今日の内容の中で、難しいとか不安だなと思われることは、おありでなかったですか?」とお尋ねしました。
すると、少し困った顔をされ「…最近、弾いてるとどこを弾いてるか、楽譜についていけない時があるんです」と。
ずっとその方のレッスンは、「大人ピアノ教本」の同じシリーズで同じように進めてきたつもりでした。
が…2年、3年…と通ってくださる内に、最初は軽かった白内障が進行し、目の状態が段々悪くなっておられたようです。
見づらくなってきた楽譜と指を、必死で追われてたのかと…大反省…(>_<)
気づいてさし上げられなかったことを謝ると、とても恐縮されていて。
でも確かに、(せっかく用意してもらった楽譜だし…)など気を遣われ、生徒さんの方からはなかなか言い出せないもの。
講師の側から、時々見え方の変化がないか、困っておられることはないか、お聞きしなければ…と、改めて考えさせられました。
そして、その場で練習用楽譜を作り直しました。
急いで作ったのであまりきれいでないですが…
急いで拡大し切り貼りしただけの、簡単な作り直しでしたが、「これなら、わかりやすいです…!」と、その方の顔がパッと明るくなられました。良かった…(>_<)
市販の「大人の」ピアノ教本の中には、音符の小さいものも多いのが現状です。 (内容とページ数、出版コストの関係で仕方ない面もあるかもしれませんが…)
ですが中には、大人用の大きな音符の見やすい楽譜もたくさん出版されているので、
楽譜を選ぶ時に、その方の進度や年齢だけでなく、目の状態も考えて選ぶといいなと思いました。
長くなってしまいました…
「楽譜を見やすく」続きは次回、後編に書こうと思います。