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キタガワのブログ

夜型、アルコール

にゃんこスター、浜田さんの「結果発表―!」のときに「カラスが!」という『水曜日のダウンタウン』を見てた人じゃないと絶対わからんツッコミしたの最高だったな。

 

 

 

 

2017年10月1日。キングオブコント2017が開催された。

 

今年の決勝進出者は以下の通り。

 

・わらふぢなるお(初)

・ジャングルポケット(3)

・かまいたち(2)

・アンガールズ(初)

・パーパー(初)

・さらば青春の光(5)

・にゃんこスター(初)

・アキナ(3)

・GAG少年楽団(初)

・ゾフィー(初)

 

半分以上が決勝未経験という今大会。結成17年目を迎えるアンガールズなどのベテランがひしめく中、結成わずか5カ月というハイスピードな猛攻で進出を果たしたにゃんこスターなど、所謂『認知度が低め』なコンビも目立つ。

 

正直、全く予想していなかったコンビも何組かいた。

 

まず、アンガールズ。元々『エンタの神様』、『爆笑レッドカーペット』といった人気お笑い番組の常連であり、人気も知名度もかなりのもの。そんな彼らが全国規模の賞レースで決勝に駒を進めたことは意外で、極端な話「ああ、まだまだ現役なんだな」と思った。が、同時に、二人のキャラクターが確立されきっている今、どんなコントをするのだろうという期待はかなりあった。

 

次に、GAG少年楽団。今回さらば青春の光が5度目の決勝進出とのことで「過去最多!」と各メディアでも取り上げられていたが、彼らに至っては8度も準決勝に行っている超実力者。しかも連続というのだから驚き。来るぞ来るぞと思っていたが、ついに花開いた。個人的には最も決勝進出が嬉しかったトリオかもしれない。

 

そして、今大会最大のダークホースと目されるにゃんこスターの存在も見逃せない。僕はそれなりにお笑いに詳しいほうだと思っていたが、一度も名前を聞いたことがなかった。それもそのはず、結成僅か5カ月。それでいて、歴代のキングオブコント決勝進出者の中で、最年少記録も更新(なんと23歳!)。謎のベールに包まれたコンビである。アンガールズのように固定されたキャラクター認識も存在しない。どんなことをやるかも分からない。良い意味で、大会をぶっ壊せる力を持っているのは彼らだけなのかも。そんな思いが頭を駆け巡っていた(結果、想像を遥かに上回るものを見せられたわけだが)。

 

さて、勢いにまかせてずらずらと書き進めていったわけだが、ようやっと、感想を述べたいと思う。ちなみに、以下の感想は全て僕個人のものであり、「じゃあこいつらはダメなんだね」とか、そういう類のものでは決してないとだけ断言しておく。(ネタバレが嫌な人は、このブログをそっと閉じ、家に帰り、おばあちゃんがくれた梨とか食べてください。なぜかというと、今が旬だからです)。

 

それではどうぞ!

 

 

 

 

【わらふぢなるお】

記念すべき一組目わらふぢなるおは、『コールセンターへの電話』のコントで勝負をかける。

いわばコントの王道とも言える電話越しでのやりとり。だが担当者の「勤務最終日なので好きなことやります」という発言からの流れは、過去に例を見ないもの。特に「パスワードは、ントで勝負をかける。いわばコントの王道とも言える電話越しでのやりとり。だが担当者の「勤務最終日なのでめちゃくちゃやります」という発言からの流れは、過去に例を見ないもの。特に「パスワードは、BBBBBBBBBB……」の後の「本当のパスワードはBBBBです」、「もっと打ったよ!」のツッコミは最高。安定した面白さだった。だが、いかんせん順番が悪かった。トップバッターということで、点数は厳しめの結果に。もし後半にやっていれば、さらに点はのびたはず。惜しい。

 

【ジャングルポケット】

言わずと知れた有名トリオ。今回はコント『エレベーター』で突破を狙う。上に行きたい斉藤と、痴話喧嘩で揉めるカップル二人の掛け合いは見事の一言。扉が閉まる→開いて仲裁→閉まる、の一連の流れは途中まで面白いものの、二、三度と続けると観客も展開が読めてしまい、飽きてしまう可能性がある。それを見越して『実は男同士』、『実は兄弟』という設定を追加で入れることで、安定した笑いをもたらしていた。3人でしかできないコント。全員の持ち味を生かしたコント。ジャングルポケット、さすがである。ファイナル進出。文句なし。

 

【かまいたち】

告白されたように見せて、実は告白予行練習だった……。すでにこの時点で、会場の空気は完全にかまいたちに掌握されたと言っていいだろう。見つかりそうな無限ループは恐怖でもあり、ともすれば会場から悲鳴をあげられてもおかしくない。だが、最初で空気を作ったかまいたちが、恐怖を笑いで上書きさせることに成功した。でもスタンガンで見知らぬ人を気絶させるのを見た女の子、どんな反応するんだろうか。絶対告白うまくいかんだろうなあ……。終始笑いで満たしたかまいたち。そのままの勢いでファイナルへ。

 

【アンガールズ】

「キモキャラを貫いたらファイナル行けそう」とずっと思っていたが、やってくれました。期待を裏切らない、というか予想を遥かに上回ったキモキャラの誕生。代用のものを模索する展開は、アンガールズコントではおなじみ。そして、数ある代用コントの中でも群を抜いて面白かった。「ラピュタのやつじゃーん」のツッコミは、体格的に田中さん以外の人にはできないもの。大爆笑する感じではないが、微笑ましく見れる安定感。なんとか逃げ切り、ファイナル進出。

 

【パーパー】

結果を見ると微妙な順位となったが、かなり洗練されたコントの印象を受けた。コントの定番『卒業式の第二ボタン』は、星野のキャラクターにより、良い意味でかなり悲劇的なものに。「ボタンの里親が見つかりませんでした」などの言葉遣いは上手く、ボケやツッコミの概念を宙に放り投げたような流れは、他のコンビには無いものだ。敗因としては、コント前のVTRでキャラが予想できてしまったことと、「斉藤くんのボタンが欲しいの」に対し、観客が一瞬「ん?斉藤って誰だ?この男の子?それとも他の人?」と思案してしまったところ、あとは星野が罵声を浴びせられるシーンが、妙にリアリティを伴っていたこと。キモキャラを認知させ笑いに昇華したアンガールズ田中と、初見でいじめられっ子キャラと認識され、「ちょっとかわいそう」と観客に感じさせてしまったパーパー星野。同じようなキャラだが、ちょっとした違いが如実に表れてしまった。でも、僕は好きです。

 

【さらば青春の光】

個人的に、ファーストステージで一番笑ったコンビ。居酒屋のテーブル一つであんなに面白いの、凄すぎる。『海老で鯛を釣る』ということわざがあるが、それを居酒屋のフィールドで展開させる、いわば発想力の勝利。まさに『ドえらい手法』なわけだが、これがさらば青春の光の真骨頂。最後の『合計が900円』のオチもピッタリはまり、文句なしのファイナル進出。以前披露されたコント『ぼったくりバー』とほぼ同じセットでありながら、値段が真逆なのが地味に面白かった。いざファイナルへ。

 

【にゃんこスター】

問題児!異端児!今大会、いや、ここ数年のお笑いのネタの概念をぶち壊した新星、にゃんこスター。彼らのコントは、まさに大事件だった。言ってしまえば一昨年のコロコロチキチキペッパーズの二本目のコントに酷似しているわけだが、うーん、何と言ったらいいのか。彼らから漂う無害さというか、ほんわかした雰囲気というか……。要はそれらが化学反応を起こし、大爆発した結果がファーストステージ最高得点なのだが。「なんかすげえの見たな」という感想しか出てこないのである。僕の陳腐な頭では。前回のロッチと同じく「わかってるけど面白い」のだ。縄跳びを放り投げて踊る。わかっている。わかっているが、なぜかめちゃくちゃに面白い。しかもあのコント、ほとんどがアドリブらしい。今年もあと二か月を切ったが、今後、あのダンスを真似した投稿で動画サイトは溢れかえり、テレビでにゃんこスターを見ない日はないと僕は断言する。一抹の不安は「ファイナルで似たようなのだけはやめてくれ……」ということのみであったが、結果は後述。

 

【アキナ】

にゃんこスターの爆発的コントにより、観客、審査員、視聴者の頭の中には『にゃんこスター』の文字が残る。そんな状態だからか、結果としてファイナル進出者は『にゃんこスター前』、『にゃんこスター後』に見事なまでに分かれてしまった。この環境下の残り三組。さぞかし辛かったと思う。さて、アキナである。アキナは今までと完全に路線を変更。誰も見たことのない新境地のコントを開拓した。今までも山名のサイコパスコントはあったが、サイコパス要素を塗りたくった結果、本格的な『マジでヤバいやつ』になった。このコント、他を圧倒する方法は一つしかない。それは、各オチのクオリティである。『他人の電話に出る』、『「秋山君ってさ、苗字何なん?」』など、個人的にはオチは全く問題なかった。ではなぜ結果が振るわなかったのか。そう。にゃんこスターのせいである。もしネタ順が逆だったら。そう思わずにはいられない。

 

【GAG少年楽団】

コント界の10年選手、GAG少年楽団。今回のコント『同級生』は、彼らの中でも特に面白いと感じたものの一つだった。古き良きコントで、複雑な展開や奇をてらった流れはないが、安心して見れるコントだ。「勇気を出せば2秒で終わる話」のツッコミも申し分なし。僕なんかはかなり好きな部類なのだが、いかんせんキングオブコントのようなコンテストでは、票が極めて伸びにくい。観客が期待しているのは、圧倒的爆発力なのだ。後述するゾフィーもそうだが、所謂スロースターターなコントは正直、相性が悪い。観客の笑いの少なさが審査員に飛び火し、さらにそれが視聴者へと流れる……。今回は悔しさの残る結果になったが、今後に期待だ。

 

【ゾフィー】

決勝戦ラストのコンビ。放送直後、ネット上でプチ炎上した今回のコント。母親を「飯」と見る息子と父親の齟齬が魅力だが、会場に女性が多かったのも影響しているのだろう。笑い声には恵まれなかった。多分、6分くらいの尺で見たらもっと展開して面白いんだろうなと思った。本当に何度も書いて申し訳ないが、星のネコの爪痕が予想以上に深く、3組続けて笑いは少なめ。R-1のハリウッドザコシショウの如く、概念を覆すタイプのものの後にやるとここまで変化するのか、と驚いた今大会であった。

 

 

これで決勝戦全組が終了。現時点での成績は以下の通り。

 

1位……にゃんこスター(466点)

2位……かまいたち(464点)

3位……さらば青春の光(455点)

4位……ジャングルポケット(452点)

4位……アンガールズ(452点)

 

これからファイナルステージ。一体どうなっていくのか。

続きは近いうちに書きます。ご期待ください!

 

~続く~