ヴィッパーサナ瞑想で沈黙を貫いている間、
唯一、言葉を発することが出来るのは、
瞑想の方法についての質問を、所定の時間にする時のみ。
 
 
先生は台座+座布団の上に座っていて、
我々は、その手前まで、ささっとにじり寄り、
先生のより数倍小さい座布団にお尻を乗せ、
見上げるようにして、言葉を発する。

 

 
私も一度確認で質問したことがあるが、
用が済んだらとっととその場を離れたので、
他の人がどんな質問をしているなんて想像すらしていなかった。
 
 
ところが、
登場している、ボリウッド女優ばりのかわい子ちゃんが曰く、
 
 
『え~~!!あれの面白いところは、先生と質問者のやり取りよぉ~。
私なんて、耳ダンボにして聞いちゃうの!!』
 

『女性の質問はねぇ、面白くないのよ、どれも同じなの。
瞑想法の質問という名前の下に、家族の話ばっか。

子供がどうとかなんですけどぉ~、とか、
姑がこうなんですけどぉ~、
旦那がこうなんですけどぉ~

…って、面白くないのよ!』
 
 
『その点男子のは、面白いの!!』
 
 
確かに、女子の面倒をみて下さる女性の先生は、ほぼ口パクに近い
無声映画くらいの囁きでお話されるので、
こちらも、なるべくそれに近い形で応答し、
結果、よほど近くにいないと聞きとれないのだが、
 
男子の面倒をみている男性の先生は、
『おまえ、もっと小声で話せよ!』くらいの声で話す。
おまけにそれを聞いた男子も同様に答えるから、
それなりの距離内にいれば、聞きとれちゃう。
ただしヒンズー語がわかれば、の話w
 
 
そこまで話すと、突然彼女は、
うだつの上がらない、ぬ~ぼ~とした男の子に豹変して、
 
『あのぅ~、先生…ぼく…
別れた彼女のことが忘れられなくって(涙…)

瞑想してても浮かんできちゃうんですけど…
感覚を追え、と言われても、あの(多分セックス)感覚とか
蘇ってきちゃって(^^ゞ』
 
それを聞いた男子先生、
『あ、そうなの。うん、わかった。
ま、とにかく、集中して。

(片方の手の指を、もう片方の腕の上から手先まで、
軽くひらひら叩きながら)感覚ね、感覚。
これを感じて。わかった?』
 
『…あ、はい…。』
 
 
次の男子。
『あの~、先生。
瞑想の始まりと終わりに、大先生の
旋律をつけた詩がホールに流れるじゃないですかぁ。

あのメロディーが頭から離れないんですよね。
食事中も、頭の中を流れてるんです。
どうしたらよいんでしょう?』
 
先生
『ん~、そうだね。過去の反芻やっちゃってるねぇ。
今の感覚だから。今ね!

とにかく集中して。
(片方の手の指を、もう片方の腕の上から手先まで、
軽くひらひら叩きながら)感覚ね、感覚。
これを感じて。わかった?』
 
『はい、やってみます。』
 
~~~翌日、同じ男子~~~
先生
『どうだね?集中できるようになってきた?』
 
男子
『はい、先生!旋律は頭から消えました!!』
 
先生
『良かったじゃないか!すばらしい。』
 
男子
『でもまだ、今度は詩が、頭の中をぐるぐる回ってます!!』
 
先生
『そ、そっか~。よぉ~し、がんばれ!
とにかく集中して。
(片方の手の指を、もう片方の腕の上から手先まで、
軽くひらひら叩きながら)感覚ね、感覚。
これを感じて。わかった?』
 
男子
『はいっ!先生っ!!(^^)/』
 
 
 
やっぱり、男子は、素直であり、純粋な生き物なんだね。。。

女子は金星から、男子は火星の出身で
たまたま地球に一緒に今住んでるのよね、きっと。