ヴィッパーサナ瞑想に行くと、

毎晩、ビデオで講話を観る。

(インドで参加したから、英語とヒンズー語で上映してた)

 

その中で、

この瞑想の手法を現代に伝える人、ゴエンカおじさんが

(昨年9月に逝去。亨年89歳。)

自身のヴィッパーサナ瞑想との出会いに

触れるくだりがある。

 

彼はインド人だが、ビルマで親族と共に、ゴエンカ一族と言われるほどの

富を成していた地元ヒンズー教徒コミュニティでリーダー的存在の

名士の家の出だった。

 

若き日よりその才能を開花させ、

(学生時代から、ビルマ国内で一番の成績を修め表彰されている)

本人曰くお金の亡者と化し、日々邁進していた。

 

 

そこへ突如彼を襲ったのが、特殊な片頭痛。

その強烈な痛みと闘いながら、重責の任務をこなす日々。

 

名医と呼ばれる医者に診てもらっても、

せいぜい心因性の片頭痛と言われるだけで、

抜本的治療法には出会えず、

 

 

ついにはモルヒネで痛みを抑える手段へ。

 

2週間に一度は、激痛のあまり、モルヒネを打つ。

その繰り返し。

 

 

医者は言った。

『打つのはいいけど、そのうち、モルヒネ中毒になるよ。

おまえさん、モルヒネ漬けになりたいのかい?』

 

 

お金はあった。

だから、スイスに治療のために逗留したり、

ドイツ、イギリス、アメリカ、日本へも行った。

 

 

しかし、治らない。

 

思いつく、あらゆる手段を講じ、

ビルマへ帰ってきた彼に、親友が言った。

 

『全部試して治らなかったんだったらさ、

一度ヴィッパーサナってのを試したらどう?』

 

 

それを聞いた彼は、

ヴィッパーサナのことを調べる。

ちょいと宗教臭く見えるが、改宗させられないって言うし、

ま、大丈夫か、と納得して、

ある日、10日間コースの扉を叩く。

1955年のことだった。

 

 

“入所”に際し、そのコースの講師からインタビューがあった。

『おまえさんは、なんで、このヴィッパーサナを体験しようと

思ってここへ来たんだい?』

 

『実は、私、片頭痛が、ものすごくて、

なんとかそれを治せないかと、参りました。』

 

 

それを聞いた講師は、

『ざけんじゃないよ、おまえさん、

それはヴィッパーサナを舐めてるね…。冒涜だよ。』

 

 

続きはまたね!

 

 

☆ヴィッパーサナ瞑想体験記☆
第一話   ヴィッパーサナ瞑想10日間から下界復帰♬
第二話   おならとげっぷと集中力
第三話   寝ても覚めても息を観る
第四話   息して、息して、観えるもの
第五話   連続TVドラマ『ブッダ』に萌える
第六話   魔法の紙きれで毎日がクリスマス
第七話   純粋な男子、現実的な女子
 


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