100均で買える素材を使ってコンデンサーマイクのケースを作りました。簡単な作業です。


当サークルはオーディオドラマ制作サークルなので、自宅やスタジオの外の施設で録音する際にマイクをケーブルやレコーダーなどの他の機材とともにバッグに入れたりコンテナの中に入れたりして運んでいきます。重い物で押し潰されるような場所には置きませんが、ソフトケースに入れた程度では不安ですし、移動中の天気が良いとも限らず雨のしぶきがかかったり、湿度が高い場所にしばらく置いておかねばならない可能性もあります。利用の前後数日そのまま放置になる事もありますし、付属品だけ別の場所に散逸して見当たらなくなるのも嫌です。そこでタッパーウェアに入れて持ち運ぶ事にしています。専用の防湿庫が無い場合、このケースである程度長期保管をすることも可能でしょうが、厳密に言えば乾燥のしすぎもマイクにはあまり良くないそうです。それでも多湿な場所に常時置いておくよりはマシと思います。

■買ってきたもの
・タッパーウェア(※タッパーウェアは米国タッパーウェア社の商標なので今回買ったものはタッパーウェアではなく「密閉できる食品保存容器」なのですが、本記事中では便宜上類似製品も含めてタッパーウェアと表記しています。)
・クッション材(セルローズ吸水マット)
・フリーザーパック
・シリカゲル(手持ち品を使いましたが100均でも買えます)


■タッパーウェアを選ぶ

荷造り荷運び事情からすると可能な限り小さいサイズにしたいのです。しかし小さすぎるとマイクが入りません。100均に現物を持って行けないのであればあらかじめマイクの寸法を測り、巻き尺を持って行って測って買いましょう。勘で買うと失敗します(今回も失敗しました)。今回入れるマイクはAudio-TechinicaのAT4050で、インターネットで検索して調べたところ太さ53.4mm長さ185mmとなっています。概ね長さ20cm以上、深さ6.5cm以上あれば入る感じです。Seria店頭で見たところいくつか使えそうなものがありますが、こちらを選びました。

山田化学株式会社 No.1540 WHITY PACK1600
本体:ポリプロピレン、蓋:ポリエチレン



本体及びラッピングには寸法記載がありません。ほとんどのタッパーウェアは逆台形をしており上側が広く下側が狭いですから下側の寸法が重要です。本製品も上側は縦21.5cm横13cmと一見余裕があるように見えますが、下側は実測で縦19.5cm横11cmとギリギリです。



深さは7.3cmあり、薄手のクッション材を敷く余裕があります。


■クッションを敷く

輸送中の振動を緩和するため箱の下面にはクッションが欲しいので「セルローズ吸水マット(厚手)」を切って敷くことにしました。



製品サイズが縦22cm横15cm厚さ0.8cmなので、タッパーウェアの底面サイズに合わせて縦19cm横11cmでカットします。試しに敷いてみると角が浮きましたので4隅を斜めにカットしました。


100均調達にこだわらなければ機材箱の内張りに使うスポンジでも良いかと思いますが、私の経験だと100均のタッパーウェアは数年で割れることが多く、その際に作り直すことになります。セルローズ吸水マットの耐久性が不明なので、4~5年経っても使える物かどうかはまだわかりません。


■防湿材を入れる

ジッパー付きで密封できる「デザインストックバッグ フルーツ(M)」(amifa) にマイクを入れ、シリカゲル「なんでも除湿シリカゲル5g(有)坂本石灰工業所」を封入します。



シリカゲルは100均でも調達できると思いますが、虫除け成分や香料成分が入っているものは揮発してダイアフラムに付着する可能性が高いので避け、食品添付用の純粋なシリカゲルにしましょう。容量は小型のもの1~2袋で足ります。入れて安心するのではなく定期的に交換するか干して乾燥させる事が重要です。


タッパーウェアの中なのに密閉ビニール袋に入れるのは、中で転がった際の擦り傷防止と水分が混入した状態で蓋を閉める可能性があるためです。外出して持ち歩く必要が無ければ袋は不要でタッパーウェアの中にマイクと共にそのままシリカゲルを入れれば良いです。ジッパーの耐久性やビニールの厚さだと定番品のZipLockが優れていますが、そのぶん固くてタッパーウェアが狭いと入れにくいかもしれません。より完全を期すなら袋状のエアーキャップに包んでから袋に入れると良いでしょう。




■付属品を収納しようとしたら・・・

さて、ここまでは順調でしたがショックマウント(サスペンションホルダー)を入れようとしたら入りません。あちゃー、マイク本体のサイズは気にしていたのにマウントは漠然と入るだろうとしか考えていなかった。分解しても入りませんでした。もしこの記事を見て作る方がいらっしゃいましたらマイクホルダーのサイズも測って計算に入れておきましょう。



1本ずつ持ち出す可能性を考えてマイク1本、マウント1個を1つのケースに入れるつもりでしたが、やむなく方針を転換し、マイク2本とマウント2個をそれぞれ別のケースに入れることにしました。荷運びを考えるとこのケース3個にはしたくないので。それでもマウントは分解して知恵の輪のように組まないと2本分収まりません。



撤収を急いでいる時や話しながら片付けている時はこれだと紛失の可能性もあるのだけれど致し方なし。収納の都合を無視すれば分解しなくて良いようにもう少し大きい箱にするかマウントのみ小さい箱2個にする手もある。

側面にテプラを貼ると完成です。


(がんくま)

【関連記事】(本記事中に出てくるショックマウントの詳細)
中華マイクショックマウントあれこれ(1)