EAT THE MUSIC.

EAT THE MUSIC.

とにかくそれが音楽と思しきモノなら
何でも聴いちゃう節操なき超雑食系男子が
日々どのような音楽を「喰らって」生きてるかの
しょうもない雑記です。
共に喰い散らかして頂けたら幸いです。

Amebaでブログを始めよう!
引き続き「俺啓発ソング」なプレイリストで。
良ければ皆様もこれらで師走まで乗り切って頂きたい。

{DA4FC515-75D7-4B3A-B1E7-FDF3FF41FE36:01}

JUDY AND MARY"mottö"

篠山紀信先生による、ピーターみたいなジャケも良し。

チョイ懐なジュディマリ、'00年リリースの記念すべき20thとなったシングル。

この時期既に解散へのカウントダウンは始まっていたんだろうから、ベテランに差し掛かったバンドが余力を全部絞り出すみたいに発散するエネルギーに満ちたこのパワフルロックチューンの破壊力は、退廃の美にさえ感じます。
前後のシングルが、いかにも「ジュディマリはこうあるべき」みたいなタッチだったコトを思うと、何となく却ってベテラン商業バンドならでわな不自由さが際立つんですが、本作の自由奔放・縦横無尽・喧嘩上等・我武者羅・斬味抜群な感じはティーンスピリットが絶妙に青臭く、まさにその斬れ味抜群な青臭さに痺れ、胸を締め付けられ、個人的に弱ってたタイミングには涙腺さえ刺激されたものです。

人間弱った時、心がやわらかくなってる時には結局ピュアで本気で虚飾のない、衝動的で丸腰な「本物」にしか心は奪われないものよ。

その意味で3分2秒と言う、カップラーメン作って2秒蒸らすぐらいの短時間で通りすがりに斬られて、斬られてるコトにも気づかないウチに殆ど「ヤリ逃げ」みたいに傍らを駆け抜けて行くようなこの「空気」の殺傷能力は「本物」のカタマリだし、もはや「曲」とか「グルーヴ」とかじゃなくて、コレはもう一種の「風」よね。
望まなくとも不意に浴びせかけられる向かい風よ。

でもこれが本気のティーンスピリットだけの産物ならこんなに永く聴ける作品にはならない、そこがベテランらしい職人芸。
歌詞も、今のYUKIの表現とは全然違うけど、凄く焦燥的なポジティブさが心地良い。
いくら何でも歌メロ無視し過ぎな自由奔放過ぎるTAKUYAの激怒ギターの轟音も実にエネルギッシュ。
YUKIに喧嘩売ってるようだし、その全容は翌年発表の名盤にしてラストアルバム・"WARP"でわかるコトですが、この時期のバンド内の微妙な人間関係、からのパンッパンに膨れ上がった緊張感がそのままサウンドになったよう。

後半「被害妄想~」のフレーズと共にスイッチングされるBPMで追い立てられるような切なさがブワッと溢れ、まるで向かい風が追い風に変わるようなエクスタシー。

歌う、風のように。って話よ。


何かと言えば「再結成して欲しいバンド」アンケートに名前が飛び出す彼ら。
オレもまた見たいような見たくないような気もするんですが、ジュディマリの活動期間の中で最も好きなのが活動再開から解散までのこの短き期間のカッコ良さ。

追い立てられて、風のように退廃へと突き進む彼らのこの時期の緊張感は、やはりこの時期だけの特別なモノ。
これを再現するのは間違いなく不可能な訳だから、なら再結成なんてされても意味はないし「オワコンwww」と叩いてやるまでですが、だからこそ永遠。

{267F6DB7-59D1-4CD5-8933-F3C5A28DE2E0:01}

YUI"feel my soul"

いつだったかの紅白の出場者一覧で「YUI、YUKI、由紀さおり」の三段オチに笑った彼女の記念すべきデビューシングルにして、オレが思う最高傑作。

大塚愛ちゃんに並んでデビュー曲以外全部クソ、と言う稀有なシンガーですが、いかにもセンシティブそうで感受性豊かな10代がその半生の中で抱えて来た何か鬱屈としたモノと、反する悟りみたいなモノを瑞々しい感性でまとめ上げ、タイムカプセルのように封じ込めた表題は、シェリル・クロウアラニス・モリセットなどの白人女性シンガーソングライターみたいに爽やかでエモーショナルな作風が洋楽的。
それでいてドラマタイアップに寄せたような、キャッチーでわかりやすいJポップロックなアレンジも程良い。
ストリングスも過剰さギリギリで華を添えます。

YUIのか細く弱々しいボーカルも却って何とも言えないふてぶてしさがあって、いつだったかスガシカオが競演した彼女を評して「意外と威圧感がある」と言ってたのを思い出す。
ただ、そんな「小さな大物」のメジャーフィールドへの第一歩と言うセンセーションを加点せずとも、この曲が持つ魅力は今尚色褪せない。
寧ろ、デビュー1年目で絞り出しちゃったのかなあ、とも。

フレーズフレーズの重み、そこから滲む多少向こう見ずで無鉄砲な感じもやはりデビュー曲ならでわ。

一方カップリング収録の彼女の処女作と言う"Why me"も、表題と地続きなアコースティックなスロー。
「いつも誰かが助けてくれると信じてた」が今のオレには最もブッ刺さる。

{48A85AC3-746D-47B9-9F90-D3E8C1823D92:01}

後藤真希"愛言葉(VOICE)"

最初はビーイングの歌手にでも歌わせとけよ、と思うぐらいダサく感じていたロックテイスト・"足跡"はもはや後藤真希自身のアンセムであると同時に、個人的にも野望にブレが出た暁には欠かせない応援歌になってます。

元は'11年発表のエイベックス移籍第2弾ミニアルバムのリードトラックで、同年末の活動休止前に発表された本フルアルバムでもラストを任された重要な一曲。

これまで散々失って来た彼女にここまで歌わすか?と言う鬼畜極まりない歌詞も、不謹慎は承知でやはり重厚な聴き応えがある。

うん。生きるって、足跡を残すコトなんだよね。