「さくら」 | ソウシの補完計画

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大変ご無沙汰しております。茂木です。


前橋の桜も、もうおしまいでしょうか。


茂木は一人でお花見を行いましたが、
(その時のブログはこちらです)


夜、家のカーテンを開けてビックリ。衝撃の事実。





ベランダからお花見できました。


どうやら桃の木川は毎年提灯でライトアップするようです。


薄明かりに照らされた、散りゆく花びらは儚げで儚げで。


そんな花びらを見ていると


「花びら舞い散る、記憶舞い戻る」


というフレーズとともに、昔の記憶が蘇ってきました。


---茂木がまだ高校一年生の春、生まれて初めて"一目惚れ"というのを経験しました。


茂木が恋に落ちた"あすなちゃん"は同い年。陶器のような白い肌と目鼻立ちくっきりなお顔、学年に限らず大変人気のある女の子だったので、その倍率は隠れファンを含めると、軽く20倍を超えていたでしょう。


激戦区中の激戦区のあすなちゃんでしたが、友達の紹介でアドレスをゲットすることに成功した茂木は、ライバル達から一歩、いや、二歩も三歩も先へ行く存在となり、


メールはたわいもない内容でしたが、可愛らしい見かけによらず、


エミネムが好き。ということがわかり、あすなちゃん本人からエミネムのCDを借りるまでの仲になりました。


当時バンド系の音楽が好きだった僕にとって、エミネムはかなりハードルが高いものでしたが、映画「8 Mile」を観たり、


「Hey?Ha-Ha?Music Yeah!」などの意味の分からない発言をしたり、あすなちゃんの好きなものを自分も好きになろうと、それは必死で、必死で。いわゆるパッションってヤツですかね。パッション。


あすなちゃんを含めた友達4人でプリクラを撮るという、当時の僕にとって、人生の終着駅のようなチャンスに恵まれた際は、緊張のあまり


トイレで3回ほど嗚咽しました。


しかし、そんな幸せな日々は思わぬライバルの出現により崩壊したのです。


一つ学年が上で、身長も高い。奥手な茂木に比べて、ガンガンにアプローチをかけれる積極性を持ち、話上手な恐るべき先輩。忌むべきライバル。


通称、


"青ヒゲ先輩"
(その名の通り、青く剃り残したおヒゲがトレードマークなだけであって、大人気漫画「ワンピース」とはまったく関係がありません。)


彼はたまたま立ち寄った文真堂書店で、たまたまあすなちゃんと出会い、そして驚くべきことに、前振り無しでいきなりアドレスを聞くという、アグレッシブの中のアグレッシブと言うべき行動に出たのです。


彼は持ち前の軽快さで、あすなちゃんとの距離を光の速さで縮めていったわけなのですが、


茂木も茂木なりにメールを必死に続けて、何とか食らいついていましたので、青ヒゲ先輩との勝負は遂にヴァレンタインデイまで持ち越されることになりました。


来たる、2月14日。決戦日。


意味もなく朝シャンをした茂木は、完璧なスタイリングでヘアを整え、


群馬の風でヘアスタイルが崩れないよう、普段の2倍、時間をかけて登校しました。


あすなちゃんとは違うクラスだったので、あすなちゃんが僕を選んでくれたと想定し、あすなちゃんが僕にチョコを渡しやすいよう、「お昼休みもなるべく一人で行動する」という徹底的ぶりを発揮しましたが、遂にチョコを渡されないまま、下校の時刻となりました。


この日は運がいいことに、全ての部活動がお休みの日だったので、ホームルームを終えた教室には誰もいません。


最後の奇跡を信じ、静まりかえった教室で茂木は待つこと40分---


「ナニカガ、オカシイ。」


そう悟った茂木はまだ希望があると信じ、しかし半分は諦め、うなだれながらも教室を出て、下駄箱に向かい始めたその刹那、


屋上へと向かう階段から、勝ち誇った顔で、ゆっくりと降りてくる、青ヒゲ先輩を目撃したのです。


その手には、赤い箱が。


玉手箱?いや、違う。


小さくて可愛らしい箱。


玉手箱であって欲しい。


だが、しかし、


チョコを入れるのにベストサイズ!な箱。


あすなちゃんから貰ったチョコがいかにも入っていそうな箱。


チョコ以外が入っていたら、「Ha-Ha!笑っちゃうね!」な箱。



これを見た瞬間、"時間の圧縮"というものを初めて経験しました。


スラムダンクで言ったら残り10秒の感覚ですよね。たった10秒に何ページ、いや、何話使うのかと。


永遠とも思える時間の中で、あすなちゃんとの楽しい思い出が、走馬灯のようにグルグルグルグル頭の中を回り始めたとき、青ヒゲ先輩から少し離れて階段を降りてくる、あすなちゃんの姿が目に入りました。


エミネム
「Are you O.K?」


茂木
「No.」



茂木は全速力で階段を下り、下駄箱に向かい、靴のかかとを踏みながら駐輪場へ辿り着き、


使用済みのテッシュのような、クッシャクシャな顔で自転車にまたがって、帰路に就いたのでした。


---ケツメイシの名曲「さくら」が流行っていた、初春の出来事。


これが、あの有名な「茂木壮志。初めて流した"恋の涙"物語」誕生秘話です。


この経験で茂木が学んだことは、


「想ったら、行け。」


「迷っても、行け。」


「考えてもしょうがない。」


「茂木、Go!」です。


2014年、迫り来る夏。「茂木、Go!」忘れずに過ごして行きたいと思います。