5月の文楽は、吉田玉女さんの二代目吉田玉男襲名披露公演。
 土日のチケットはまさにプラチナチケット。数時間で売り切れでした。

   

 数々の当たり役で魅了し続けた先代玉男さんが亡くなってから10年目、弟子の玉女さんの弟子入りから46年目の襲名披露。
 文楽界あげてのお祝いらしく浄瑠璃、人形遣いも三味線もオールスターの華やかさ。
 一部であった口上は、ビデオで流れていました。
 歌舞伎俳優の襲名披露の華やかさとは違い、素朴な口上。考えたら初めて声を聴くかたも。

   

 祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)
    金閣寺の段
    爪先鼠の段
 金閣寺を舞台に木下藤吉と松永大膳の戦い。後半は床に書いたネズミが本物に代わる雪舟の逸話を雪姫に演じさせます。

 桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)
    六角堂の段
    帯屋の段
    道行朧の桂川
 帯屋の段では、華やかに嶋大夫さんと錦糸さん、英大夫さんと專七さん、舞台には玉男さん(長兵衛)、和夫さん(お絹)、蓑介さん(長兵衛)、そして勘十郎さん(お半)が並びます。
 それぞれの思惑と感情が複雑に表現されて、またちゃりばが演じられ、引き続く悲劇を導きます。
 道行きでは、美声の咲甫大夫さん、呂勢大夫さんと大勢の三味線でさらに華やかにクライマックスを盛り上げます。

 真摯で華やかな素晴らしい襲名披露でした

主な出演者
 豊竹 嶋大夫
 豊竹 咲大夫
 鶴澤 寛 治
 吉田 簑 助
 吉田 玉 男
 吉田 勘十郎