物心二元論の世界観から非二元論の世界観へと拡張(TAN)し、理解のための実践の技術(TRA)体系。

 身体・精神複合体の中にこそ神聖(バジュラ)は宿るということを自覚する、気づかないという無知・無明からの解放

 タントラの実践では、実践者は儀式の手段、(マントラ、ムドラ、および曼荼羅)をヨガのアーサナ(体位法)、プラナヤマ(風力エネルギー制御)、およびプラテャハラ(制感)を学んでいきます。

 この実践が成立してきた歴史的背景、実践法を、特に後期ヒンディータントラと仏教タントラ(密教)について説明がありました。

   

 膨大な知識を数時間の講義でしかも語彙の制限された英語で専門用語を極力排しての講義は大変だったことだと思いますが、概観するのに解り易い講義でした。
 アンチキリスト教、“ニューエイジ”の観点から雑音の多い解説が多い中、極力ノイズを排した講義だったと思います。

 チベット密教、日本の密教の研究は日本語で手に入りますので、まずは母国語でこちらから勉強して見るのもいいかもしれません。

 チベット仏教ゲルグ派の灌頂を受けた仏教徒としても西洋人の理解がわかり興味深い講義でした。

 ジョン・キャンベル(博士)はバージニア大学の宗教学科の助教授で瞑想科学研究センター (uvacontemplation.org)の創設者。
チベット仏教の長い経験を持つ実践家でアシュタンガを20年以上実践しています。

 ちなみに以下の本にもカバーされています。
The Yoga Tradition: Its History, Literature, Philosophy and Practice, Georg Feuerstein,Ph.D (2001)