呼吸や筋肉の収縮により熱が生じる生理学的仕組みを講義させていただきました。

 ヨガの実践では瞑想と同時に呼吸の実施、鍛錬、観察が重要な位置を占めます。

 私たちのこの身体において呼吸の動きは“物言わぬ糸”である。それを捕らえて制御する事で、私たちは神経の流れである糸の束を、そのなかから思考という丈夫なより糸を、最後にプラーナというロープをつかみ、自由へ到達するように制御するのだ。Swami Vivekananda

 私たちは、心のバランスを崩しいろいろな考えに捕らわれた時、アサナと同時に呼吸法、プラナヤマ、でバランスを取り戻せる事を知っています。
 呼吸法により起る現象を生理学的視点から観察してみました。

   

 吸気により酸素を赤血球のヘモグロビンの鉄に結合させ身体中を巡らせることで生じる電磁エネルギーの仕組み。
 エネルギー(プラーナ)の通り道としてのナディーとは?

  

 呼吸やバンダに必要な筋肉を収縮させるために必要なエネルギーの生産する化学反応とその副産物として熱、アグニを生じる仕組み。

 何もないところから生じるのではなくあくまでプラーナのエネルギーをアグニに変容させる。タントラの教えの重要なテーマである変容を身を以て知る実践法とも言えます。

 激しい呼吸(バストリカ、カパラパティ)と、呼吸の保持(クンパカ)によって脳と身体に起こる生理現象

 この現象を利用して心身を制御しようとするヨガの実践をしていたようです。