スペイン、カタルーニャ地方で産業革命後に起こった、フランスのアールヌーボに匹敵する、モダン建築様式、モデルニスモ様式。
 カタルーニャの歴史背景から独立心が溢れる建築群。

 有名なのはアントニオ・ガウディのサグラダファミリア教会。
   

 直線と真円で神の完全性をたたえたロマネスク様式教会、ゴシックを経てガウディはいびつにも見える曲線を多用したモデルニスモ様式で教会を建築しようとしたようです。
 塔はまるで鍾乳洞のような外見で、聖堂の内部は木々に囲まれた森に擬した柱の数々。
   

 ステンドグラスは太陽を表す黄色、水を表す青、土を表す茶色などに分かれており、天井は自然光が入るように色ガラスは使われていません。

 神が創造したクリーチャー、創造物こそ完璧であるとでも言うように、木々の柱、壁、ドアにはシュロの葉、蔦のレリーフがあしらわれています。

 ただ、芸術作品としては息を飲むものがあるものの、そこには神への畏敬の念が感じられず、祈りを捧げる場所として適当か疑問でした。
 後で調べるとガウディはカトリックへの信仰にはかなり迷いがあったようです。
   

 隣接する資料館に置いてある模型では美しく見える、柱と天井のひまわりのような造形物も、40メートル頭上でみるといびつに見えて、神の完璧性を表しているようには見えないのが残念です。自然の創造物はもっと数学的に完璧で美しいのに。
   

 グリエ公園、カサ・ミラも斬新さはあるももの私には美しいとは感じない建築物でした。
 他のモデルニスモ様式の、モンテネールなどの建築は美しいのに。

 独立的な気運の中で独自性と斬新さが気に入ったグリエというパトロンに恵まれたのでしょうか。