僕らを見つけたユノヒョンが走り出す。
その勢いに驚いて立ち止まる僕らの間を、ユノヒョンが割って入り肩を組まれる。
「なんか楽しそうに話してたけど、なんの話だ?ん?(笑)」
ヒョンの薄ら茶色がかった瞳が僕とキュヒョンを交互に見る。唇の端はニヤリと笑ってるし・・・
「僕とキュヒョンの中での話だから、 ヒョンに話す事なんてないよ。」
「・・・キュヒョン、そうなのか? ん? 」
「エッ!? あ…ぇぇ~と、、そ、そぉぉなんっすよぉ~ ユノ先輩!つまんない話ですよ(笑)好きな野球チームどっちが強いとか、ま、親友でも譲れないもんは譲れないんすよねぇ。な、チャンミン(笑)」
僕の方に向かって、急にウィンクをするキュヒョンをヒョンはじっと見つめた後、僕らの肩に組まれていた腕が離れた。
「・・・ふぅーん、そっか。」
素っ気ない顔付きだけど、明らかに怪しく見えただろうな。
「そ、そう言うことだから。このまま僕らは寮に戻るから、ヒョンは部活あるんでしょ?友だちが待ってるんじゃ…」
「ユノォォーー。」
校舎の方からジャージ姿の女の子が、あっちこっち振り返りながらヒョンの事を探していた。ヒョンと僕らを見つけた彼女が、やっと見つけたって表情で小走りに駆け寄って来る。
「ハァ…ハァ…ハァ… やっと…見つけたぁぁ…ハァ…ハァ」
呼吸する度に大きく動く小さな肩が女の子らしく、ヒョンを探すの…大変だったんだろうなって思った。
「スヒョン、何やってんだ?こんなとこまで来て。」
「ハァ…ハァ…何やってって…次の試合の為の大事なミーティングがあるのに、部長の貴方がなかなか返って来ないから心配で見にきたんでしょ…ハァ…ハァ…」
「んん~~…ミーティングぅぅ…?? あ、そうだったっけ(笑)」
忘れたのか忘れた振りしてるのか…とぼけ顏のヒョンの周りは、いつでもたくさんの人で溢れてる。
そして僕も…その内の一人なんだろうな…。