とある田舎町の とある小さな商店街に
【魚屋 みん 】と書かれてる看板が･･･
このお店の店主・・・ユンホ。町の人からは、ユノと呼ばれ町の人たちからも頼りにされ、老若男女問わず人気がある店主なのです。
どんな事にも誠実に対応する。それは幼い頃にユノが教えられてきた、生きてゆく為の大切な事だと・・・
だから今日も、ユノの周りではいろんな事が起こります。
【魚屋 みん 】の店先に、ずぶ濡れになりながらしゃがみ込んでる青年が一人・・・
「、、、ハァ、、。」
ユノが一つ溜息をつく。
だってもうとっくに答えは出てたのだから…
「 ほらっ、、、風邪ひくぞ。」
傘を差し、ずぶ濡れになってる青年の前に立つ。
困っているような眉した青年を見ながら、
捨て猫を保護するような気分だった。
が、この青年…初対面のユノに向かって
「僕を…飼ってくれませんか？」
と、小さな声で突拍子もないことを言うものだから
「ん？飼う…って……え？えぇぇぇーーー！」
その青年が立ち上がり、だんだん自分と同じ位の目線に近づいてく事に気付く。
「《 げっ！こいつ見た目より… 》デカイなぁぁ・・・あっ！」
口が開いたままだって事を忘れて思わず心の声が漏れていた。
「、、、え？デカイ？」
「、ん？あぁぁははは、俺と同じ位の背丈の奴ってあまり見かけないからさ、つい言葉に出てた、わりぃ（笑）」
何とも気まずい雰囲気の中、ずぶ濡れになってる青年にユノはタオルを渡すと
「はぁ、、、ぁ、ありがとうございます。」
小さな声で礼を言ったあと、渡されたタオルで青年は髪を拭いた。
降り続く雨の音を聴きながら、外の景色を見る二人……
「おい、なんでこんな店で飼ってくれなんだ？ 服装もちゃんとしてるし… 何か理由でもあんのか？」
「……何か…って… 別に……」
「なぁ、声、もうちょいデカくなんないか？ 雨の音の方がデカくてさ…。」
「 ･･････。」
灰色の空の隙間からピカピカと光りが見える。
「あぁ～ 稲光かぁ… このまま荒れなきゃいいけどなぁ（笑）……おい？」
「 ･･･････。 」
青年の方に目を向けると、少しだけ狼狽えてるような感じにユノには見えた。