「俺にはちゃんと見えてるんだけどな…この先の俺たちの進むべき道が…必ずお前と一緒に肩を並べて進んでいけると…俺はそう信じてる。」
「・・・・・・。」
言葉が出てこなかった。
「今から言う事は…まぁ…一度しか言わないし、聞き流すのはお前の好きにすればいいから。」
ユノヒョンの声が隣で黙ったまま座る僕の隣りから、低く温かく…聞こえてきた。
「 俺は…踊る事が好きだ。踊りに関しては誰にも負けないって…だからこの踊れる事が出来るこの場所は、俺の全てが出せる神聖な場所だと思ってる。」
「・・・・・・」
「初めは…この場所に立つのは俺一人で十分だって思いあがってた事もあったよ…目立てば一目置かれるしな…(笑)」
「・・・・・・」
「でも違ってた…俺のように踊りが好きな奴らがたくさんいて、努力してる奴がたくさんいることを知った…ははっ(笑)」
「・・・・・・」
「いろんな仲間とも出会ったし、もちろんチャンミンお前とも…まぁ、初めて見た時は同じ仕事をするとは思わなかったからな。」
僕も最初はそう思ってたよ…
「軽い気持ちで入ったって、この世界はそんなに甘くもないし…努力して努力してそれが実れば幸せな方だしな。だからチャンミン、お前を見た時…正直大丈夫かなって思った。違う世界の人間が入って来たみたいでさ。だから俺はお前が…」
《 違う世界の…人間…? 》
その言葉だけが、ヂリヂリ焼けるように耳の傍で鳴り響く…
そんな事…言われなくても感じてたさ…
「・・・ヒョン…もう…分かったから…」
「あ?分かったって何が?」
「いくらヒョンが僕と一緒に活動出来ると言っても、違う世界の人間だと思われてる僕は、あなたに近付こうにも…近付けないよ………だから僕はもう二度とヒョンの傍にはいられない…」
言葉にならない感情で、一気に視界が滲んでくる。こんな格好悪い僕は1分も見せたくなかったのに、歩き出す僕の腕をもう一度掴んで…ヒョンが僕を抱き締めた。
「馬鹿かおまえは!聞き流してもいいって言ったけど、話終わるまではここに居ろ!」
僕の顔が見えないよう肩の所に頭を押し当てたまま、また静かな声で話し始めた。