大切な試合のミーティングに顔を出さないヒョンを探しに、マネージャーのスヒョン先輩がヒョンと僕らを見つけて走ってきた。

「おぉ、スヒョンどした?ん?あ、こいつ、弟のチャンミン。で、友達の……キュ…」


「キュヒョンです!」


僕は軽く頭を下げただけだったんだけど、キュヒョンは緊張してたみたいで固まったままの姿で敬礼していた。


ハァ…ハァ…次の試合の為の大事なミーティングがあるのに、部長の貴方がなかなか帰って来ないから心配で見にきたんでしょ…ハァ…ハァ…」


この人…ユノヒョンの事かなり探したんだろうな。息が粗くて辛そうだ。


「んん~~…ミーティングぅぅ…?? あ、そうだったっけ(笑)別に俺よりも司令塔になるドンへがまとめてくれるだろし、それをしっかり者でサポート出来るマネージャーが居てくれるから大丈夫だろ…な、スヒョン。」


薄茶色の瞳を弓なりにさせながら笑うヒョンを見ながら、この人の周りは、いつでもたくさんで人で溢れてるだろうなぁなんて考えてた。


そんなヒョンの片方の腕をスヒョン先輩が掴んで引き寄せ鋭く光る瞳で


「 あらそう…部長がそんな態度で良いのね…? じゃぁ差し入れで買ってきた苺の果肉たっぷりイチゴミルクは他の人の胃袋に入るの…。フフフ…残念ね笑」


ユノヒョンの好きな物を把握してるマネージャーにしか出来ない事か… イチゴと聞いてヒョンの顔色が変わった。


「あぁぁ~~えぇっと、あ、チャンミン…そういう事だったらしい。一緒に帰りたかったんだけどごめんキュヒョンと一緒に帰って。」


「う、うん。初めからそのつもりだったから。謝るの変だよ。…あ、スヒョン…先輩、ごめんなさい。ユノヒョンが迷惑かけてしまって。こんな兄ですがよろしくお願いします。」


「 う…ん。学校ではいつもの事だから気にしないで。あ!ごめんなさい、他の部員達を待たせてるから…ほら、ユノ行くわよ。」


掴んでたヒョンの腕を引っ張って、二人は校舎に戻って行く。キュヒョンと二人、ヒョンとスヒョン先輩の後ろ姿を見ながら


「いつもの事だから…か…」


「お、ここでもヤキモチか?ほぉーんと好きだねぇ…ユノ先輩の事。」


無意識に出た言葉にキュヒョンが直ぐ反応する。


「…そんなじゃねぇし…」「わーっかってるってぇ~」


そう言って、またいつものように肩を組まれながら僕らはヒョン達とは逆に校舎の外へ歩き始めた。