とある田舎町の とある小さな商店街に
【魚屋 みん 】と書かれてる看板が・・・
このお店の店主・・・ユンホ。町の人からは、ユノと呼ばれ町の人たちからも頼りにされ、老若男女問わず人気がある店主なのです。
どんな事にも誠実に対応する。それは幼い頃にユノが教えられてきた、生きてゆく為の大切な事だと・・・
だから今日も、ユノの周りではいろんな事が起こります。
【魚屋 みん 】の店先に、ずぶ濡れになりながらしゃがみ込んでる青年が一人・・・
更にこの青年、この店で飼ってくれと言い出す。
二人が話す間も雨は降り続き、時折暗い空にピカピカと稲光が光って見える。
「あぁ~ 稲光かぁ… このまま荒れなきゃいいけどなぁ(笑)・・・・・な?」
「 ・・・・・・・。 」
青年の方に目を向けると、少しだけ狼狽えてるよにも見えた。
次第に遠くの方から《ドドーン》と音まで聴こえてくる。
「・・・・エッ!! 」
少し身を屈めながら両手を耳に近づけている。
「・・・ん? おい、大丈夫か?雷、嫌いなのか? 」
「・・・だ・・・大丈夫…です。」
そう言い終わったところで、さっきよりも大きな音が聴こえてきた。
「ぅわぁーーー!!、わ、わ、あぁーーー!」
両手を耳にあて塞ぎながら雷の音が聞こえないよう大声を出す青年の姿を見てユノが驚く。
「え?!な、なになに??どした??んん?」
ユノが覗き込むようにして青年を見ると、それに気付いた青年は目を丸くして、恥かしがったのか耳が薄っすらと桃色に変わり、だんだんと赤くっていった。
「・・・いえ、、あ、あの、、ほんとは、嫌いなんです、、雷が、、、。」
小さな声で恥かしそうに言う青年。
「、、怖いのにあの雨の中いたのか…凄いな(笑」
「・・・・・え?」
「それならもっと早くに言えばこんな時間まで濡れなくて済んだんじゃねぇの? まぁ雨が止むまでなら居ればいいさ。怖い思いもしなくて済むからな(笑)」
そう…いつものように放っとけない精神が湧いてきたユノの言葉に、目を潤ます青年。
「じゃあ、僕を飼って…」
「いや、その話と今のこれとは話が別だから。うちで雇う余裕ないしさ…」
小さな町の小さな魚屋だから仕方ない話なのだ。
「・・・なら、意味はないです。タオル…ありがとうございました。」
困った眉をした青年が立ち上がり外に出ようとした瞬間、《ダダァーーン》雷の光と音が同時に鳴り響き窓のサッシもガタガタガタと震えた。
「うあぁーーー!!」
その音と光に驚いた青年は、ユノの傍に走り寄り抱きついた。