とある田舎町の とある小さな商店街に


【魚屋 みん 】と書かれてる看板が・・・


このお店の店主・・・ユンホ。町の人からは、ユノと呼ばれ町の人たちからも頼りにされ、老若男女問わず人気がある店主なのです。


どんな事にも誠実に対応する。それは幼い頃にユノが教えられてきた、生きてゆく為の大切な事だと・・・



一方、ずぶ濡れのまま【 魚屋 みん 】の前でしゃがみ込んでたこの青年・・・


彼にも、何かがあった日だったようで・・・







今日僕は・・・
好きな人にフラれた


フラれたと言っても
僕の一方的な恋だったから
仕方ないんだけど


「 チャンミンの髪…柔らかくて…
ちょっと癖っ毛で…ふかふかして…ふふっ…
猫の毛みたいで好きだよ(笑)」



長い髪を揺らし背伸びをしながら
優しく笑って
僕の前髪を撫でてくれる。



その小さくて柔らかい手が・・・
指先が・・・
僕は大好きだったんだ。


あなたが誰かを見上げる後ろ姿と
隣で並ぶ…背の高い後ろ姿



そうかもう・・・会えないんだね



ゆらゆら歩きながら
気付いたらぽたぽたと雨が降ってきて
僕の視界も霞み始めた。



この雨が・・・
僕の初めての恋を流してくれるかな



まだまだ降り続く雨が
僕に立ち止まれと言う



【 魚屋  みん 】



見上げた僕の前に看板が・・・
僕を・・・呼んでるように聞こえた。