とある田舎町の とある小さな商店街に


【魚屋 みん 】と書かれてる看板が・・・


このお店の店主の名はユンホ。どんな事にも誠実に気さくに対応する。その為か、町の人からはユノと慕われております。


一方、とある雨の日にずぶ濡れのまま【 魚屋 みん 】の前でしゃがみ込んでたこの青年・・・


名前はチャンミン。彼もまた、この雨の日に何かがあったようで・・・








とても大好きだった人との別れを経験し
まだまだ降り続く雨の中
青年は一人寂しく歩き続けておりました。






僕の家からそう遠くないのに、
あまり来た事のない海岸近くのこの町・・・



【 魚屋  みん 】




見上げた僕の前に看板が・・・
僕を・・・呼んでるように聞こえた。




「こんな所に魚屋があったんだ…気付かなかった…。」



暖かい季節の雨でも、しとしとと降り続ければ
だんだんと体温を奪っていくわけで、
体から力が抜けたように僕は店の前でしゃがみ込んでしまった。



「はぁ…落ち込んでるはずなのに眠い…お腹も減ってきたし…肌寒くなってきたし…はぁ…。」



帰る場所はあるけど、そこへ帰れば更に落ち込んでしまいそうで、今帰りたくないし…



「誰かぁ~、僕のこと拾ってくれませんかぁ~~ (笑)」



土砂降りの雨の日に、誰かが聞くわけでもないのに、冗談交じりに小さな声で呟いてみる。










「ほらっ、そんなとこに座ってると風邪ひくぞ。」








「・・・・・えっ?」







急に雨があたらなくなったと思ったら、裾を捲り上げサンダルを履いた足が見えた。



《よくこんな雨の日に外に出て来るなんて、変わってんなぁ…》


見上げた僕の目の前に、タオルをバンダナ代わりに巻いて、傘をさし少し冷ややに見下ろす瞳と目が合った。